呪い3 混沌【PARADISE】
6000人って何だ。
ルクツォーレさんクラスになると、ナイフ1本で充分なのか。
4人とも、ニヤニヤしやがって。
+
私が行ってみます。
「エルリア?」
そのマハエルさんと面識がないから。
逆に良いかと。
「あー」
「なるほど」
「えっと……」
まあまあ。
賛成2反対1です。
で。
カザーネード公爵のお屋敷です。
槍――胸先千寸【HEART SILVER】は置いて来ました。
まあ、私。
英雄に憧れてるだけで、素手でも強いですし。
+
「娘?」
はあ。
あー、いえ。
仲間が。
「ほう」
セシリアさんが、いい領主様だったと。
「はあ。あの詩人か」
うーん。
その。
マハエルさんが。
「余計なお世話だ」
あー。
申し訳ありませんでした。
「生きて帰れると思うか」
あの。
仲間は街に。
「ほう」
武器を持たない小娘です。
兵士たち、どう思うか。
「ふん!」
ああ。
ザックさんが正しかったっぽいな。
+
泊まって行けか。
うーん。
まあ。
1食くらいなら良いでしょう。
豪勢なディナーでした。
あ。
しまった。
私の鋼鉄防御能力【IRON GIRL】、毒には無力……。
抜けている。
これ、逆に帰してもらえないんじゃ?
残りの3人が屋敷に来るのを待つ……?
う。
+
うーん。
仲が悪いのか。娘と。
と言うか、奥様に会えなかった。
冷え切ってるのかな。
あー。
うん。
売るのか。アレ。
「嘘発見?」
はい。
あの。
私は心と心【HONEST】という魔法具を持っていると。
「得意げに見せびらかした」
はい。
賢明な方に見えたそうです。
擬態ではないかと、仲間が。
「ふーん」
ああ。
表情消してるけど、腑に落ちたと言いたげ。
ああ。
どうしよう。
他に切り札ないよ。
うーん。
友軍探知【WHERE YOU】か。
+
お姉ちゃん2人。
魔法を見せてくれない。
私はミルティーミル=カンザレー。
錆の魔法に目覚めた。
うん。
駄目だ。
兵士にも冒険者にも殺される。
料理人にも。
うーん。
魔法か。
証拠が残る。
ユニーク。
同じ属性の奴?
いてたまるか。
何も出来ない。
うーん。
プレートアーマー着たゴブリンなんて、いないよな。
私、戦士を殺したいのか。
鎧か。剣か。
うーん。
どうしよう。
お姉ちゃん。
助けて。
下のお姉ちゃん。
間抜けだから死ね。
あー。
旦那様か。
うーん。
馬鹿2人を差し置いて、私だけ幸せになるわけにもいかないの。
どうして長女じゃなかったんだろう。
つまんない。
お芝居観てみたい。
+
エルリアが帰って来ない。
もう2晩経った。
「困ったね」
店の主人も心配そうだ。
こう伝えている。
領主様の知人を名乗る女性に会ったので、伝言を届けに行くだけ。
「ふぅん……」
後は、この親父の顔が広いかだけど。
言わないよ。領主様の犯罪なんて。
誰が告発するんだ。馬鹿か。
うーん。
手がない。
+
私の闇の魔法……。
うーん。
使える魔法がない。
どうしろと……?
ユーノアさんは論外。
うん。
どうすれば。
+
あのう。
「何だ」
この公爵領の信仰は。
「特に決めておらん」
あー。
仲間にギズーファウスの神官がいまして。
「は?」
何ですか。
「いや」
あー。
どうせ伝道師だろう、と言いたいのは分かります。
だけど気付かないフリ。
「改宗するべきでしょうか」
「知るか」
「ですか」
あー。
馬鹿と思われた方が良いかしら。
「アレだ」
「はい」
「こちらは何も困っていないと伝えろ」
「分かりました。デルハエルに行く予定なので」
「勝手にしろ……」
明日の朝には帰れそう。
首が繋がった。
+
エルリア。
ベッドで寝た。
あー。
近付く者とか感知出来ない。
不便だ。俺。
+
朝だー。ただいま。
「お帰り……」
あれ。
ザックさん寝てないんですか?
「いや……」
困ったな。
やっぱり嫌。ハーレム。
この人と一夫一婦になりたい。
ギズーファウスよ。
さようなら。ネルシーク。
+
ハーレム王か。
8本腕の価値、がくんと落ちましたわね。
+
ベルーデリアはギズーファウスだったと聞いているのですが。
何なのでしょう。
アレクラルク王の指輪【HONEY】って……。
ザックさんなら信用出来ます。
ふしだらなことは、しないって。
+
ブレシーのアホ。
どうすればいいんだ。俺。
空のように【I IS I】は要らないけどさ。
歌の魔法使いに会うなんて、サイコロで80回連続で、1出すくらいの確率だよ。
+
ああ。
このフォルティマ=レバーオード様は美しい。
2つの魔法具で武装。
切り札の「時」の魔法。
頼れる3人の部下。
天下を獲った。
今日も護衛だ。
+
うーん。
領主の娘の知り合いか。
兵士たち、手を出せるわけないか。私に。
迂闊に命令聞いたら、後で領主様、手の平返すかも。
信用出来ない。こういうのは。
うん。
皆、保身。
世界か。
+
ふぅん。
本当によろしいのですか? という奴ですわね。
「はい」
+
あー。
ノノさん、やっぱり賢いなあ。
エルリアさんも。
わたしが1番の馬鹿なのかなあ……。
+
いつかブレシーちゃんが、寝首掻いてやるから待ってろ。フォルティマ。
セシリアを味方につけてえなあ。
言葉を発せなくなる毒ってアリか?
かと言って。
団長以上の見返り、払えねえしなあ。
口下手で交渉下手だから。
+
毒か。
野菜なんて、正規の食堂でないと喰えないよ。
つまり私が犯人なの見え見え。
ブレシーの叛意に、どうして団長は気付かないんだ。
困った。
英雄って、団長みたいな奴なのか。
要らねえ。
稼げなくなったら死ね。
+
うにゃー。
人魚の肉喰いてえ。
「いねえよ」
うにゃ?
+
動物って嫌いだ。
あーあ。
あのルージェイラさん、いつまでいるんだろう。
+
困るのよね。
1つ町長に手柄をあげたいの。
でないと権威落ちるわ。
この町が消えるのは不本意。
恨みは無いし。
うーん。
うん。
ルルラルカお姉様に近付いたら、ただじゃおきませんわ! か。
誰よ。
+
団長。
「何。副団長」
ブレシー、試し撃ちがしたいんだと思う。
「弾か……」
ストレスなんだろうな。
攻撃型魔法使い。
魔物なんて出ないから。
戦争でも、80人殺せれば上々かな。
ふーん。
複合属性。
こんな切り札、現場に出したとは思えないな。
現場ってのは戦場のことね。
噂が広まるのを待つ方がいい。
その子ベッドで死ねたのかしら。
アアネタ=サリーだっけ。
+
あなた。
「どうした」
最強の属性は何でしょう。
「屍」
次は。
「ルルラルカが8本腕だった以上、光かな」
なるほど。
呪われた光の魔剣。
何やねんな。
「確かにな」
闇の剣。
「アウト」
ですよね。
うーん。
うん。
娘どっちだ。
能力者か魔法使いか。
分からんのよ。にゃー。
+
にゃーん。
ナティーファヴィーが来るぞー。
「何それ」
魔王。
「へえ」
にゃー。
「やっぱり動物ってアホだな」
?
啄む螺旋の気配が分からないの? 人間。
ふーん。
家とか壊されるのに。
にゃー。
《にゃりーん♪》
あ。
4竜だ。
《猫たちよ。サカっておるか?》
アルローニャだっけ。
《様をつけろ》
様って何。
《所詮は猫か》
うん。猫です。
にゃー。
《フ。孤独だ。兄弟たちよ》
はあ。
《この戦いが終わったら、世界の皆に幸せな結婚をさせてあげたい》
結婚って何。
《無理なのだよ。幸せとは、他人に優越しているということなのだ》
にゃー。
魚が喰えれば良いじゃん。
《フ。真理。しかし、人は違うのだ。異性喰い放題の人生が欲しいのだ。勝ち残るしかないのだ。決戦に》
にゃー。
何か知らないけど、お下品ー。
これだから女神エスターニャは。
+
「嬢ちゃんたち。ありがとう」
「そうだな。ありがとう」
「次も頼めるかい」
はあ。
「手が空いてれば」
びっくり。
魔神交渉【WISH】復活しちゃった。
私、お転婆なのか。
アネッティアは、お嬢様なのね。申告通り。
ふーん。
イフリートに聞きたいことか。
あー。
今、アレクラルク王の指輪【HONEY】が、どこにあるか。
だけどなー。
微妙に、もったいないよ。
どうせ助平男。
いくらでアレ売れたんだろう。
だけど、そんな交渉するの死んでも嫌。
+
皆さんのことは本当に尊敬しています。
私、芸術に憧れたんです。
輝きたい。人を笑顔にしたいって。
働く普通の人たちを。
(良し良し良し)
だーれも疑わない。
やっぱり私の完全演技能力【BELIEVE ME】強い。
うーん。
ザックさんか。
イシュリア様、続報無いのかな。
お部屋に上がるとか無いな。使用人の癖に。
皆、止める。
秩序が崩れる。これ損害。
エリスノート=カンザレーという友人がいたことは聞き出した。
会えるかな。
でも休暇? 住み込みの身分で?
