第20話 OB達

前書き


今回は残虐な表現があります。苦手な方は、スルーして下さい。

また、犯罪行為を助長するものではありませんので、誤解のないように願います。

あくまでも、『フィクション』です!



※※※※※※※※※※



ぐふふ…………………………………………

開幕戦への出場は叶わなかったものの、明日の第二戦への俺様の先発登板が既に発表された。

新興球団ながら、球団初の高校生ドラフト1位指名として有望視されている俺様。

本来ならば球団寮にて明日に備えて静養なのだろうが、後輩たちからの『貢物』を受け取るためにコッソリと外泊していた。


「ちっ、遅いぞっ!」


昨夏の全国大会後の引退時に主将に指名してやった後輩からの『貢物』を待つホテルで、待ちぼうけする俺様。

俺達の先々代から、新人マネージャーを慰み者にし始めて後輩達に受け継いでいった。

今年の新人マネージャーを連れて来いと指示を出したのが昨日の事。

今日入学式だから期待して待っているのに、遅いぞ。


やっと、ドアをノックされて、


「遅いぞっ、開いてるから早く連れて来いっ!」


………………………………………ドアが開けられたが、何かがおかしい。

気に掛ける間もなく、床に転がされたと思ったら、


「亜桜高校野球部OBだな?」


黒服の男達から抑え込まれながら聞かれ、


「くっ、それがどうしたっ!俺を誰だと思っているっ………………………………」


俺の意識が有ったのは、そこまでだった。



※※※※※※※※※※



ぐふふ…………………………………………

開幕戦への出場は叶わなかったものの、明日の第二戦への俺様の先発出場が既に発表された。

昇格したばかりの新興チームながら、球団初の高校新卒ミッドフィルダーとして有望視されている俺様。

本来ならば球団寮にて明日に備えて静養なのだろうが、後輩たちからの『貢物』を受け取るためにコッソリと外泊していた。


「ちっ、遅いぞっ!」


昨夏の引退時に主将に指名してやった後輩からの『貢物』を待つホテルで、待ちぼうけする俺様。

俺達の先々代から、新人マネージャーを慰み者にし始めて後輩達に受け継いでいった。

今年の新人マネージャーを連れて来いと指示を出したのが昨日の事。

今日入学式だから期待して待っているのに、遅いぞ。


やっと、ドアをノックされて、


「遅いぞっ、開いてるから早く連れて来いっ!」


………………………………………ドアが開けられたが、何かがおかしい。

気に掛ける間もなく、床に転がされたと思ったら、


「亜桜高校サッカー部OBだな?」


黒服の男達から抑え込まれながら聞かれ、


「くっ、それがどうしたっ!俺を誰だと思っているっ………………………………」


俺の意識が有ったのは、そこまでだった。



※※※※※※※※※※



「お〜い、今日も残業だとよ!」


そうか、今日も、『残業』か。

年に何回か、有るんだよな。

最近、多いな。


「今回も、数が多いらしいから気合を入れて行くぞ。」


ここは、準公営の、火葬場。

お役所らしく、残業などはあり得ない職場だ。

勿論、『残業』とは隠語で、燃やして始末したいあらゆる物が運び込まれてくるんだ。


作業に当たるのは、場長と俺だけだ。

二人共身寄りが無いからこの役目に選ばれて、もう何年経っただろうか。


次々と運ばれてくる、柩。

かなり重く、多分だけど複数の『物』が入っているんだろうな。

ほぼ全部の柩から、まるで暴れているような音がしていた。


「場長、今日の『物』も、うるさいですね?」


「ああ、今日も依頼主の指示でこのまま焼いてほしいそうだ。」


「………………………………何をやらかしたんですかね?」


「長生きしたかったら、詮索しない方がいいぞ。」


「そうですね、始めますか。」


炉は全部で十箇所。

今日の『残業』は4周回さないといけないようだから、『お手当』が期待できそうだな。


扉を開けて、柩を流し入れ、次々とボタンを押してセットして行く。

旧式の炉だから、時間が掛かるんだよな。


朝までに終わるといいんだけど。

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