閑話

 絵星はまた、同じ夢を見る。


『これからも、絵くんと一緒にいたいな。』


夢叶が笑顔で自分にそう言ってくれる夢。現実じゃない。現実であってほしかった。


 だが、友達に戻りたいという意思が彼女にあった。1人の友達として、と。絵星はそう言われてから、毎日のように同じ夢を見る。夢の中での彼女は、彼を本気で好きで、愛してくれていた。


 夢から覚めると、絵星の目から勝手に涙が流れていた。毎日のように。


(俺だって、俺だって――夢叶と一緒にいたいんだよ!)


 起きると正午になっていた。急いで身支度をし、夢叶が勤めるスーパーへと絵星は走っていく。今日は本気で好きで、愛している彼女の誕生日なのだから。

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