最強召喚士が異世界で従魔無双~それってありですか?~
彼岸花 冠
第一章
第1話
夜──午後10時。
「さて、明日までに仕上げるレポートは思ったより速くできたし、 久々にログインでもするか」
彼は、資料の山に置いてあるヘルメット型のゲーム機を手に取り、付属のコードをパソコンへと繋ぎ、ゲーム機を頭へと装着しゲーム機を起動させた。
「確か最後にログアウトした場所は 始まりの街だったよな······街でアイテムを買ってから、拠点に戻ってから、その後ダンジョンに潜るか」
パスワードを打ち込み、数秒ほど目を閉じてゲームが始まるのをまった。
彼の名は、
成績は良くも悪くもなく普通であり、友人関係もつかず離れず普通つまりごく平凡な大学生ではあるが、彼は周りには教えていない密かにゲームをプレイしていた。
ゲームの名はVRMMORPG『ツヴァイアースオンライン』。
『ツヴァイアースオンライン』はヘルメット型ゲーム機に搭載されている意識をゲーム世界に送り込む、フルダイブ機能によって、リアルを追及した五感の完全再現。
広大なマップに圧倒的自由度の高さに加え多種多様な種族にそして
特定の職業を取得するには、職業ダンジョンまた職業クエストをクリアすることで取得することができる様々な職業が存在する。
前衛と
魔法の魔法職。
狙撃、隠密、遊撃の盗賊職。
生産の生産職。
モンスター使役の従魔職。
二つの系統を持つ複合職。
六つの系統に属さない無系職。
一つの系統でも職業は100種類以上にも及び。職業が強力であればあるほどダンジョンとクエストの難易度はより高くなり取得は困難になる。
そんなゲームが実装されてから約6年が経過したある日、一つのギルドが注目し始めた。
ギルドの名は──『
彼らのギルドは、13人と少人数のギルドにもかかわらず、30人単位でないと攻略不可能とも言われたボスモンスターの討伐数最多や大規模クエストの総クリア数は全ギルドトップクラスだけでなく、『
二つ名とは、限られたプレイヤーの間で呼び合う通称や称号のようなものではあるが、二つ名を持つことは言わばプレイヤーの実力と脅威を示すことになる。
『
“偽英雄”ジャスティ。
“
“
“神速抜刀”豪丸。
“孤独師団”パンドラ。
“陰陽神”黒夜。
“
“城壁王”クラン。
“
“
“
“
そして最後の13人目は、“死”と呼ばれた従魔職【
プレイヤーの名はムクロ。
彼は、漆黒の外套を身に纏い骸骨の仮面を付け、さながら戦場に降り立った死神のような姿をしていた。
ムクロが使役するモンスターは、異質な強さを誇り、ムクロのモンスターが通った場所には、モンスターとプレイヤーの死骸しか残らずムクロに出会うと必ず死が訪れると噂され一時期は“死神”と呼ばれていたが“死神”さえも殺せると噂が広がり度々二つ名は変わっていったが、いつしか彼についた二つ名は“
◆◆◆
目を覚ますと木々が生い茂る森の中で漆黒の外套に赤黒いローブを纏い黒髪に右眼は赤眼、左眼は黒眼を持った彼が横たわっていた。
「あれ? どこだよ?······ここ?」
起き上がりあたりを見わたすと見知らぬ森の中で戸惑いがあったが、今置かれている状況を確認した。
確か最後にログアウトしたのは、街の中だったはず──けど、今いるのは森の中だし──しかも妙にリアルだ······まさか!?
「いや、まさかそんな、小説じゃあるまいしきっと俺が、知らない間にアップデートしてより、リアルに感じるようになっただけだろうし、まだ腑に落ちないけどきっとそうだ、あっははは」
自分に都合のいい解釈をしていると外套の中から白い紙のようなもの物が落ちた。
「ん? なんだ、これ?」
拾って見ると封蝋がされた手紙であった。差出人の名前はなく、宛先の名前には〝ムクロ様へ〟と書いていただけだった。
「手紙? こんなの持っていたか? しかもご丁寧によく映画ワンシーンとかでよく見掛ける封蝋までつけてあるよ、取り敢えず中を読んでみるか」
手紙の封を開けて恐る恐る内容を読んで見ると『どうも~初めまして神様です。
突然ですが、あなたは私の手違いであなたを異世界に転移させちゃったごめんね~、だけどこの世界は、ゲームだった頃と同様にスキルは使えるし、ステータスは見られるから安心して♥。
でも~それだけだと可哀想だからあなたに固有スキルを追加しいておいたから異世界ライフを楽しんでね、じゃあまったね~。
追伸:元いた世界ではあなたは死んだことになっているから安心してねー 。
あっ、でもこれじゃあ転移じゃなくて転生か(笑)(てへぺろ♥)』
「······うそだろ」
あまりに反省が感じられない手紙の文を読んで怒りより先に呆然となった。
つまり何か、俺はその神様の手違いで元の世界で死んじゃったから、その詫びとして二度目の人生は、ゲームで使っていたキャラ、ムクロとしてこの異世界に来たってことかよ。
田舎のお父さん、お母さんどうやら俺は異世界に来てしまったみたいです。
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