第7話 冒険者登録(2)

 ◇◇◇◇◇


 ウイオが、受付の前で待っていると間もなく、冒険者ギルドの長であるギルドマスターが慌てて2階から駆け降りてきた。


ロディオ:「おい、カルメン!

 ここにルカって少年はいるか!?」


カルメン:「ええ、この少年だけど。」


 カルメンは、ウイオを指差した。

 ロディオはじっとウイオを見て、そして、ウイオに声をかけた。


ロディオ:「ルカ。俺はここでギルマスをやってるロディオってもんだ。

 悪いが一緒に俺の部屋に来てくれ。」


ウイオ:「あ、はい。」


カルメン:「ロディオ、そんなに慌ててどうしたのよ?」


ロディオ:「いいから、お前も一緒に来い!」


カルメン:「もう、なんなのよ。」


 カルメンも他の受付の子にあとはよろしくと言って、渋々、ロディオに付いて行った。

 カルメンは、受付の中では一番の古株でリーダーの立ち位置であったため指名された。


 ギルドマスター室には、ロディオ、カルメン、ウイオの3人だけである。


ロディオ:「まず、カルメン。今から話す内容は外では絶対に話すなよ。」


カルメン:「え?どういうこと?」


ロディオ:「それを今から話すんだよ。

 命が欲しかったら絶対に守れ。いいな。」


カルメン:「はいはい。で、話って何?」


ロディオ:「さっき、俺のところに黄龍会の本部から直接連絡が入った。

 ルカの冒険者登録をしろとな。」


カルメン:「はぁ!?なんで、あの組織から直接連絡が来るのよ!?」


ロディオ:「俺にも詳しいところは分からん。

 だが、お前にもやばいことは分かるよな?

 黄龍会の本部直々だぜ。

 とにかくだ。要求はルカの登録だ。

 カルメン、ここでやってしまうぞ。」


カルメン:「ルカ。あなた、何者なのよ?」


ロディオ:「おい!変なことを聞くな!

 黙ってルカの登録をしろ!」


カルメン:「はいはい。」


 カルメンは、登録するための魔道具を使ってルカの名前をカードに刻んだ。


カルメン:「じゃあ、ルカ。このカードにあなたの血を一滴垂らしてくれるかしら?

 指にこの針を刺して。」


ウイオ:「はい。」


 カードにウイオ(ルカ)の情報登録が完了。


 カルメンは、カードを魔道具から外してウイオに見せた。


カルメン:「これがあなたのギルドカードよ。

 じゃあ、次にクラス(星)の登録をするわよ。」


ウイオ:「クラスって何ですか?」


カルメン:「あ、そうね。

 初めてじゃ、知らないかもね。

 クラスっていうのは、依頼を受ける際の目安なのよ。

 あなたも冒険者登録をするなら天啓は戦闘職なのよね?

 戦闘職のクラスは星の数で決まるのよ。

 星の数は、天啓の持つ資質によって決まるわね。そのあとは経験を積むことによって上がるって感じかしら。

 星の数は、一星から九星まであって、それぞれにクラスが決まっているのよ。

 一星:初級(下)

 二星:初級(中)

 三星:初級(上)

 四星:中級

 五星:上級

 六星:青銅級(ブロンズクラス)

 七星:銀級(シルバークラス)

 八星:金級(ゴールドクラス)

 九星:白金級(プラチナクラス)

 ちなみに非戦闘職には星は出ないし、戦闘職もだいたい最初は初級から始まるわ。

 で、あとは追々教えるけど、四星の中級以上はダンジョンへの入場許可が与えられるの。

 そして、まあ滅多にいないけど、六星のブロンズクラス以上になると国の指揮官、将軍候補って感じかしら。

 そんなところよ。理解出来た?」


ウイオ:「はい、ありがとうございます!」


カルメン:「じゃあ、次にルカの星を測定するわね。」


 そう言って、小さな丸太の様な形の魔道具に先程作成したウイオのギルドカードを嵌め込んだ。これが星測定器というものらしい。


カルメン:「じゃあ、この測定器の上に手のひらを乗せて。」


 ウイオが、測定器に手を乗せると、その上空にガラスの様な透明の玉が浮かんできた。

 その玉が一つ二つと徐々に増えていく。


カルメン:「その玉が星よ。」


 玉は、三つ四つとゆっくり増えていく。


カルメン:「へぇ。もう中級じゃない。

 あなた、やっぱり只者じゃないのね。」


 玉は、五つ六つとさらに増えていく。


カルメン:「え?ブロンズ?」


 玉は、七つ八つとさらに増えていく。


カルメン:「ちょっと!?どこまで行くのよ!

 初期でゴールドなんて見たの初めてだわ!」


ロディオ:「おいおい!とんでもないぞ!」


 カルメンもロディオも初めて見る光景に驚愕している。

 それもそのはず。天啓の資質のみでこのクラスになるものはほぼいない。

 いたとしても、天啓の種類でおおよそ判別できるレアケースなため、学生であったとしても、国の幹部候補として扱われる。

 よって、冒険者になることは滅多にない。


 そして、玉はついに九つまで増えた。


カルメン:「まさか!プラチナ!?」


ロディオ:「嘘だろ!おい!」


 もう、二人とも信じられないと言った表情を浮かべて星を眺めている。


 ウイオにしても、この結果には言葉が出なかった。九星は最高クラスなのだから……。


 ところが…なんと、玉はさらにもう一つ増えて、十星になって星の数が確定を迎えた。

 確定したことは、宙に浮かんだ玉が光を放つことで判別出来る。要するに光を放つまでは玉は増えていくのである。


カルメン:「はぁ!?十星!?なんで?」


ロディオ:「おい!とんでもないものを見てしまったぞ!」


ウイオ:「あの〜。九星が最高なんですよね?

 これって、どういうことなんでしょうか?」


 ウイオの星は、最高クラスのさらに上のクラスを星測定器は示している。

 一体、どういう意味なのだろうか?


 ◇◇◇◇◇

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