第五十七話《間》
「………ん、頭いた…………あれ?喋れる…じゃあログアウトしたのか…?」
目が覚めると真っ暗で何もない場所にいた。天井も見えないから「知らない天井だ…」ごっこができないじゃねぇか…
「電気が消えてるのか?雷でも近くに落ちたのかな……」
俺は何も見えないので壁を手で探しながら歩き始めた。……壁が見つからない…
「ええっと…かべかべかべ…」
(お?ようやく目が覚めたか…なんだその滑稽な格好は…)
「しょうがないでしょ…!物にぶつかったら痛いんだ…から…?…ん゙?!誰?!不審者?!」
この家セキュリティはものすごく良いはず何だけど…110番しないと……パネルどこ?
(不審者なんて失礼じゃないか…それとこの一ヶ月ぐらいずっと一緒にいたではないか)
「一ヶ月も?!という事はストーカー?!」
(話が通じそうにもないな………自分の名前を言ってみろ。もちろん現実の方を)
「ストーカーは言動もおかしいな………まぁやるけどさぁ…(ピー音(個人情報のためセーフティがかかっています))?!」
なんでここは俺の家のはずなのに…ゲーム内にしかない個人情報保護がかかっているんだ?
もしかして…
(これでわかっただろう…ここは「まだゲーム内なんだな」……そうだ)
「ストーカーではないことはわかったけど…でもそれでもお前が何なのかがまだよくわからない…お前は何者だ?」
(……それは追々説明しよう…まずはここはどこなのかが重要だからな)
ここはどこなのかか…常識的に考えるのならキャラロストしたあとに来る場所…あとはバグったとかか
(ここは《
「わかりやすくがわかり易くないんだけど…そもそも魂とは何だよ…」
(……肉体に宿る生気のことで、魂が抜けたり無くなったりすると…身体の機能がなくなる物…と、言えば伝わるか?)
「大体は」
(で魂が抜けたりしないように入れ物が必要になる。それが《
つまりその中にいるってことは…今俺は魂に意識がある状態かなのか?
(そういうことだ)
「しれっと心の中盗聴しないくれ…」
(盗聴などしていない…魂の状態だから考えることが外に漏れて、声を出しているように聞こえてしまうんだ)
「じゃあなんでお前の考えることは漏れてないんだよ?」
(訓練しているからだ)
「訓練でどうにかならなそうだけど?第一魂の訓練ってなに?」
(訓練しているからだ!)
これ以上は詮索するのはやめておこう…知っちゃいけない気がする…
「で、ここがどこなのかもわかったし…お前は誰なのか教えてもらうぞ…」
(………君の意識とははじめましてだけど…魂とは交流してたし…少しは心当たりがあると思ったけど…)
「心当たりねぇ…」
あれしかないけど…隠しダンジョンを出たときに不意に流れ込んできた存在しない記憶…
「死の王…いや…死の女王骸ノ宵…」
(正確には違うけど、正解)
正確には違う…確かにはじめに名前の記憶があったはずなのに抜け落ちている気がする…
(私の本当の名前は…イデアだ…そして姿も君のような物ではなく…キュートだ)
そう言って真っ暗で何もなかった空間になにかの映像が映し出される
それは赤黒い人狼のような化物がモフリ隊を相手にしているものだった
しかも化物の方が優勢…というか遊んでる…
「もしかしてだけど…この黒い方がお前だって言わないよな…」
(あぁそうだけど?非常にキュートだろう?)
…………………考えたら負けだ
(君…私より濡れ雑巾の方がキュートだと思ったね?……10秒だけ待ってあげるよ…考えを改めようか)
「事実だしなぁ…禍々し過ぎるんだよ…かっこいい路線なら俺が見た魔物では一番だけど」
(ん〜…それで許してあげよう)
ちょろ…ぁっ…
(次はないからな)
「すいません…」
そんなことより映像を見てみよう…さっきも言った通り、俺?でいいのか?がモフリ隊を圧倒している
(いま操っているのは、君で言うならごろーかな)
「そもそもごろーって何なんだ?あのダンジョンにボスとしていたけど…」
(ごろーはねぇ…私から魔物の部分が抜け落ちたものだよ。だから私の元体とごろーが合わさったことで私の力の半分は出せてる)
「あれで半分なんだ…」
当分はプレイヤーに勝ち目はないな…
(不完全だからね…ステータスに関しては半分以上出てるけど、継続力がない…私だとあれを永遠と維持できる)
「そりゃ…大群で殺されますわ」
…?ふわりんが出てきたな…どうするんだ!?ろ!?へ?食った?
(大丈夫死んでないから…って元が人魂だからもう死んでるか)
「寒いし…なんか苛つくな…」
強くなったのかな?1.2倍…瞬間的とはいえ頭おかしいな…
(ん〜私がもうそろそろ出れそうかな…ちょっくら意味深な言葉を落として始末していますか…)
「おー!いってらー」
そう言ってあいつが消えた。そして映像に乗り移ったのか意味深な事を言うあいつが映る
うわー…素を知ったあとだとイタいとしか感想が出てこないな…あとなんか恥ずかしい
キャー共感生羞恥心ーー!
*
お読みいただきありがとうございます!
もしよろしければ★と♡、フォローのほどをよろしくお願いします!モチベになります!
もうそろそろイベントも終盤ですかね…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます