呪い2 代金【SACRIFICE】

 困るわね。

 町長に見初められた。

 19の娘がいるのに。下は14。

「奥様を裏切らないで」

「ああ」

 ふぅ。

 あー。

 死ぬほど恨まれてるっぽい。

 マープル家の恥だって。

 あーあ。

 どうしよう。

 ルルラルカお姉様という名前を、やたら聞く。

 あのさ。

 人をアルローニャの娘扱いしないでくれる?

 娼婦なんて嫌よ。

 ハーレムの女は、もっと嫌だけど。

 父殺し。

 だけど、全ての男を殺したくなって来た。


 +


 あのさ。お姉ちゃん。

 ルルラルカさんルルラルカさん言ってると、お父さんに取られるよ。

 あー。

 やっと現実見えたか。

 跡取りな。

 養子でも取れば?

 あー。

 縁切りてえ。

 あの親父が、ルルラルカお姉様な。

 あー、うん。

 娘の私が責任持って殺す。

 マープル家の名誉のためだよ。


 +


 ライラナ=ダガック。

 いや、名乗れないんですけどね。ダガック姓。

 娘ユーノアは元気かな。

 前世で子供作らなかったのが、こんな風に祟るとは。

 恐れ多かったんですよ。

 8本腕様と、他国から来た奴隷の私が結婚なんて。

 ラルナ=ローレンツ。

 それが前世の名前でした。

 女神エスターニャの託宣が、あったからなあ。

 この子は、お前たちが育てると夫を持てぬ! と。

 つらかった。

 ああ、ユーノア。

 神は、いるのよ。

 信じて生きなさい。

 あの嘘っぱちの4大神。

 女神の4竜。

 あれ信仰してても、別に良いから。


 +


 一夫多妻か。

 嫁が優秀だと、結婚前に稼いだ金の分配で揉めないのよね。

 私、凡人だから。

 生まれ変わって、罵倒換金能力者【BE POLITE】にしてもらえたけど。

 コルナスさんか。

 ユーディリス様と呼びたくなる。

 魔剣が欲しいの。

 いつか孫に持たせるために。

 誰も欲しがらない呪いの剣を。


 +


 私は寝てた。

《ルクツォーレ》

 ?

《神は、いると思うか》

 はあ。

 あー。

 神は、いる。

 だけど、助けてくれると思うな。

 ギャンブルが過ぎる。

《ほう》

 人は言う。

 神は見てくれている。

 神は助けてくれる、と言う輩はいない。

 今時、そんな詐欺師。

《ほう》

 と言うか。

 私のゲームを邪魔するな。

 最強になりたい。

 神の助けか。

 全員に加護がないなら、イカサマである。

 正々堂々、最強になりたい。

 我が誇りを踏みにじるなら。 

 神を殺す。

《ほう》

 結論。

 いない方が盛り上がる。

 真剣勝負出来る。

 神よ。

 死ね。

《良かろう。お前に夫を与える》

 ?

《フレオーライに改宗するであろうな。全員。良かろう。愛しておる。故に見殺しだ》

 はあ。

 別に。

 他の人も、そうでしょう。

《うむ》

 えこひいきするな。

 醜い。

 何を企んでいる。

 私の身体か。

《うむうむ。愛か。久しく忘れておった》

 ふーむ。

《女神の4竜ネルシーク。ドラゴンスレイヤーを名乗るがいい》

 は。

 出来るかアホ。


 目が覚めた。

 んー。

 ボーっとするな……。


 +


 えーと。

 俺はザック。

 今、マリスティー王国にいるんだが。

 名指しで依頼が来た。

 お姫様に冒険の話をして欲しいと。

 いや。

 滅茶苦茶だ。

 俺たちの魔法や能力を明かせってのかよ。

 女3人男1人。

 自覚はなかったけど、相当目立っていたらしい。

 王宮にまで届くほど。

 どうしろと。


 +


 ふーん。

 あーあ。

 非道い。

 私、被害者なのに。

 町長が何で同情されるのよ。

 あの40男。

 もうすぐ50でしょう。

 助けてよ。

 何でこうなる。

 魅了魔眼【AID ME】使えん。

 バレる。

「どうしました」

「放っておいて」

「いやー、そう言っても」

 あれ?

 不発?

 これ、女?

 まさか。


 +


 うーん。マスター。

「何だ」

 女の子たちは、お姫様など恐れ多くて、えーと。

「御尊顔」

 ああ、それ。

 お姫様の御尊顔など、とてもとても……と。

「はあ」

 で。

 俺、ログバモスの出身なのです。

「あ」

 ギズーファウス信徒なのですが、そちらで問題になりませんでしょうかと。

「なるな」

 でしょう?

「分かった。王家の面子潰れん」

 すみません。

 あー。

 礼金が……。


 +


 イシュリアと言います。

 ふぅ。

 あのね。

 パパが私の機嫌取りにね。こういう魔法具を買ってくれたの。

 話題性【RANKING】。

 大陸のどこかで面白いエピソードがあると、平べったい水晶に共通文字が表示される。

 どうでも良い話ばっかりだったんだけど。

 何。

 マリスティー? どこだっけ。

 何、このザックって男。

 外見までは分からないけど20歳?

 お姫様に会うチャンスを捨てるんだ。

 へー。

 先方に迷惑だから。

 へー。

 王家を獲物と思ってないんだ。

 貧乏冒険者の癖に。

 へー。

 死ね。

 ?

 あ。

 何か追記がある。

 指でスルスルすれば、読めるのよね。

 1週間で消えちゃうんだけど。

 一応エリスノートたちにも秘密なのよ。

 ルミスティアにもミルティーミルにも。

 んー。

 何々。

 マリスティーのお姫様は、13歳の双子と9歳の三つ子?

 へー。

 そのザック=ライオダルクこそ運命の夫だと、きゃいきゃいきゃいきゃい、きゃいきゃいきゃい?

 へー。

 ほー。

 はー。

 へー。

 お姫様って、こういう男が良いの?

 肝心のザックが美形かどうか、書いてないんだけど。

 神聖ログバモス王国出身? ギズーファウスの信徒?

 一夫一婦なんですけど?

 あのさ。

 あのさ。

 ギズーファウスとガンダディスの許されない恋?

 フレオーライに改宗する?

 おい、お姫様。

 5人ともかよ!

 あー。

 見せられるか!

 カンザレー3姉妹に!

 伝言だけで、姉妹5人を惚れさせた男の情報など!

 女の仲間3人!

 名前までは無いけど。

 子供出来たら、どうする気だ? 冒険者が!

 むがー!

 このデルハエルに来ることあったら、ぶっ殺してやる!

 早く消えろ、この文章!


 +


 お父さん。

 私より3つも下の女の子に求婚した。

 あはは。あはは。あはは。

 ルルラルカお姉様の、お嫁さんになるの無理。

 あはは。

 誰か。

 殺して。

 私を。

 跡取りはトゥーニーが産めばいいわ。

 ふふ。

 恥よ。

 ここで死ぬ。


 +


 父よ。

 あー。

 獣の魔法、殺傷力ねえんだよなあ。

 どうしてくれよう。

 とにかく、お姉ちゃんが心配だ。

 外に出る。

「獣よ――お姉ちゃんを守って。防衛布陣【ANIMAL SERVANTS】」

 OK。

 この魔法、初めて使うんだけど。

 どの程度の効果があるんだろう。

 まあ、仕方ない。

 しばらく家で待機だな。


 +


 神は冒険者に過ぎない。

 私の仮説に、アジリアは異議が無いようです。

 それでも神官を目指すのですね。

 ああ。

 喰うために?

 人生とは何なのでしょう……。

 神官を軽蔑する民衆のため、奉仕するのですか。

 つらくないのですか。アジリア。

 オグフィスは何をしているのかしら。

 ああ。

 土地の記憶【REPLAY SOUND】か。

 独り言すら言えないのかしら。

 王都バロムの住人。


 +


 私はルルララ=マギスビート。

 18歳。

 完全演技能力者【BELIEVE ME】。

 油断した……。

 座長が金持って逃げた!

 思ったより稼げなかった……って。

 私の美貌をしても?

 この国、何?

 身体で払えと言われてる。

 この私に、アルローニャの娘になれと?

 結婚出来ない。

 ガンダディスなのに。

 ?

「ウチで買い取るわ」

 誰かしら、この銀髪の女の子。

 ?

 イシュリア=ジルナード?

 商会の娘?


 あー。

 うん。

 その男なら結婚してもいいと言うか。

 あ、駄目だ。

 どんな男も嫌。

「なの?」

 はあ。

 ギズーファウスの信徒だから、ガンダディスのマリスティー王宮には入れませんか。

 あー。

 女性の貞節を大切にする。

 娼婦なんか絶対に買わない。

 女の仲間3人か。

 羨ましい。

「ふーん……」

 あ。

 お気に障ったでしょうか。お嬢様。

「いや……」

 どうしよう。

 1人で芝居なんか出来ないし。

 大陸の、どこかにいるザックさん。

 デルハエルまで来て。

 結婚してください。私と。

《にゃりーん♪》

 ?

 何だろう。

 とにかく。

 どうすれば良いんだろう。

 私、無敵のはずだったのに……。


 +


 あー。

 思い付いた。

 んー。

 でも、どうなんだろう。

 マリスティー王家に?

 カザーネード公爵の隠し子が、

 魔法王国モナガンの王都、

 デルハエルだっけ?

 魔導学院で長官やってる。

 んー。

 この情報、売れるのか?

 貴族を侮辱するとか死刑だよな。

 心と心【HONEST】を教えなくてはならない。

 ノノさんが属性魔法使いだとバレる。

 黒髪か。

 どの程度、有名な伝承なんだ?

 とにかく――危うい。

 んー。でもなあ。うーん。


 +


 断ったはずなのに。

 王宮の兵士が直々に来た。

「そちの仲間に魔法使いはいないか」

「はあ」

 戦争だろうか。

「庫の道具を調べて欲しいと、陛下は仰せだ」

 うわ。

 あー。

 あ。

 ユーノアだ。

 この時のために、いたんだ。

「あの。ギズーファウスの伝道師が」

「伝道師?」

 露骨に嫌な顔をされる。

「あの……」

「何だ」

「教会を追放されたという意味です」

「あ」

 察したらしい。

「力の魔法」

「ほう」

「自分や他人の素手の力を強化する」

「ほう」

 数人がかりなら楽勝です、という意味だ。

「うむ。伝えてみよう……と言うか来い」

「分かりました」

 ユーノアを起こさないと。


 +


 あの御方が!

 ポニー。恥ずかしい。

 だってペルシャ。ギズーファウスなのに、ガンダディスのわたくしたちに気を遣ってくださったのよ!

 あのギズーファウスがね。

 神官見習い様、追放されたんですって。教会を。

 うーん。

 プーカ。世の中って複雑なのよ。ピーチとパルフェも分かる?

 うーん。

 お姉ちゃん……。

 素晴らしい人だわ。夫にしたい。

 駄目!

 何が駄目なの。

 とにかく駄目!

 そうだよ。ポニー。長女だからって!


 +


「あ」

 マントだった。

「空のように【I IS I】。歌の魔法を無効化出来ます」

「ほう……」

 何だ。兵士さん。この態度……。

 あ。

 てっきり誤魔化すと思っていたのに。

 これか。

「ふむ。他は?」

「えーと」

 辛子問答【PEPPER LIFE】。

「嘘つきに痛みを与える拷問用アイテムでした……」

「ほう」

 うわ。

「うわ」

 風呂場劇場【VINEGER】。

「えーとですね……」

「うむ」

「肉親を殺した相手を水に漬けていると」

「ほう」

「その水が、とてつもなく強力な酸に変わります……」

「酸?」

「骨は溶けないそうです……」

「陛下に使わせられるか。そんな物」

 ひでえな。

 何だ。これ。

 その酸、どう処理しろと?

「あ」

「何だ」

「ダウト【SPY HUNTER】。人に化けている人狼を見破れる」

「ふーむ」

 人狼?

 本当に、いるのか。そんなのが。


 +


 いいのかな。

 報酬に、空のように【I IS I】なら持って行って良いって。

 うーん。

 エルリアしか似合わん。

 槍が、ちょっとだけ目立たなくなった。

 胸先千寸【HEART SILVER】か。

 俺が、ユーノアさんに強化してもらって殴る。

 エルリアは後衛2人を護る。

 これなんだろうな。


 +


「うーん」

 どうされましたの。

「これはどうだ。ノノさん。カザーネード公爵に――」

 魔法具の情報を売りに行く?

 …………。

 あー。

 考えさせてください。

 んー。

 マリスティーに不義理な気が。

 滅ぼせと催促しているような。

「分かった」

 うん。

 考えてますのね。

 頼もしい……のかしら。


 +


 わたし、ユーノア。

 マハエルさんに伝えれば、充分だと思います。

「そうか」

「あ、1票……」

 エルリアさんも。

 うーん。

「分かりました。ややこしくなりそうだから行かなかった。言い訳はこれで良し」

 ノノさんの言う通りです。

 マハエルさんが怒らなければ良いんです。


 +


 私、エルリア。

 うーん。

 妾腹の娘か。

 あ、アウト。

 勝手に実家の名前を出すとか。

 お会いしたらいさめましょう。

「そっか」

 はい。


 +


 いい所なんだろうな。ロマンス家って。

 ライオダルクか。

 改めて思うと、何だ? この格好いい苗字。

 俺、どこにルーツがあるんだろう。


 +


 うーん。

 毒律毒狐ライオネル=ダル。

 まあ、どういう能力なのか予想は付くのですが。

 ザックさんと関係あるのかな。

 私には分からない。

 マントか。

 良いのかな。

 私だけ贈り物もらって。


 +


 お会いしたらか。

 そうですね。

 エルリアさんは、わたしやノノさんと違って面識が無いんでした。

 ギズーファウスよ……。

 試練なのですか。


 +


「あのー」

 言わないと思うよ。マリスティー王家は。

「ですか」

 伝道師だから言い訳は立つ。

「はい」

 最大のギズーファウスだから、情報売ったりはしない。

「ですね……」

 ため息。

 ユーノアが落ち着いてくれて良かった。


 +


 うーん。

 まあ、ユーノアさんの情報売ったら……。

「流れで、庫の魔法具にも言及することになりますね」

 賢い。エルリアさん。

 うーん。

 その兵士さん、口封じされないでしょうね?

「あ」

 俺たちも?

 と。言いたいようですわ。

「旅立ちましょう……」

「はい」

「そうだな」

 仕方ないですね。

 王家を安心させるためでもあります。

「困るな」

 ザックさん。

 私たちは、どうなるのでしょうね……。

 オルハラが良いな。

 手出し出来ない。


 +


 ここ何て国だったかな。

 ファケイロ王国だった。

 うーん。

 アネッティアを食べさせるの大変。

 うーん。

 この際、フレオーライでも良いな。

 うん。

 並の男で良いよ。金あれば。

 私が責任持ってアネッティアを見張るから、2人ともお嫁さんにしてくださいって。

 親友と別れたら、一生後悔する。

 夫を共有するくらい何?

 まあ。

 アネッティアが良いと言えばだけど。


 +


 スパイするのかな。俺たち。

 マハエルにオルハラの話を聞かせる。


 +


 何度やっても、私の魅了魔眼【AID ME】が効かない。

 魔法具ね。

 殺して奪いたいけど隙が無いの。

 民衆の監視の目。

 これが厳しいの。今の時代。

 どうしようかしら。


 +


 ふむ。

 魔法使いか。

 弓で射れば良いだけなのだが。

 魔力が消える。

 後は斬るなり殴るなり。

 俺はメリクツェル=グリムバード。

 名誉ある8本腕の1人。

 妻と、こんな会話をした。

「妻よ。食事は摂ったか」

「いただきました。あなた」

「そうか。何日前に」

「……今日に決まっております。あなた」

「ほう。決まっているのか。羨ましいな」

 うーむ。

 2・3日喰わないことがあるのは、事実なのだが。

 どうも同情を買ったようで情けない。

 妻は12も年下なのに。

 しかし、16歳にしては、本当に出来た娘だ。

 俺は25くらいに見えると言われる。

 うん。

 弓か。

 剣も、そこそこだが。

 ユーディリスとメギリーア殿には負ける。

 何なのだろうな。あの化物師弟。

 ふむ。

 封絶問答を所望かね?


 +


 カザーネード公国に着きました。

 来てしまった。結局。

 まあ。

 マハエルさんとやらの、お父様は。

 最悪、このマントを売れば良いような。

「温い」

 ノノさん。

「魔法使いだけです。分かるのは……」

 そうか。

 ユーノアさんにまで、たしなめられてしまいました。

 あー。

 お間抜けだなあ。私。

 ザックさん。

 …………。

 私、ザックさんが好きなのかなあ。

 だけど。

 ノノさん。ユーノアさん。

 マハエルさん?

 …………。

 ロマンスか。


 +


 え。

 宿に泊まった翌日に殺人事件が起きた。

 ノノさん。

 あの。

 ノノさんは、そんな人では。

 聞いて!

 ああ。

 槍の技、何の役にも……。


 +


 どうすれば――

「ザックさん……」

「ユーノアさん……」

 俺たちは……


 +


 あー。

 何だと。

 ノノ?

 犯人が?

 おい。ブレシー。

 官憲の本部って、どこにあった?


 +


 え。

 フォルティマさん?

 マハエルと一緒にいた?

「あのね」

「何だ」

「冒険者が人殺ししたら、夜の内に逃げ出すよ」

「は?」

 あ。

「あの」

「何だ」

「私たち、昨日この街に着きました」

「は?」

「へとへとで、殺しなんて……」

「む?」

 ああ。

 天祐てんゆう

 ありがとう。

 フォルティマ、えーと。

 苗字、何だったかしら。


 +


「紹介するよ。ルクツォーレ、ブレシー、セシリアだ」

 どうも……。

 あー。

 肩身狭い。

 ノノさんを救ってくれてありがとう。

 しかし。

 傍から見ると、恋人7人か?

 宿の主人すら、愛想使って来なくなった。

 人命優先旅商人【NOISY CARAVAN】。

 あー、もう。

 マリスティーの魔法具の情報、売るしかなかった。


 +


 んー。

 ガキのようで隙が無いな。

 1個上くらいかな。

 うーん。

 この3人に、手を出してないっぽい。

 ノノとユーノアが魔法使い。

 我が封絶魔眼【MAGICIAN HUNTER】で分かる。

 後で仲間たちには耳打ちするとして。

 魔法使いの女2人が、一般人の男と女に分け前を渡す?

 あり得ない。

 つまりザックとエルリア。

 私の同類。

 困ったな。

 どう仕掛けよう。

 毒とか使って来るんだろうか。


 +


 ふーん。

 良く分かんないけど、ブレシーちゃんの敵ではないっぽい。

 まあ、金貸勇者【MONEY WARS】使うような恨みは無いが。

 うーん。

 あー。

 フランの杖に触れなかったの惜しい。

 アレの情報、売れそうだったのに。

 ふむ?

 あ。

 アレクラルク王の指輪【HONEY】を売り付けるとしたら、コイツだ。

 ハーレムパーティーが、どんな内紛起こすか見もの。

 …………。

 はあ。

 空のように【I IS I】と交換になった。

 団長が装備する。

 たなびいてるなー。


 +


 公爵に会いたい?

 ふふ。

 このセシリア=エミルルの紹介であると言えばいいよ。

 おい。

 何だ、その目。

 サラダを毒にするぞ?

 それとも、お前ら毒律毒狐の子孫か?


 +


 エリスノート=カンザレーと言います。

 16歳。

 私が毒手【TENDER TOUCH】を使い放題になるまで、後数ヶ月。

 旦那様、こんな私を抱いて怖くないのでしょうか。

 エリスノート=ライオダルク。

 イシュリア=ライオダルク。

 ルミスティア=ライオダルク。

 ミルティーミル=ライオダルクかあ。


 +


 ポニー=ライオダルク。

 ペルシャ=ライオダルク。

 プーカ=ライオダルク。

 ピーチ=ライオダルク。

 パルフェ=ライオダルク。

 きゃー♪


 +


 トゥーニー=ライオダルクにルルラルカ=ライオダルク。

 ルージェイラ=ライオダルク。

 ウチのアホ姉を始めとして、およそ40名か。


 +


 フォルティマ=ライオダルク。

 ルクツォーレ=ライオダルク。

 ブレシー=ライオダルク。

 セシリア=ライオダルク。

 フラン=ライオダルク。

 アネッティア=ライオダルク。

 ルルララ=ライオダルクか。

 なるほどなー。


 +


 オグフィス=ライオダルク。

 イブニー=ライオダルク。

 アジリア=ライオダルク。

 エリカ=ライオダルク。

 ま、いっか。

 皆、好きだし。

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