魔法時計〜異世界転移した女子高生と悪役令嬢〜【長編13万文字】
三日月未来
第一話 黒猫メリウスとの出逢い
黒髪のやや長いポニーテールが肩にかかる。
背丈は平均くらいで猫目に長いまつ毛の普通の女子高生だ。
零はミニスカートを好まず膝上くらいの長さを好んでいた。
部活顧問の
黒髪のセミロングに切れ長の目が印象的で目鼻立ちが良く容姿端麗というところだ。
零は、ある日の朝、散歩中に不思議な形のアクセサリーを拾いバッグにしまう。
優翔に質問されるまで、そのアクセサリーの存在をも忘れていた。
「夢月さん、そのアクセサリーどうしたの?」
「これですか?」
「そうーー それよ」
「道の隅に落ちていて拾って、そのまま忘れていたの」
「綺麗な色をしているわね」
「そうなのーー でもね、何か分からないのよ」
「うん、そうね、時計に似ているけど・・・・・・ 」
「時計ですか?先生」
「針はないわね」
「そうでしょう。だから不思議なの」
「三回振ったら、ワン!とか吠えるとか」
「先生、嘘でしょう」
「じゃあ、わたしが振ってみるね」
「本当にするの? 」
零は呆れた。
「じゃあ、振るわよ!ワン! 」
玲子が三回振ったけど、何も起きなかった。
「先生、何も起きないじゃない」
「じゃ、夢月さんしてみる」
「何も起きないと思うわよ。ニャン! 」
零が三回振ると、アクセサリーが光始めた。
部室中がキラキラと輝き始め、零と玲子は慌てる。
「先生、止まりませんが」
「夢月さん、もう一度やってみたら」
零がもう一度したら、光が弱くなって、アクセサリーから黒猫が現れる。
そして、黒猫は二足歩行になって人間の言葉を話始めた。
零と玲子は、突然の出来事に後退りをする。
『お呼びでしょうか?ご主人様』
「わたしですか」
『はい、零様の召使いのメリウスでございます』
「召使い・・・・・・何で名前を知っているの」
『零様の召使いでございます』
「意味が分からないわ」
『前世からのご縁でございます』
「わたしは、拾っただけよ」
『いいえ、メリウスがあの場所を予知して選びました』
「そんな馬鹿なことあるの」
『今、お話しているじゃないですか』
「質問、していい」
『なんなりと』
「じゃあ、あなたを呼びたい時は、どうするの」
『わたしの名前を心の中で三回お呼びください』
「メリウスを三回ね」
『はい、三回でございます』
「でも、さっきは三回振ったわよ」
『初回限定特典でございます』
「メリウスって、冗談も言うのね」
『冗談ではございません。初回限定です』
「メリウスは、姿を変えることができるの? 」
『たとえば? 』
「人間になったり、大きくなったり、小さくなったりとか」
『そんなことですか』
メリウスが笑いだした。
「そんな可笑しいことですか」
零はほっぺを膨らませて怒っている。
玲子まで笑いだした。
「じゃあ、メリウス、わたしに変身してみて」
『ではーーーーーー 』
メリウスの身体がアクセサリーの時のように光始めて、まもなくした時、もう一人の零が現れた。
「メリウス、すごい。そっくりよ」
『時間限定です』
「時間あるのーー 長くて、どれくらい」
『三時間です』
零は腕組みして考え始める。
「他に何かできることある・・・・・・ 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます