リグの教え #02 - 「神々の姿編」

 リグスの神聖皇帝は神々の姿を念じ、その姿形を克明に記した。

 リグと彼より生まれし神々を祭る際はその姿形に応じた像を塑像、もしくは図像として描くべし。


 神々の姿


 1、リグは1000の目、1000の鼻、1000の口、1000の腕、1000の足を持つ。しかし奇跡の力を持たぬ愚民にはこの姿を思い浮かべることすら困難である。そこで仮に彼を屈強な男性の身体、円錐形の頭部と1つの口を持つものとして描くべし。その身体は青白く光り、その威光を世界に広めている。

 

 2、リグが自らの身体を讃えるとその胎内に3つの男根と子宮が生じ、1000年後に原初の女神がその胎から生まれた。リグより生まれし原初の神の名はアヌ・バル・カナである。

 3、アヌは優美な女性の体、鼠の頭部をもつ女神である。彼女の体は白く光り、その威光を世界に広めている。アヌの御顔は寂静相という、安らぎに満ちた相で描くべし

 4、バルは優美な女性の体、狼の頭部をもつ女神である。彼女の体は緑に光り、その威光を世界に広めている。バルの御顔は喜悦相という、喜びに満ちた相で描くべし

 5、カナは優美な女性の体、兎の頭部をもつ女神である。彼女の体は赤く光り、その威光を世界に広めている。カナの御顔は憤怒相という、怒りに満ちた相で描くべし


 6、アヌ・バル・カナがそれぞれリグを讃えると、リグは原初の神々に愛欲を起こしその胎外に3つの男根が生じた。神々はリグの御子を身ごもり、その子らを1000年後に生んだ。原初の女神より生まれし第二の女神の名はティア・ツシュ・ドゥジである

 7、ティアは豊穣な女性の体、馬の頭部をもつ女神である。彼女の体は青く光り、その威光を世界に広めている。ティアの御顔は寂静相という、安らぎに満ちた相で描くべし

 8、ツシュは豊穣な女性の体、狐の頭部をもつ女神である。彼女の体は茶色く光り、その威光を世界に広めている。ツシュの御顔は喜悦相という、喜びに満ちた相で描くべし

 9、ドゥジは豊穣な女性の体、鼬の頭部をもつ女神である。彼女の体は赤黒く光り、その威光を世界に広めている。ドゥジの御顔は憤怒相という、怒りに満ちた相で描くべし


 10、こうしてリグと女神から無数の神々が生まれた。しかしアヌ・バル・カナ、ティア・ツシュ・ドゥジの経血が大地に流されると、そこから名を記すのもおぞましき「まつろわぬ神々」が生まれた。まつろわぬ神々は穢れた悪神である。

 11、まつろわぬ神々はアヌやドゥジの威光をも飲み込む暗黒の体、そして蛇や邪竜の頭と血にまみれた女性の肉体を持つ。まつろわぬ神々を讃えること勿れ。

 12、リグと神々は死の穢れ払われし無垢なる命のみを救う。まつろわぬ神々を祭りし者・その名を唱えし者は即刻斬首とすべし

 13、まつろわぬ神々の図像を描くこと勿れ。特にこれらの図像は二対の蛇・双頭の蛇竜などとして知られている。図像を描きしものは即刻斬首とすべし

 14、蛇や邪竜、蠍の類を称えること勿れ。それらはまつろわぬ神々の化身である。これらを称えし者は順に舌・右手首・左手首の斬刑とすべし


 

(中略)


 20、始まりの言葉は「ア」である。あなたの体はリグの体、あなたの心はリグの心である。リグより生まれし女神を常に観相しその思いに答えるべし。

 21、まつろわぬ神々を讃えること勿れ。奴らは穢れた悪神である。終わりの言葉は「オ」である

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