この世界線の女神を救ってください

はれみん

第1話 もう能力は使いません!

俺にとってストレスの要因となるのが3つある。


 1つ目は、学校


 2つ目は、友人関係




 『やっほー釉くん、おはー』




 『お、おはよう。伊藤さん』




 そして3つ目は、このどうしようもないクソ美少女女神の伊藤さんだ。




 10月のとある日 ある日の学校帰りなんの考えもなく立ち寄った本屋にて




 『あ、最新号買わなきゃ』




 『あのー』




 『いやー気づいてよかった、楽しみにしてたんだよね』




 『すいません!あのー!』




 『え、もしかして俺?』




 こんな俺に声かけてくるとは思わなかった。


 でもなんで俺なんだ?こんな可愛い子が




 『急にごめんなさい。言ったら悪いんですけど、あなたあと数年で死にますよ。』




 『ん?』




 『だからあなた死ぬんですよ。』




 俺は悟ったこんな可愛い人が話しかけてくるわけない。少し頭がおかしいんだ、丁重に扱ってどっか行ってもらおう




 『そうなんですね。』




 帰ろうとした、、、、が


 袖を引っ張って帰らせてくれない




 『なんであなたは毎回!毎回!そうなんですかー!』




 『毎回ってまだ初めて会って5分も経ってませんよ!』




 『だから!それも説明するために少し話を聞いて欲しいんです!』




 『だとしても、怖いですよ!』




 『本当に少しでいいんです。あなたにとても関わることなんです。』




 『わ、わかりましたよ』




 俺は彼女の気迫に負けて少し話を聞くことにした。実際のところ彼女が可愛かったからだけど秘密。




 『本屋なんかで話すんですか?場所でも変えます?』




 『それもそうよね、ちょっとついてきてください』




 人通りの少ない路地裏へ行く、この路地はなぜだか久々な感じがする。




 『で、何から説明しようかな?』


 『そうそう、まず自己紹介。私はね、まー、君の運命の人的な?君の人生を変えようとしてた神様的  な?』




 『はい?』




 『だから!神様だってば!』




 『、、、』


 即帰ろうとしたが、女の子とは思えないパワーで袖を引っ張ってくる。一応話を聞くことにした。




 『で、何が目的なんですか?』




 『まーはっきり言うと、君死ぬから少しでも人生楽しませてから死なせてあげようと思って。』




 『はー?もし仮にその話が本当だとしてなんで俺が死ぬんだよ!しかも世界中には亡くなる人がたくさんいるだろ、なのになんで神様直々に俺のとこなんか来てんだよ!』




 『そー怒るな、まずね説明することがあるから。君はね、、、、、、』




 今話した内容をまとめると、僕は世界を救う存在となるがそれは違う世界線の話であって、この世界線の俺はもうすでに選択をミスしたため死んでしまうらしい。そしてなぜ僕のとこに来たのかは、この世界が終わるということは神様は消滅してしまうらしい。俺ら人間の場合、違う世界線に転生できるらしいが神様の場合は存在すらも消えてしまうらしい。そこで消滅するくらいなら世界を救うはずだった俺のとこに行き、消滅する前に世界を満喫するということらしいが、、、




 『は⁈」


 『これが本当ならかなり俺、戦犯じゃねかー!!!!!』




 『うん!そうなるね♡』


 『というか、あんま慌てないんだね。』




 『いや、自分的には慌ててるんですけどー⁈』


 まー実際つまらない人生だし、いつ死んでもいいと思っていたし。


 『あと、さっきの毎回、毎回っていうのはどういうことなんだよ。』




 『それはね、違う世界線で亡くなった君を転生させようとしたんだけど、全然いうこと聞かないし、さっきみたいな反応だったからさ。ちなみに神様の場合、世界線一つずつ神様がいてイケメンの神様とか、おばあちゃん神様とか色々いるんだー』




 『へー』


 『違う世界線の俺もそんな感じなのか、、、』


 『まてまて、まだ俺は信じてないぞ!』




 『はー、まだ信じないか、仕方ないなもう今から君に神様の力を見せてあげるよ。雨でも降らせてあげるよ。』




 すると雲が動き始めた。雨がぽつぽつと降ってくる。




 『まじか、信じたくないけど信じるしかないよな。』




 『やっと信じてくれたか、もー君も馬鹿だよね』




 『それは神様が悪くない』


 『あと聞きたいこともあるんだけど、俺なんの選択を間違えたの?』




 『聞きたいよねー、ショック受けないでね』




 『う、うん』




 『あの本屋に寄ったでしょ、そのせい』




 『は?それだけの理由?』




 『たぶんそうだよー』




 とことん俺の人生には呆れる、自分だけじゃなく神様にも迷惑をかけるとは、、、




 『でもさ、急に世界が終わる、みんな死ぬって言われてもなー。』




 『まーそうだよね。でもこの世界が終わるまでは私がついてるから安心して。絶対に楽しませるから。』




 『え、というか神様の仕事とかあるんじゃないの?どーするの?』




 『それはねーもう私あと少しで消滅しちゃうし、ほかの神様に任せてきた。』




神様の顔は少し悲し気だった、、、




 『私は、今日から君の友達になるって決めたんだ。そのために神様の能力を使わないことにしたんだ。だからこれからは普通の超絶美少女として明日から君の高校に行くからよろしくね。』




 『え、ガチで?』




 『うん、ガチで。だってーじゃないと釉くんと全然遊べないじゃーん。』




 『いやいや、俺学校では陰キャだしあんま転校生の美女と関わってたらいじめられちゃうんだけど』




 『えー、もー仕方ないなー。もしそんなことしてきた奴いたら私が半殺しにするからさ。というかそんなとこ気にするんだ』


 


半殺しにすると言った神様の目は笑っていなかった。でもどうしてこの世界を救えなかった僕にはそんな目をしないのだろう。でも、神様の考えることなんか僕たち人間にはわからないのだろう。




 『そうそう君さ、神様ってことは二人だけの秘密だぞ♡』




 『う、うん。』




 『じゃ、また明日。』




そう言うと神様は空へ飛んで行った。




 『神様、早速能力使ってるよ。』




こうしてこの世界が終わるまでの神様との生活が始まった。


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