第七十話ユニークモンスターとイベント㊲




しばらく固まっていた[黒王]は戦闘前に座っていた切り株に腰掛けた



[なんだ…もうそこまで知っているのか…]


(ええ…だってあなたの見た目、彼女の記憶で見たあなたの鎧を黒くしただけでほとんど同じですし…)


[……あいつから直接聞いたわけではないのか…]



[黒王]はイデアのことを知っているから復讐されるとでも思っていたと思っていたのだが、あの口ぶりからどうやら中身が変わっていることもわかっているらしい………え?なんで?



(なぜ私が彼女ではないとわかったのですか?記憶では貴方は彼女が蘇ったと思うのが普通だと思うのですが…)


[確かに見た目、口調は少し違いはあれども、ほとんど一緒と言えるだろう…]


(ではなぜ?)


[伝えづらいんだが……例えるならオーラだ。今のお前にはあいつにあったはずのオーラがない……強者特有の余裕と力の差が生み出す威圧感も]



…………具体的すぎなくて全くわからん…どうしよ…なんかわかった風にしとこ…



(なるほどそれで─「私がエイダさんに感じている。圧迫感みたいなものが以前は黒王さんは感じていたけど、今は感じていないってことですね」─…………)


[概ねそういうことだ]



理解できない言葉が理解できない言葉に理解されててさらに理解できない……あわせよう…うんそうしそう!



(なるほどそれで私と彼女が変わっていると判断したのですね…)


[で、あいつは今どこにいるんだ?お前は影武者だろう?]


(は?)



私有能です〜って感じ漂わせておいてそこ理解してないのかよ!

だったらなんで俺がイデアって呼ばれてるのか説明してみろやぁ!



[いくら影武者とはいえ、事情を知らない一般人に身分をいつわるのもではないと思うがな…]


(……そのスタンスを貫く積りなんですね…)


[いや…(は?)って言われたからあっこれ…違うな…とは思っておったのだが…自信満々に言い放っておいて、簡単に自分の考えを否定できるわけないだろう!]


(逆ギレしてんじゃねえよクソ老害!)




*




[中身が丸々違うのか…不思議なこともあるものだな…]


(ようやく理解してくれたよこのジジイは…)


「エイダさん?口調…」


(……ようやく理解してくれましたかこの死に損ね時代についていけない老いぼれ…)


[儂はまたやり合ってもいいのだぞ…この自分の力に脳が追いつけていないゆとりが…]


「二人共落ち着いてぇ…」



あ゛ぁぁぁ!何なんだよこのクソジジイ!俺の魂がイデアの体に入り込んで今は俺が体の主導権があることを理解するのに1時間弱使いやがって!!今すぐぶっ殺して駒にして使い潰してやろうか…!



「二人共睨み合わないで…視線を死線にしないで…」


(そうですね。今日のところはこの辺にしておきましょうか…話も聞かないといけないですし…)


[まぁそうだな…儂もこの国は大事だし…この辺にしておこう…]



話を聞いたあとにシノをログアウトさせてからぶっ殺しやる…



[とりあえず私がこんなことになった経緯から説明しよう。お前も知ぬだろうしな。……まず、私達があいつを殺したことは覚えているな…その後、あいつと子どもの死体を持ち帰り、自我を持った魔物を作ろうとした。あいつの死体は強すぎるあまり、強い抵抗を起こしたため荒れ地となった森に投げ捨てておいた。燃えると思ってな…そして子どもの死体を使ったら抵抗は起こらずすんなりと魔物化することができたが、ついた自我が暴走し、研究所は半壊した。ここまでは大体あいつから聞いているのだろう…?で、何故か全ての責任を儂が背負わされ、鎧と剣、盾を持たされ、《王都》から追放された。と、言うわけだ。今じゃ外での生活にも慣れてしまったがな…でも鎧と剣、盾は魔物化しているようで、鎧が脱げなくなってしまったし、剣はどこで落としても手元に戻って来るし、盾はなんでも食べるようになってしまった。いや盾は元は何も食べなかったのだが…]



とりあえず王族追放系だと言うことはわかったぞ!

そして、それあなたが魔物化してるんですよっていいずれぇ…



「え?それって黒王さんが魔物化してません?」


[そんな事はないと思うが…だって儂理性あるし…自我あるし…]



何なのそのガバ判定…







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