第七十二話ユニークモンスターとイベント㊴
(はぁあぁぁぁぁぁ………)
「どうしたんですかそんなにため息なんかついちゃって?幸せが逃げちゃいますよ!」
(私に幸せなど元からないのだよ…)
シノが発生させた…発生しちゃったユニーククエスト[第一国奪還戦]…囚われの王女からかなーり成功条件が難しくなってんだよ…
[ユニーククエスト:[第一国奪還戦]
このクエストは成功、失敗によりこの世界の運命が左右されます。
成功条件 制限時間終了までに王女を救出し、安全な場所まで連れていき守りきった上で、侯爵ゲイルを討伐する
失敗条件 王女を救出できない、守りきれない、守りきったがゲイルを未討伐
このクエストには制限時間があります
残り1日09時間]
なぁーんだよこれ…王女を救出する他にゲイルの討伐も含まれちゃったよ…そして成功、失敗により多分世界地図が変わるだろう…最悪世界が消える…
「なんでそんなに落ち込んでるんですか?ユニーククエストですよ!しかも未発見です!」
(一ついいですかシノ…このゲームでのユニーククエストは極めて難しく、この世界の命運が左右されるものを指します…決してあまりうれしいものではありません…)
「え?でもその分報酬もいいんじゃないんですか?」
(まぁそういうユニーククエストが大半なんでしょうけど…このクエストは追加で報酬が加わってないです…つまりこのクエストは激マズな可能性があります…が)
「そ、そんなこと関係ないですよ!この国を救いますよ!」
(ちなみに普通のクエストなら何回でも挑み直すことができたのですが…ユニーククエストはそれができません…一発勝負です…そして制限時間もあるのでスタンピードが終わる前にはこのクエストを成功させなければいけません…)
控えめに言って受ける価値がないクエスト…でも受けちゃったんだよなぁ…
「私もしかしてかなりまずいことを…」
(大丈夫ですよシノ…受けちゃったものはしょうがないですし、今はどうやるかを考えましょう。でも次からは気をつけてくださいね)
「はい!」
いい返事!
で、今は黒王とわかれて《王都》へと向かっているところだ。
黒王がいうには、【アマテリアル研究所跡地】が昔研究を行っていた場所らしい…あ、あと黒王から駒をもらった。倒したわけじゃないぞ、なんでも知性がある程度あると駒を渡すことができるらしい…俺黒王より知性ないん…
「え、エイダさん!あ、あれが《王都》ですか…?私見るのも初めてで──」
(いいえあれはただの商団の馬車の屋根の先っぽですね…結構商団の馬車大きいですし、大勢いますしね…)
「〜〜っ!もう!フォローされたほうが余計恥ずかしいですよ!」
それにしても何があったのだろうか?なんでこんな大勢の商団の馬車が集まっているのだろう?
とりあえず最後尾の馬車に声をかけてみることにした
(こんにちは)
「全くなんでこんなに……あっ、こんにちは」
(私は旅の商人をしているエイダと申します…あのお聞きしたいのですがなんでこんなに商団の馬車が集まっているのですが?)
「うーんまぁ今回はただで教えてあげよう…この先でかなり厄介な魔物が大量に発生したみたいで《王都》へ向かう商団がかなり立ち往生してるんだ。一応魔物は来訪者が対応してくれてるみたいだが、一向に終わりそうな気配はないね……で、ここからちょっと頼み事があるんだけどさ…お兄さん達で倒してきてくれないかい?報酬は少しだが渡すが…どうだい?」
(断ったら私が《王都》で物を売れなくするつもりでしょう…いいですよ…でも倒せなくても文句はなしですよ…)
「おう!ありがとよお兄さん達」
さて、さっさと片付けようかな…
「なんで受けちゃったんですか?正直エイダさんの旅の商人ってやつ商人証明書がほしいための口実じゃなかったんですか?物売ってるところなんて見たことないてすよ」
(あの商団、かなり力を持った商団…いや商会の馬車でした。しかもあいつはその商会のトップです)
「ええ?!全くそんなふうに見えなかったですけど…でもそうだとしても受ける意味にはなってなくないですか?」
(ではこの先の国、街で一切の買い物ができなくなっても大丈夫だと思いますか?)
「いやそれは困ると思いますけど…そんなことできるのは商会の中でもトップじゃないと…まさか…?」
(そのまさかです。あの方は総合商会会長ミケ・テナーソンです)
国王とほぼ同等の立場の人に逆らえるわけがないんだよなぁ…
*
現場につくと、大勢の来訪者と大量の[クラウンスライム]が戦っていた
[クラウンスライム]とはスライムのクソ強版で物理は1ダメも入らなく、魔法耐性もかなり高い厄介な魔物である(クソモン)
(よりにもよってあいつですか…それだったらプレイヤーでもかなり時間がかかりますよね…)
「ぷよぷよしててかわいい!」
その代わり核を潰すか固定ダメージ系の攻撃にめっぽう弱いので、俺がやるのが適任なんだろうが…
(今回はシノに任せようかな…)
「ツルツルしててすべすべ──へぇ?!私ですか?一人でですか?」
(もちろん。一人でこれ全部を)
シノには戦闘経験があまりないっぽいからな…俺がサポート出来ないときもあるだろうし
「無理ですよ!私ステータス低いですし…スキルも[遮絶][空間魔法]ともう一つしか持ってないですし…!」
(もう一つのスキルは?)
「えっと確か……[時空の拳]?ですね」
(詳細は?)
「………自身のMPを自由に消費してその消費分に応じてダメージを与える拳を召喚するらしいです」
うん!それヨグパンやん!どんだけ時空に愛されとんねん!おらぁ!行って来い!ワンパンで終わるから
嫌がるシノを[クラウンスライム]の中に投げ入れて、しばらくするとシノがヨグパンを使ったのか裂け目ができ、虹色に輝くものが出てきて一撃で[クラウンスライム]を一掃した
その後シノの周りにプレイヤーが集まり質問攻めの気配を感じたので、シノを抱えて《王都》へと全力で向かった
*
お読みいただきありがとうございます!
もしよろしければ★と♡、フォローのほどをよろしくお願いします!モチベになります!
ヨグパンがなにかわからない人もいると思いますが、ググって頂けるとありがたいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます