第3話 魔法使い?

「逃げたら・・・ね?」


「あっ、、、ハイ」


 目の前であんなにボコボコにされる人、俺初めて見たって。怖くね。いや逃げたいよ。正直、冒険者とか生活とかどうでもいいよ。俺の安全の方がマジで大切なんだよね。まぁね、簡単に逃げられるわけがないんだよね。悟ったよ。俺この人の奴隷として一生生きていくんだなって。なんかミスしたら裸で土下座してるんだなって。俺の人生詰みです。終わった・・・



***


 そんなこんなで冒険者ギルドでパーティー申請をしに来たんだが、なんか俺たちが来た途端に周りがざわざわしてるんだが?なんか泣いてる奴いるんだが?崇めてる人たちもいるし。なんなんこれ。


「私たちパーティーの申請をしにきました!」


「パーティーの申請でしたらこちらの紙にお二人のお名前をお書きください」


 俺たちは貰った紙に名前を書き受付嬢に出しに行ったのだが、、、、あれ?そういえばあの人の名前なんだ?なんかそんなことよりもインパクトが大きすぎて聞く暇なかったのだが。てか、あの人の職業なんだ?あんだけ物理やばかったら・・・戦士だよね!いや、、、待てよ格闘家もあるな。まぁ物理は確定だな。それ以外なわけないよね~w


「確認できました!シルフィー様とホニャララ様のパーティー申請を受理しましたのでDランクからクエ、、、ス、、トを?え?シシシシシルフィーーーーーーー!!」


「誰?」


「知らないんですか!?あのシルフィー様ですよ!」


「そんなすごい人なんですか?」


「バカですか?あなたは!?すごいとかそんなもんじゃないですよ!!!」


「私言ったじゃないですか~♡さ・い・きょ・うだって♡」


 なんか有名な人だったらしい。あれ俺がおかしいのか?シルフィーとか聞いたこと・・・あったわ。いやね地元にいたのよ。最強魔法使いのシルフィーって幼馴染がね。魔法の威力がねレベチなんよ。初級魔法くであれだからね俺負けたから。小学生の時だけど。俺優秀だったから小3くらいの時に都会に行っちゃってもう会ってなかったんだよね。実家に帰っても会ってなかったからね。親に聞いても”あの子は・・・どっかいったんじゃね”とかすっとぼけてるし。絶対知ってんのに話してくんねぇんだよな。でも同姓同名って可能性もあるしな。聞いてみるか?いやでもそんなうまい話ある?まぁ聞くのはタダだしな。ダメもとでいくわ。


「あのさ、、、お前もしかしてシルフィーか?あのシルフィー?俺のこと覚えてる?」


「あんたさ、、、、まさか忘れてた?」


 詰んだ。これ終わったな。どうやら合ってたらしい。だってこんなかわいくなってるなんて知らねぇよ!!!無理ゲーだろうよ!いやいやいやいや待て待て待て待て、魔法使いですか?ほんとに?いやねシルフィーね。あのシルフィーにもビックリよ。でもねそれ以上に魔法使いですか!?だってあの男グーパンで馬乗りになって、これでもかと顔ボコボコにしてましたけど!?魔法の魔の字もなかったけど!?


「正直にいいなよ忘れてたって」


「ごめんなさい、、、、すみませんでした!!!!!!!!!!!!!!!!」


「怒ってないよ♡」


  可愛い


「許して、、、あ・げ・る♡」

 

 カワイイ


「だから、、、、、私と一緒に魔王倒してくれるよね♡」


「いいよ!?」


「言質とったから・・・・ね♡」


えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ガチこれ。周りも開いた口塞がってねぇけど。俺ら魔王倒しに行くの?いける?俺らに!?いや~でもな言質とられたし無理か。俺も男!男にはやらねばならぬときがある!!!親父俺やるよ!みてろよ空からな!死んでねぇけど。



俺らはこうして魔王を倒す旅に出るのだった。

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