男だと思った?僕ふたなりだよ!

シノヤ

第1話告白

「莉緒先輩好きです!付き合って下さい」

「え?」 

俺は大学の先輩である秋山莉緒に告白した。

大学を中退し故郷に帰る覚悟をしてだ、何せ莉緒先輩も俺も男なのだ。

同性との交際に偏見が薄れているとは言え、これが広まれば大学に居づらくなる。

「僕の性別判ってる?」

莉緒先輩が尋ねてきた、男でしょ?先輩が男同士を良いことにベタベタするから、俺おかくなったんですよ!

「男なのは判ってます、俺…女の子が好きだったのに莉緒先輩の先輩のせいで大変なんです!!責任とって下さい!」

終わったね、俺の大学生生活、こんな理由で大学辞めたら両親に勘当される。

「……良いよ付き合っても?」

え?まじ?先輩男色家なの?俺抱かれるの?

胸と股間が熱くなるな。

「一つ誤解してる」

「誤解??」

「僕は両性……ふたなりだよ、男じゃないよ?」

ふたなりだと?確かに人口の1割が両性というのが世界の常識だった。

「でも、胸が……ぐふっ!」

無言の腹パン!本当にふたなりなのか?

「僕はふたなりの中でも珍しい男性系なの!胸は無いけど行為もできるし、出産もできるんだよ!」

「ごめんなさい!女性系のふたなりしか存在を知らなくて!」

まさか実在したとは!やおい穴タイプのふたなりが、やおい穴とは古の腐女子という、あだ名の先輩から教えてもらった。

「このBL本、一見受けの男性はお尻でしてるように見える」

「違うんですか?」

「違うのだ!やおい穴という所でしてるから妊娠も出産も可能なのだ!」

「それってBL本ではなく、見た目男なだけでふたなりてすよね?男攻めふたなり受けですよね?」

このあと激論を交わした、古の腐女子先輩元気かな。

「先輩がふたなりであることに問題はありません、莉緒先輩が好きなんです!」

「うん、僕も恋愛対象は男の子だからね」

こうして俺と莉緒先輩は付き合うことになった。


その日から試練の日々が始まった。

莉緒先輩と手を繋いで街を歩くと視線が痛い、何せイケメンとフツメンの男が手を繋いで歩いていらのだ、実際には違うのだが、男と付き合ってるようにしか見えない。

特に大学での莉緒先輩を狙っていた女子から殺意を向けられてる気がする。

先輩は気にしてないようだ、以前彼氏がいた時もこんな感じだったらしい。

「先輩は男の服装が好きなんですか?」

「何で?」

「先輩は美人なんで女性の格好したらどうなのかなと……」

莉緒先輩は中性的な整った顔立ちで美人であるで、おそらく化粧したら並の女では及ばない気がする。

「見たい?」

笑顔で聞いてきた。

「見たいです!」 

「僕のお願いも聞いてくれる?」

ピンと来た、あれの事だろう……

莉緒先輩と付き合うにあたり、覚悟はしていた。

「わかりました……優しくして下さい…」

「あはは、何か誤解してるね?ちょっと着て欲しい服があるんだ!」

「服ですか?わかりました」

「ありがとう今度の土曜家に来てね、服用意しとくからね」

この時自分は気が付かなかった、莉緒先輩が予想の斜め上の服を用意することを…


どうしてこうなった……

鏡に美少女が写っている、俺は莉緒先輩の部屋を尋ねると問答無用でメイクを施され美少女に変えられてしまった。

詐欺レベルのメイク技術、黒髪ロングのウイッグをつけられ、服も可愛らしいワンピースをきせられた。

「うん、思った通り誠ちゃん可愛いよ!」

莉緒先輩はご機嫌だ。

まさか女装させられるとはね、このまま抱かれそう、覚悟はしてたけど女装で掘られるとか……

「よし、このままデートに行こう!!」

「えっ、このままデートですか!?」

「大丈夫だって普通のカップルにみえるよ!」


莉緒先輩に連出され街にでる、恥ずかしい、もしかして羞恥プレイを強いられているのか。

『不味い!』

街を歩いていると知ってる顔が、あれは安藤由乃先輩だ不味い。

俺の心配を他所に莉緒先輩は普通に声を掛けた。

「こんにちわ由乃」

「あら莉緒じゃない」 

安藤由乃先輩は莉緒先輩の友人で、大変胸が豊な人で男子の人気が高い人だった。

由乃先輩が俺を見て顔を顰める、まさか女装がバレたのか?

「彼氏ができたと聞いていたけど、男の娘と浮気?」

「浮気じゃないよ、誠くん可愛いいでしょ?」

由乃先輩がじっと顔を見てくる。

「本当だわ……彼氏を女装させるとかやるわね!」

どうして感心するんですか、由乃先輩もおかしな人だったのか?

「──それでもう卒業したの?……お尻とか?」

いやいや何言ってんの?

「由乃が可笑しいのは何時もの事だから、気にしないでね」

「莉緒のが入るなら私のもいけるはず…」

今、私のもって………

莉緒先輩は私の腕を掴むとその場から逃げ出した。

「由乃!用事があるからこれで!」

「ちょっと莉緒!今度三人で!!」

理由がわからないよ、混乱する俺に莉緒先輩は走りながら説明する。

「由乃もふたなりで男のお尻が好きなんだ…」

さっきの私のもってまさか……

「しかも由乃の竿はとても大きいの!あんなの入れたら誠君のお尻が……」

どうやら由乃先輩が大きいのは胸だけじゃないようです。

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