『宇宙人はいなかった』 下の1


 次の工程はとなりの部屋にあった。


 

シポク


 『製品を、円筒形の容器に入れています。飲み物に違いないです。』



船長


 『だれが、飲むんだろう?』



シポク


 『さあて。周回させた偵察衛星の情報から、惑星全体の簡易な分析が出ました。活動している文明の痕跡は、どうやら、ここしかないようですが。』



船長


 『じゃ、ここで消費しているのかな。』



 偵察衛星は、さらに、先に進む。


 製品は自動的に箱詰めされて、どんどんと工場の外に流れ出して行くのだ。


 ロボット機械が、ひたすら、積み上げ続けている。



 どこまでも、どこまでも。




シポク


 『あそこから、つまり、集積所、出荷場ですね。でかいなあ。いや、でかい、というか、もう、遥かな彼方まで、まるで野晒しですね。あ、あの先には、港があります。』



船長


 『船がいるぞ。かなり、大きいな。』



シポク


 『しかし、まるで、あせこには、生体反応はありません。活動してないですね。ひたすら、この大陸側に、積むだけみたいです。むかしは、ここから、この惑星上各地に運ばれていたのでしょう。いまは、しかし、もう、海には運ばれない。ここに、積まれるのみですね。』



船長


 『なんだか、あわれだなあ。』



シポク


 『建物に戻ります。』



 偵察衛星は、工場に引き返した。






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