第四十話 朽ちぬ者(別視点)
(別視点)
かのように思われた
「─ぅぐっ…!」
刀で一号の首を切ろうとした瞬間
いつ撃たれたのかどこから撃たれたの
かわからない光弾が剣豪死人の残された腕を撃ち抜く
「何だったけー?遅いし勘も働かないときたかだっけー…そのままお返しさせてもらうよー」
「お前まだ動けるじゃねえかよ…!」
既に片腕を失っていた剣豪死人はこれで両腕を失ったことになる
見た目はほとんど負傷していない一号と比べるとこの殺し合いの結果は一目瞭然だ
「両腕がないからって負けたことにはならねぇ…足でもなんでも使って精一杯足掻かせてもらうぜ…!」
「時間稼ぎになればいいけどねー」
「時間稼ぎ?なんのことを言ってるんだ?俺はいつでも殺すことしか考えてないぜ…!」
「そうかー…」
殺し合いは、どちらかが死ぬまで終わることがないのだから
「まぁ、もう終わりだけどねー」
「は…?何を─がぁっ…!」
さっきと腕が撃たれたときのように、いつ撃たれたのか、どこで撃たれたのか全くわからない光弾が剣豪死人の腹を貫いていた
「やっぱり遅いし勘も働かないねー」
[剣豪死人が討伐されました]
*
「一号あれ遊んでたよな…」
「リーダー…ちょっと引くわ…」
「ほれ…そんなよそ見してても良いのか?」
「こっちは爺さんに遊ばれてるけどな!」
何だこの爺さん…盾役だったはずなのにでこぴんして空気を弾いただけで、盾で受けるのが精一杯ってどういうことだよ!
「ほぅ?あのお嬢さんは一緒に戦わないでいいのかのぅ…?」
「あいつを行動させるにはもふもふがいるんだよ!特にあれをしたあとだと!」
「リーダーあれやったあとものすごいデバフにかかるはずなのにもふもふが手に入りそうなら飛んでいくしな…」
「変なお嬢さんなのだな…」
この爺さん絶対スキルとかなしでこの威力の攻撃してるだろ…!
全然疲れる様子もないし…何百回もやってるはずだからスキル使ってたら少しでも休むことがあるはずなのにそんな感じもない
つまりこの爺さんSTRもかなり高い盾役というわけか…何だこの化け物は…
「おい三号…このままだと爺さんに遊ばれたまま終わるぞ…」
「ぇっ…なんか嫌だな…」
「そうだろ…だから俺がなんとかするからお前は爺さんに特攻してくれ…」
「それ俺に死ねって言ってる?」
「申し訳ない…」
「謝んな!それも俺の役割だろ!任せとけ!」
これで囮が使える…さぁ…この囮をどう活かして有効打につなげるか…?
「話し合いは終わったかのぅ?」
「ああ…律儀に待ってくれるなんて優しいな爺さん…」
「若者が知恵を絞っているところを邪魔するほど腐ってはないのでな…」
「それじゃあ再開といこうじゃないか…!」
俺がそう言うとさっきと同じように爺さんが空気を弾いてきた。さっきの倍ぐらいの数を…
「その知恵を絞った策を崩すことはとても楽しいがのぅ…」
「やっぱクソジジイじゃねぇか!」
「盾役がクソでなくてどうする…?」
弾幕がさっきの2倍になってしまったため三号が容易に盾の守れる範囲内から出てきにくくなってしまった…
でもこれで策をガラッと変えたらなんだか負けた気になる。
三号に爺さんにバレないように簡単なハンドサインで策の変更を伝える。
「三号よろしくな」
「まぁ…仕方ないってもんよ…」
「ここからどうするのか見ものだのぅ…」
この弾幕は確かに密度が高く、通常のプレイヤーが通り抜けることは不可能だろう…だが、この弾幕上の密度が低い…誘われている気がするが他にルートもないのでやるしかない…
「三号!今だ!」
「了解!副リーダー!」
「ほぅ…罠に飛び込むか…面白いのぅ…」
三号に合図して、盾を踏み台にして高く上に飛び上がらせる。わざと目立つように…
「いい的にしかならないがのぅ…」
そして、爺さんが三号に向かって空気を放つために少しだけ腕があがる…その隙に[縮地]を使い爺さんに接近するが…
「いい囮の使い方だがのぅ…読まれているとただの道化よ…」
まるで全てを読んでいたかのように既に指がこちらを向いている
…だが、それはこちらも想定内だ!
「やれ!三号!」
「[狂化]!!!ァアア゛アア゛[断裂]!!!!!」
「ほほぅ…!!」
完全に三号に気が向いていない内に[狂化]によりステータスを3倍にし、[断裂]により地面を激しく揺らし足元を不安定にする
すると、バランスを取ろうと無意識に体のリソースが持っていかれてしまう。それは俺もだが、その隙に三号が接近できる
揺れがましになる頃には俺も動けるため三号と一緒に爺さんに向かって攻撃できる…!
「[パワーバランス]![ガードブレイク]!」
「[クラァァァシュ]!!!!!」
───ドドカァーーン!!!
とりあえずどちらも爺さんには命中…
これでやられてくれないとまずいんだけど…
やがて土煙が晴れ、爺さんの成れの果ての姿が見えてくる
「「──っ!」」
「儂をここまで追い詰めた者は何百年ぶりだろうか…久しぶりに楽しめそうでワクワクするぞ…小僧共…この遊びを楽しもうじゃないか…!」
なんかショタ化してるんだけど…!
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