第五十四話【忿怒】(別視点)




イデアという魔物の目玉がぎゅるりと回りこちらを見る


血のように真っ赤な目玉からは禍々しいという感情しかわかない



「ユニークモンスター…FTO内で5体のみ存在する最強格…その一角が目の前にいる…しかも多分全プレイヤー初だろこれほど嬉しいこと──」


「何言ってるの…嬉しいわけ無いでしょ…」


「なんでだよ初だぜ初!もし倒せたら初討伐だぜ!」



イデアはまだ動かない…たださっきよりも威圧感が強まり、息がし辛い



「だって絶対にまだこいつには勝てないし」


『ヴオォォォォォォーーン!!!』


[忿怒の骸狼 イデアが[骸咆哮カダバーロアー]を発動!全ての良好状態、全てのフィールド効果が消滅し、イデアが[忿怒のオーラ]を纏いました。]


『鑑定通ったよ…後で[精密鑑定鏡]返してね』


「四号早くチャットで送ってくれ…なんかきそうだから」


『ほいほーい』



すぐに四号から鑑定書がチャットで送られてくる



*



name 忿怒の骸狼 イデア

Lv662

HP 451410

MP 152


STR 776 ×2(1552)

VIT 296

DEX 582 ×2(1184)

INT 116

AGI 976 ×2(1952)

MND 2048 ×4 (8192)


skill

■■■■■■■■■■■■

unique skill



*



これならまだ勝て──



『でこれが今のステータス』



*



name 忿怒の骸狼 イデア

Lv■■■■

HP 451410

MP 152


STR 8192 ×2(16384)

VIT 8192

DEX 8192 ×2(16384)

INT 8192

AGI 8192 ×2(16384)

MND 2048 ×4 (8192)


skill

■■■■■■■■■■■■

unique skill




*




へー…これは普通に無理だ



「来るぞっ!」


「もう来てるぞ!」



そう三号が発した時には背後にイデアが回り込んでいて、そのまま背中を鋭利な爪で切り裂こうとしたところを二号が盾で受ける



「…ぐっ重いっな!」



なんとか盾で受けきれたが衝撃により盾がへこんでいる

おっと見てる場合じゃなかった



【永遠なる炎】


『ヴオォォォォォォーーン!!!』


[[骸咆哮カダバーロアー]により【永遠なる炎】がキャンセルされました]


「これもできるのね…[出力チャージ]」



【永遠なる炎】なしじゃ[射出ショット]だけだと火力が出ない…無理にでも[出力チャージ]してから撃つしかないか…



「[射出ショット]……まぁあたらないよねー」


「速すぎてほとんど見えないんだけど…これじゃあ俺の大剣は当たらないぜ…」


「[防護ガード][プロテクト][パリィ]!お前ら防御を俺のみに任せきりにせずに少しは避けてくれ!三つスキル使わないと受け入れないからMPが足りないし…そもそもHPも足りん!」


「じゃあ私帰っていい?[出力チャージ]」


「スキル発動しといてやる気まんまんじゃん…[パリィ]ッ!」



こう話している間にも見えないイデアからの攻撃が続いており、なんとかしている状況である。



「[ディスメンバー][射出ショット]!」


ディスメンバーで通路全体に散弾銃のように撃てば──



しかし願い叶わず、イデアの体が繊維のように細くなり光弾と光弾の隙間を通り抜ける…[魑魅魍魎]か…



「急に見えな──がはっ!」



極限まで細くなり肉眼で捉えられなくなってしまい三号の腹が大きく抉れる



「ってダメージあんま大きくないのかよ」



思ったよりピンピンしてる…HPもあのステータスの割には削れていない



「これならあと2発ぐらいは耐えられそう…ん?なんで戻った?」



肉眼で見えないまま攻撃すれば私と二号は倒せずとも三号は持っていけただろうに…わざわざ的になりに来てくれたのかな?


イデアはその場で少し固まったあと手を握りしめ何か言葉を放つ



心冥しんめい



その瞬間糸が切れたように三号がその場に倒れる。


[パーティーメンバー モフリ隊三号が【心冥しんめい】により即死]



即死は聞いてないよ…!三号だからいいけど!







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