第七十四話ユニークモンスターとイベント㊶
([風車…!]フハハハハ!もうスキルも攻撃も何も効かぬわッ─!)
「くっ…なんだこのスキル…全く攻撃が通らない…!」
(そうだもう何も我を傷つけることなどできぬわッ!)
なんか邪魔なクソ害悪龍と強そうなプレイヤーが戦ってるなぁ…
(─[処刑執行]─)
(…ん?なんだこの石ころのようなものはこんな物くろうても痛くも痒くもッ…!!ぐぎょべッ…)
え…?HP半分以上削れてたっぽいし、即死効いたらいいなぁって処刑執行使って銃に変形させて撃ったらなんか落ちてきてるんだけど…何でこいつ即死効くの?大体のボスって即死無効やん…多分その分他のところが強かったんだろうけど…
[システムメッセー:暴風龍トルームを討伐しました。報酬を受け取りますか?]
「ありがとうございます!決め手がなかったので倒すまでにあと何分かかったことか…」
(いえいえ…私はただあの邪魔なクソ害悪龍をいち早く倒したかっただけですので…)
「何この喋り方…違う国の言葉なのかな…?それと暴風龍トルームを邪魔なクソ害悪龍呼ばわり…何この人…」
人を変なやつを見るような目で見ないでほしいな…俺はただの一般通過ユニークモンスターですよー
(私は旅の商人をしています宵と申します…お願いなのですが少しばかりこいつの素材を分けてもらえませんかね…?私も討伐に協力しましたし…)
「全然いいですよ!むしろ全部持っていってもらっても!」
(本当ですか!ありがとうございます!じゃあ遠慮なく…)
とりあえず逆鱗…鱗数十枚…爪数枚…牙一本…角一本…トルームコア(魔法スキル発動媒体)でいいかな…
「本当に遠慮なく持っていきますね…まぁいいですけど…あ、なにか困ったことがあったりしたらここに来て下さい。一応ここの代表みたいなもんなんで!」
(じゃあありがたく頂戴します。では)
「また縁があったら!」
ふーなんだかんだいい人だったな…最後に紙渡されたけどなんの代表なんだろ……
[クラン 討伐軍 クランリーダー ダン。王都の門からすぐそば!]
………最近すごい人に会い過ぎじゃない…?
*
【アマテリアル研究所跡地内部】
(シノ視点)
「無理無理無理無理無理無理無理無理無理…!!出口も閉まっちゃったし私ここで一生を終えるんだ…無理無理無理無理…!!」
あぁ…もう何でいつもこうなるの…いつもはこんなことは言わないけど私これ不憫だよね!不遇だよね!
はぁ…進むべきなんだろうけど…やる気というかァ…もう動けなくってェ…
[(シノ…?サボってますね?次サボっているところを見つけたらただじゃおきませんよ…?)]
「エイダさん…あぁチャットか…そんなサボってることなんてわかるわけないし…」
([これチャットじゃないですよ…これ通話ですよ?シノ?動きなさい])
「ひゃい!動きます!動きますから!」
([じゃあ私は外で待ってますね…何か見つけたら知らせて下さい…今少し手が離せないの…で!])
─プッ…
「切れたかな…動くしかないよねぇ…やだなぁ…」
一歩一歩歩き始め、進みだした
[重力の増加を感知⚠注意して下さい]
「ええ…!ちょっと…私何もできな──」
──ズン…!
「重…重くない…?あれ重くない…!なんで…?」
[遮絶]は使ってるけどこれもしかして重力の影響も受けないの…!なんて使い勝手がいいスキル!…なんで皆取らないんだろう?
その後も[焼却波][極低温][無重力]が来たみたいだけど何事もなく歩き続け最奥にある研究室?についた
「…なんだろうこれ?日記かな?」
培養ポットのようなものは全て何かが逃げ出したように割れており、地面にはよくわからない資料が散らばっていて見るからに荒れている…その中に唯一きれいにされているテーブルの上に一つだけ置かれていた
「とりあえずエイダさんに内容を送っておきますかね…」
チャットに全ページのスクショを貼り付けて[出ていいですか?]と送っておいたけど既読スルーされたままかなりの間放置された。なんか嫌な予感が…
[(シノ…今から《王都》を落とします…ほらいい国落とし日和ですし!])
[いやです!私は《王都》観光がしたいんです!絶対に嫌です!!!動きません!!!]
([シノ逃げられるとでも思わないでくださいね?])
「いやいやどうせここにエイダさんは入ってこれないでしょうし…当分ここで籠城といこうかな──」
(シノ?ただで済むと思わないでくださいね)
「ナンカサッキヨリコエゴチカイキガ…」
私は恐る恐る後ろを振り返る。
(さぁ…一緒にいきましょう?シノちゃ~ん?)
「くぁwせdrftgyふじこlp……」
*
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