第8話 冒険者登録(3)
◇◇◇◇◇
ウイオのクラス判定で驚愕の事態が!
星測定器が十星を示したことで、ウイオたちは何が起こっているのか分からないでいた。
九星マックスのはずが十星とは?
が、ロディオが思い出した様に喋り出した。
ロディオ:「いや、確かに十星は存在する。
俺の知る限り、今まで一人しかいないが。
その方も今は姿を消しているがな。」
カルメン:「そんなの聞いたことないわよ!」
ロディオ:「確かに一般には出回っていない情報だからな。
お前も俺が黄龍会のメンバーであることは知っているよな?」
カルメン:「え?そうなの?」
ロディオ:「え?あれ?言ってなかったか?
俺も一応末席だがメンバーなんだよ。」
それもそのはず。公にはなっていないが、実は冒険者ギルドは黄龍会の傘下組織である。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターはもれなく黄龍会のメンバーなのだ。
ただし、ギルドマスターでも冒険者ギルドが黄龍会傘下であることは知らない。
ロディオ:「まあ、それはいいとして、別に秘密というわけではないぜ。黄龍会では知られた情報だ。
唯一の十星の存在がな。」
カルメン:「へぇ。ということは、この世に一人ってことなのね?
ふーん。だから、基本、九星が最高ってことになってるのね。
ん?じゃあ、ルカは2人目ってこと?」
ロディオ:「まあ、そうなるよなぁ……。
って、おい!まさか…ルカの天啓って!?」
ウイオ:「あ、それは……。」
ウイオが、どう説明しようか迷っていると、慌ててロディオがそれを制した。
ロディオ:「いや!言わなくていいぞ!
本部からはルカの素性は詮索するなと釘を刺されている。危ねぇ!言うなよ!」
カルメン:「えらい慌てようね(笑)」
ロディオ:「当たりめぇだ!こんなことで恨みを買っちゃ割に合わねぇ。
下手すりゃ、黄龍会から抹殺されちまうわ!
それと、もう一つ。ルカの素性は外にもバレない様に配慮しなけりゃならねえ。
カルメン。分かってるな。このことは絶対に外に漏らすなよ!本当に抹殺されるからな!」
カルメン:「もう!なら私に言わないでよ!
まだ、人生これからなのよ!」
ロディオ:「ああ、それは悪かった。
だがよ、俺もこんな事になるとは思ってなかったんだよ!
まあでも、これは必要だったかもしれん。
ルカ。ギルドに用がある時は、必ずカルメンを通してくれ。他の受付には話するな。
カルメン。そういう事だから。」
カルメン:「うーん、まあ、それはいいわよ。
この子、相当のイケメンだし、十星なんて将来性もありそう!
ルカ。何かあったら、私に言ってね!」
ウイオ:「はい、ありがとうございます!」
カルメン:「じゃあ、はいこれ。
あなたのギルドカードね。」
カルメンは、星測定器からギルドカードを抜き取りウイオに渡した。
ギルドカードには、ルカという名前と10個の星が刻まれている。
本当は登録料が必要なのだが、今回はそれはいらないらしい。というか忘れられている。
ロディオ:「ルカ。外では絶対にギルドカードは見せるなよ。バレちまうからな。
あと、今後ダンジョンに入場する際もカードは預けるな。お前は顔パスにしておく。
頼むぞ。絶対に守ってくれよ。俺にとばっちりが来るかも知れねえからな。いいな?」
ウイオ:「はい、分かりました。
いろいろ、配慮ありがとうございます。」
ロディオ:「いや、いいってことよ。
それにしても……なぜ秘密なんだろうな?」
ウイオ:「あ、それは……。」
また、慌てて制した。
ロディオ:「いや、言わなくていい!
単なる俺の独り言だ。
おいお前、危ねぇな。外でも喋るなよ!」
ウイオ:「は、はい……。」
ルカとしての冒険者登録が無事完了して、ロディオ、カルメン、ウイオの3人がとにかく秘密厳守ということを念押しして、2階から階段を降りて来た。
先程、騒いでいた冒険者たちは、何が起こっているのかの興味で、まだギルド内でたむろっていた。
冒険者:「お!やっと降りて来たか!?
坊主!なんかやらかしたのかよ?
冒険者にもなってねえのに出禁か?」
ロディオ:「黙れ!ルカの登録は済んだ。
今後、ルカに絡んだら殺すからな!
これはマジだからな!覚えとけよ!」
冒険者:「はぁ!?なんだよそれ!
貴族でもないのに、なんで優遇されるんだよ!納得いかねぇぞ!」
ロディオはまず、文句を言った冒険者の顔を思いっきり殴ってから、ギルドにいる全員に聞こえる様に大声で怒鳴って言い聞かせた。
思いっきり殴られた冒険者は、その場で立ち上がれないほどのダメージを負っている。
ロディオは、ギルマスだけあって、このギルドでは最強を誇る強さなのだ。
ロディオ:「うるせい!ギルマス権限だ!
他の連中にも言っとけ!もう一度言うぞ!
ルカにちょっかい出したら殺す!」
冒険者:「何だよ、それ……。」
ロディオ:「分かったな!」
冒険者:「はい……。」
冒険者たちは納得がいかないが、ロディオのあまりの威圧にそれ以上口を出さなかった。
そのあと、ウイオはカルメンから付近の地図をもらって冒険者ギルドをあとにした。
そしてウイオは、再度首飾りの石を握った。
ジェフ:(ルカ。どうでしたか?)
ウイオ:(ありがとうございます。
無事登録出来ました。)
ジェフ:(いえ、当然ですよ。
何かあったら、いつでも連絡ください。)
ウイオ:(はい。失礼します。)
念話が終わったあと、ジェフは考えて一人の隠密を部屋に呼んだ。
アマミ:「副会長、お呼びですか?」
ジェフ:「うむ。お前にルカの見張りを命じる。くれぐれも見つからん様に。」
アマミ:「承知。では。」
アマミは、詳しくは聞かずにすぐに部屋を出て行った。ただし、彼女は聡く、いずれはその様な命令が来ると予想していた様だ。
彼女は、黄龍会幹部だけあり、非常に優秀でジェフからの信頼は絶大だ。
ウイオ:「ふぅ。なんとか、登録出来たんで良かったな。今日はもう帰ろう。」
その後も冒険者たちの間であいつは何なんだ?と影では言われているが、表立ってウイオにちょっかいを出してくるやつはいなかった。
そして、ここからウイオとルカの二重生活が始まるのだった。
◇◇◇◇◇
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