第二話 転移時計

 夢月零は腕組みして考え始めた。

「他に何かできることある・・・・・・」

「他にですか?」


「マジックボックスを三回撫で魔法の言葉を唱えると、転移時計が現れます」

「マジックボックスってなに?」


「そこにある星型の立体ボックスです」

「これ、マジックボックスなのね・・・・・・魔法の言葉ってなんて言うの」


「メリウス、メリウス、メリウスと三回唱えるだけです」

「簡単だけど、ボックスも転移するの」


「ボックスは、わたしと一緒ですから零様からは離れません」

「転移時計は、どうなるの」


「転移時計も零様と一緒に転移します』

「転移時計の取り扱いって注意ありますか」


「取り扱い説明書があります」

「説明書あるんですか」


「時計ですから・・・・・・」

「電池は、必要ですか」


「電池は、必要ありません。零様に連動しています」

「何処に転移出来ますか」


「遠隔転移、宇宙転移、異世界転移、前世転移、来世転移などオプションがあります」


「人気なのは、どれですか?」

「はい、異世界転移です」


「転移魔法みたいね」

「転移時計です」


「有効時間はありますか?」

「三日です」


「なるほど、二泊三日の修学旅行みたいねーーメリウス、戻るには、どうするの」

「戻る・・・・・・そんなオプションあったかな?多分ない』


「えええ、戻れないの」

「タイムアウトしたら戻れますが」


「じゃあ、タイムアウトするまで我慢するわけ」

「はい、そうなります」


「身の危険が起きたら、どうするのよ」

「その時は、心の中で、メリウス助けて!と叫んでください」


「それで、オプションの選び方は、どうするの」

「時計のボタンを押すと空間にホログラムスクリーンが現れ

ーーその中にオプション名が並んでいますからタッチしてください」


「タッチパネルネ。なんとなく・・・・・・使い方わかったわ」

「では、零様、試しますか」



 零は、マジックボックスを手のひらに乗せて三回撫でて、メリウスの名前を三回呼んだ。

するとマジックボックスが再び光を帯びて中から金色の懐中時計が現れる。


「これが転移時計なの?」

「左様でございます」


「転移は何人までできるの」

「三人までになりますが」


「どうするの?」

「オプションをタッチしたら十秒以内に手を繋いでください」


「タイムアウトしたら、他の二人はどうなるの」

「大丈夫です。零様と一緒に戻ります」


「とりあえず、問題なさそうね、優翔ゆうが玲子先生」

「え、私も?」


「先生から始まったんですよ」

「三日は困るわ、それにお金どうするの」


優翔ゆうが先生、メリウスにお任せください・・・・・・」

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