第2話先輩の部屋で

由乃先輩から逃げて二人で喫茶店に入った。

莉緒先輩にエスコートされ席につく、どっちが彼氏かわからないな。

席につくとシフォンケーキとコーヒーを頼んだ。

「由乃はちょっと性欲が強くてね…」

莉緒先輩がため息をつく。

「先輩ちょっとトイレに行きますね」

トイレに行くことを告げると先輩が耳打ちしてきた。

「女子トイレだよ、そんな格好で男子トイレいったら騒ぎになる…」

そうだった!今は女装していた確かに男子トイレには行けない。

『悪いのは女装させた、莉緒先輩だから仕方ないね…』

自分にそう言い聞かせる、他の客に男とばれたら騒ぎになる、慎重に女子トイレに向かう。

罪悪感を感じながらも尿意には勝てない、幸いトイレに他のお客はいなかった。

個室に入り用を足す、ふう、初めての女子トイレは緊張する。

手を洗いふと鏡を見る。

『莉緒先輩化粧上手すぎだろ…』

自分で言うのも何だが可愛らしい、性癖が歪むまえに帰ろう。

席に戻るとシフォンケーキとコーヒーが来ていた。

「ここのケーキ美味しいから食べて」

莉緒先輩がケーキを勧めてくれた。

一口口に入れると、ふんわりとした生地と生クリームの甘さがマッチしてとても美味しい。

もともと甘い物が好きだからペロリと食べてしまった。

「女の子は甘い物が別腹というからね、僕のも食べるかい?」

参ったね、完全に女子として扱われてる。

ケーキを断わるとコーヒーを飲んでこれからの事を考える。

『やはり一刻も早く帰るべきだ、女装がばれたら騒ぎになる』

何かいい理由はないものか……

時計を見ると午後の3時、あと数時間で夕食だが、莉緒先輩に任せるとこのまま外食しそうだ。

それなら……

「先輩夕食は先輩の家で食べましょ?お…いえ私が作りますよ」

昔から食べることも料理も好きだったからね、普通に料理は出来る。

「嬉しいね!」

イケメンスマイル辞めて!

何か周りから注目されてる、見た目は美男美女のカップルだからしかたないが。

二人でスーパーに食材を買いに行く、鶏肉、カレー粉、クミン、人参、じゃが芋、玉ねぎ、カレーの材料を買う。

ご飯は冷凍に二人分あるそうだ、一人ぐらしだと炊いたご飯を冷凍するのがコスパがいい。


「このまま作るんですか?」 

「そのままで作って!はいエプロン!」

フリルの着いた可愛いエプロンを渡された、女装したまま作るとかどういうプレイ……

莉緒先輩にみられるとす落ち着かないので、先輩には台所からでて貰った。

先輩に料理を振る舞うのはいつかするつもりだったが、こうなるとはわからないものだ。

もともと料理は好きだったから、手早くカレーを仕上げる。

カレーのいい匂いがしてきた、小皿に少量移して味見をする。

クミンを足した事により、普通に作るより風味が豊かになっている、先輩も喜んでくれるだろう。

冷凍庫からご飯を出してレンジで温める。

カレーを皿に盛り莉緒先輩に届ける。

「いただきます」

二人でカレーを食べる、莉緒先輩も口にあったのかあっという間にカレーを平らげた。

「美味しかったよ、今度は僕がご馳走するよ」

莉緒先輩は微笑んだ、ああ…たまに見せる女性の様な笑顔が最高だ。

イケメンスマイルもドキッとするが、時折り見せる女の顔がたまらなく好きだった。

食べ終わると食器は莉緒先輩が片付けてくれた。

さてと…食べ終わったから着替えてもいいよね。

そろそろ着替えようとすると、不意に先輩に抱き寄せられた。

「ひゃぃ?先輩なんです?」

先輩の顔が目の前にある、何されるのか予想デキない。

「誠ちゃんって童貞?」

「は、はい!」

思わず大声で返事をしてしまった、恥ずかしい。

「僕で初体験しよっか?」

「ええ…」

「誠ちゃんは僕の彼氏だから当然でしょ…」

莉緒先輩がキスしてきた、う、嬉しいけど女装で筆おろしされるの!!

意識がとろっとしてきた、唇を離すと唾液が糸のように引いていた。

もう、先輩のなすがままだった、ベットに連れて行かれパンツだけにされる。

恥ずかしい、今は女の物のパンティを履いている、正確には履かされたのだが。

目の前に莉緒先輩裸があらわになる、中性的な体型をしている、胸の膨らみは僅かだがとてもスタイルがいいと思った。

「ひゃっ」

莉緒先輩が私の胸を吸ってきた、先輩普通逆でしょ?と思うが、構わず舌先で攻めてくる。

股間が反応するのが解る、恥ずかしい乳首舐められて大きくしてしまった。

「大きくなったね」

先輩はそう言うとパンティを脱がし避妊具をつけてくれた。

「あんまり濡れない体質なんだ、ローション使うね」

先輩はローションを塗ってくれる、最初は冷たく感じるが次第に気持ちよくなってくる。

「せ、先輩…」

「今から誠を男にしてあげるね…」

暖かい、入って行くのがわかる、女性そのものの中に……

嬉しかった童貞を卒業したものそうたけど、莉緒先輩の思いが伝わったから。

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