あー。
乙女の春は短い。
+
炎よ――我が望みを聞け。魔神交渉【WISH】。
『何用だ』
あのね。
この4大元素のサメの杖【SHARK QUARTET】を持っていた、お爺さん。
これを殺したのは誰?
「…………」
アネッティアも訊きたがった。
3回の「ありがとう」?
何とかなるって。
『エリカ=アリマという女だ』
え。
「え」
女なの?
『粉の魔法使い。21歳』
粉?
弱そう。
「どんな魔法か訊いて」
待って。分かった。
人を粉微塵にしたんだ! ヤバイ。
魔法詠唱させたらアウト!
「嘘!」
『この町にいる』
え。
「嘘」
『北東のフタクビカモノハシ亭で寝ているぞ』
えっと。
う。
どうする。
「分からない……」
仇。
討つのかな……。
+
あのね。フラン。
指輪、これ。
あえて浮気させるために、造ったんだと思う。
シャクーセルが。
「なるほど」
あー。
踏み込む勇気無い。
破壊力は2人とも充分だけど。
目撃者出るのよ。町。
うーん。
一家団欒【HOUSE TO ASH】とか禁忌。
+
うーん。
1番強いのは、どれだ。
こっちが謝ってるのに、許さない相手を殺す魔法。
これもなー。
詠唱速度で負けたら、それまで。
サメの杖か。
何人が通報するんだよ。
+
あのね。フラン。
生かしたい?
「あー……」
+
それね。
強いのよ。
味方になって欲しいわ。
べ、別に。
あんな、お爺さんのことなんか、全然好きじゃ無かったし!
70かあ。
長生きだなあ。
男は歳取って来ると、男の方が良くなるって本当かなあ。
+
やめてよ。
ユシュラエルがいたから、少年愛の話題タブーなのよ。
ベルーデリア。
+
なのか。
話が逸れてる。
んー。
この杖、置いて行くとか無い。
アネッティア、腹芸無理。
どうしよう。
+
あのね。
手紙はどう?
「ん?」
ペペロンナッチの町で、お前が何をしたか知っている。
指定の時刻に郊外に来い。
「燃やすの?」
あー。
駄目か。
「私もなー……」
うん。
詐欺よね。
金貨25枚。
+
赫嵐響奇アネッティア。
FIRE STORM RED RED RED。
うーん。
炎オンリーの私の方が上じゃない? と思う時が、たまにある。
+
うーん。
偶然を装う。
まず宿を変える所から始める。
「ないって」
そうか。
そうよね。
その杖を買ったということは魔法使いか。
「そう」
殺して、金目当てに思わせておいた方が良かったのかしら。
「無理……」
そうね。
来たばかりだったものね。聞く限り。
うーん。
+
「やるわ」
お願い。
主人から部屋は聞き出した。
すぐに済ませないと。
「風よ――我に翼を。
ヒュン!
速!
+
?
コンコンと。
ガラスの窓がノックされる。
え。
ここ2階。
「誰!」
「静かに」
「何!」
魔法。
いけない。
不意打ちで動揺してる。
心を落ち着かせないと詠唱は出来ない。
窓を開ける。
反射だった。
「杖を買った子が」
え。
「下の酒場にいるわ」
え。
「会う気があるなら降りて。それじゃ」
消えた。
てか、地面に降りたのか。
風?
いや、飛行魔法など。
ヤバイな。
射程で負ける。
杖を買った子?
あー。
すぐ旅立つ気なら、ぶちまけるのもアリだ。
クソ。
こんな大胆な手を。
スラムと住宅街の中間くらいにあるんだよなあ。こういう冒険者の店って。
+
嗅覚強化【SMELL HUNTER】便利。
近くに、人がいないことは確かめた。
着地。
ぐるっと回って宿に入る。
フランと同じ席に。
杖を持った、この子と。
お酒と料理注文。
これで誰も
待ち合わせかって。
私は「風」と知られたけど。
フランは未知なの。
五分五分ね。
相手視点では。
+
ああ、本当にいる……。
あの目障りだった杖だ。
どんな効果?
魔法具だけは砕けない。
+
「アネッティア……?」
え。
ヤバ!
8本腕を知っている!
+
何てことなの……。
不運。
「名前が同じで? 風? 炎を隠しているだけではないか?」
しかも切れるわ、この人。
フラン、ガチビビりしてる。
人殺しだ。これ。
人間ハンター。
これだから老後怖いの。
お金あっても意味無いの。
弱った動物。
獲物。
老いるって怖い。
+
800年寝てた?
始まりの魔法使い?
毒性受容【POISON EATER】?
三点破断【SUMMON BLADE】?
封絶魔眼【MAGICIAN HUNTER】?
魔剣適性【CURSE SWORD LOVER】?
どんな剣を使ってたんだ。
言え。
ふん?
葬礼無礼【DEAD AND MORE DEAD】……?
あ、しまった。
フランの杖を訊く方が先だったか。
粉の魔法は知られているっぽい。
だが――
仲間?
ない。
殺して逃げる。
うん。
弱味を握ったつもりか。私の。
だが――
+
うん。
官憲ですら逃げそう。
無理だって。
死にたくないわよ。誰だって。
どうしよう。
暗殺か。
証拠残りまくり。
死にたくない。
私はサメの杖を手放せない。
+
うーん。
アレクラルク王の指輪【HONEY】か。
こんな情報もらってもな。
あー。
気が抜けたのは確かだ。
怖いな。
強制ハーレム入り。
+
うん。
男ってゴミ。
あー。
これについては気が合うのか。
大丈夫かしら。
アネッティア?
+
どうしよう。
陛下。
あなた、ただの戦闘狂だった。
名誉も汚名も、どうでもいいの。
だから、ベルーデリアの支配は続かなかった。
誰が強いかではないの。
1番の名誉を持つ者が支配者なの。
ネクロマンサーなんか登用するな。
+
仲間か。
優しくて公平な夫なら。
一夫多妻。
悪くないのでは無いか。
金?
どうせ、いつもカツカツ。
女たちが集まって死ぬ気で稼ぐ。
男たちの
遺跡が
ベルーデリアから盗んでいただけでは無いか。
アネッティアか。
魔火猟犬【RED DOG CHAISE】なる魔法が伝わっている。
炎の魔犬。
粉の魔法効かん。
飛べるのか。
他の魔法も射程長いだろうなあ。
私、3メメルルくらいだ。
殺される。
組むしか無いか。
どうなるんだ。
+
ん?
あれ。
寝てた。
あー。
あれ。
変。
何これ。
えーと。
風よ――突き飛ばせ。
え。
何が起きたの……?
+
風よ――あの場所の声を届けろ。
「お嬢様ね……」
「ようやっと子爵家か」
「せめて伯爵」
「ジルナード商会どうなるかねえ……」
あの。
私。
魔法使い?
…………。
あ。
エリスノートたちが、家に来なくなったのも。
魔法に目覚めちゃったから……?
+
お姉ちゃん。
あんたが孫の顔見せないから、お父さん血迷ったんだってば。
「うるさい!」
どうしようね。
あのルージェイラ消えて欲しい。
我が家の名誉が。
+
んー。
鳥の声がしないな。この町。
変。
んー?
鳥だけを狙って殺す魔法。
聞かない。
てか、何のメリットが。
あー。
んー。
え。
また、あなた?
魅了魔眼【AID ME】。
あの、お食事は遠慮します。
効かないし。
んー。
町長を袖にした女を物にすれば、次の町長になれると考えてるっぽいな。この若造。
ふーん。
ザックか。
仲間2人、何て名前だったっけ。
アイツなら、
「お返しに胸触らせろ」
とか言って来ないと確信してたっぽいな。私。
でもなー。
この能力、同性にはバレバレで。
誰とも組めないし。
んー。
仲間か。
ふむ。
脛に傷ある連中と組めば良いのかな。
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