数学ができない鵜飼くんとおそらくデート
カタンカタンと心地の良い音が私の体に響く
あぁ気持ちいいなぁ。しかも心なしかフローラルな、いい香りもする。
私何してたんだっけ。いつのまにか寝ちゃってた。
もう少し寝てたいところだけど、目を覚まさないと。
ここどこだ……
「ゆ、優奈ぁ……あ、やっと起きた。」
聞きなれたかわいい声が聞こえる。聖奈の声だ。あ、そうだ! 私聖奈と二人で電車に乗ってたんだ。え……ってことはこのフローラルな香り……
しばらくぶりに光が入ってきて驚いていた目がやっと今の環境に慣れ始め、周りの様子が鮮明に見えるようになる。横たわった体。すぐ上に見える聖奈の顔。
そして後頭部に感じる柔らかい感触。ここから導き出せる答えは一つ。
私は今……聖奈の膝を枕にしている。膝枕させられている!?
「へっ!? 聖奈!? なんでひざ……ま、くら……」
かなりの大声で叫んでしまってから、ここが電車内であることに気が付く。
幸い田舎の電車なのでこの車両には誰も乗っていなかった。
「ごめん、聖奈……聖奈? 聖奈ぁ?」
さっき声をかけてきたばっかりなのに、もうすやすや寝息を立てて寝てしまっている。寝顔かわいい……なんかいたずらしたくなっちゃうなぁ……
聖奈の柔らかそうな」ほっぺを人差し指でつんつんしてみる。
あぁぷにぷにじゃぁ。こりゃあずっと触ってられるのう。
夢中になってずーっとほっぺをぷにぷにし続けていると、
「ゆうなぁぁ~? なにしてるんですかぁ~?」
と聖奈が起きてしまった。
「へっ? あ、いや、ごめん! ついほっぺたが柔らかそうで……」
「むぅ~ まぁいいけど。はずかしいからやめてほしいなぁ」
「ごめんごめん」
「いいなぁ~ 俺も優奈のほっぺ、つんつんしちゃおうかなぁ」
「え? まぁいいけど……」
「え!?」
「ん? いいよ」
なんで聖奈にこんな驚かれてるのかな?
別にほっぺつんつんぐらいかまわないんだけど。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
新作できたんでぜひお読みください
https://kakuyomu.jp/works/16818023212765374912
隣の席の鵜飼くんは数学ができない。 馴鹿谷々 @NajikaYaya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。隣の席の鵜飼くんは数学ができない。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます