第三十八話■■る炎(別視点)




(別視点:剣豪死人)




何かをつぶやいてからあいつの様子がおかしい…


さっきまで光があった目は、少しの光も通さない色にのまれ


髪の色が黒だったのが、まるで反転したかのように真っ白くなっている


そしてこの熱さはなんだ……

熱さを感じた瞬間にかなり後退しておいて正解だったぜ…

もし、反応が少しでも遅れていたら俺はもうとっくに火だるまになっていたかも…


でもここまで後退してもまだかなりの熱さを感じる……あいつを中心にして熱を発しているっぽいが…


「おい!お前らー!こいつ動かなくなったんだけど大丈夫なのかー?」


「そのまま放置して大丈夫だー!」


こいつがつぶやいてから全く動かなくなって3分ぐらい経ってるんだが…本当に大丈夫なのか?



「『─燃焼完了、再起動─』」


「おっ!ようやく動くか?」



ようやく戦えるのか…!?

ちょっと待たせすぎ─てっ、熱!!



「あっつあつあつつのつっっ!!」


「何を踊っとるんだあの小娘は?」


「俺達に聞かないでくれ…」


「二号…ここまで熱が来そうだ…」



熱すぎ…!

地面が鉄板みたいになって…



「『─準備完了、■■る炎起動─』」


「『─射出─』」


「はっ!?」



あいつが動き出した瞬間に自前の危機察知が働き咄嗟に右に避けたら、さっきまでいたとこをごうごうと燃え盛る光弾がとてつもないスピードで通り過ぎた



───ドッカァァーーン!!


「『─一発目、着弾─』」


「さっきと威力が全然違うじゃねぇかよ!」



通り過ぎた弾はその先にあった小さい丘に着弾し、爆発して何かあった前のとは桁違いの威力で爆風を引き起こす



「『─射出─射出、射出─』」


「チャージなしでも撃てんのかよ!」



威力、範囲がとてつもない…!

それを連続で撃てるとなるとちょっと面倒だな!



「避けるしかないけど…反撃というか近づけねぇ…!」


「『─射出─射出、射出─』」



石でも投げてみるか…



「良さげな石は……これでいいか…ほい!」



俺は遠距離への有効な攻撃手段が少ない…だから最近投球を鍛えていたらなんか結構なスピードが出るようになったから刀よりはダメージは少ないと思うけど─



「『─『燃えろ』─』」



そう発された瞬間、突然燃えるはずのない石が炎に包まれ跡形もなく消え去った



「遠距離はどうやっても効かなそうだな…今の全身を守るように何かを展開してたし…ほい!」


「『─『燃えろ』─』」



死角から投げたつもりなんだけどな…

後ろに目でもついてんのか!



「『─出力─』」


「それはまずくね…?」


「二号!守ってくれー!」


「いや無理そう…」


「仲間もろともやるつもりかのぉ…」



とりあえず避けるしかないか…隙しかないけど、あいつに近づき過ぎると絶対灰になる



「飛ぶか…?」


「お前デカすぎで盾に入り切らないんだけど…」


「死にたくねぇな…」


多分また弾がとんでくるんだろうけど、何がどうなるかわからねぇし…地に足をつけるよりもこっちのほうが動きやすい─



「あっ…あいつ死んだだろ…」


「剣豪…お前はいいやつだったよ…」


「『─出力完了─』」


「『─『炎ノマイ』─』」



射出が来るだろうと思っていたら、あいつを中心に巨大な炎の輪が無数に出現してゆっくりと回りながら大きくなる

え…

これ避けられなくねぇ……



「チッ!右手が…!」



空気を蹴って避けようとしたが、判断が遅れ炎の輪に触れた右手が消滅したが炎の輪に全身触れることはなかった



「『─敵の負傷、確認、優勢─』」


「まぁそうだなそっちが今のところは優勢だな…今のところはな」


「ここまで炎の輪が届かなくてよかった…」


「本当によかった…」


「この程度で怖気づくとはまだまだよのぉ…」


「「さっきのに当たってから言ってみろ!」」



ジジイの方まで輪は行かなかったのか…それかジジイが輪を消したか…?どっちでもいいか…



「おいジジイ!本気を出すけどいいよな!」


「それ確認取る意味があるかのぅ……よいぞ…」


「まだ本気じゃなかったの…?」


「ジジイから許可も出たし、ここからはちゃんと相手してやるよ。」



「【無双】」



「『─危険、判断、─射出、射出─射出射出、射出─』」



激しい弾幕が全て俺の方に向かう。

だが、全ての弾は俺には当たることはなく途中で爆発を起こす



「ここからは戦いじゃねぇ…殺し合いだ…」








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