第5話 禁忌

マコスドのある空き地。

異郷人の少年の死体が地面に置いてある。

「僕たち以外の人はここに入ることができないだろう。」

「そうね、許可なしにはここに来たらすぐに警察に逮捕されるんだ。なぜかというと、新しくできた法律のおかげだから」

「それは良かった。さて、まず、摘んだばかりの「死亡」と呼ばれる花を処理して我々にとって最も重要な成分を抽出しよう。だが、十分な注意を払うのは必要だ。今まで「死亡」という花に触れてからまだ生きている人は一人もいないから!」

「ありがとう、絶対に油断しない」

話が終わると、二人の中の一人は白い手袋を嵌めて、極めて危険な作業に取り掛かった。

「まずは特製の溶液に入れること。そうすれば、その花の毒性が少し弱まることになる。」

その過程でどんな小さなミスをしてもすぐに惨事を引き起こすに違いない。

幸いに何の意外や事故が発生しなかった。

「良かった。次はこれ」

その男はかばんからちっぽけなチューブを取り出した。中には不明な液体が入れてある。

「本当?いざそれを使うとなると、後は何が起こるか全然予測ができないだろう!」

ほかの男は不思議な顔をして、戦慄で体の震えが止まらない。

「ハハハ!なんて弱気な人だ!失敗を怖がったら僕について来る必要はない!命も惜しまない!今度の試験に成功しようと思ったら、それにふさわしい勇気やクレージーを備えなきゃ!」

気の狂っている男はチューブの中の液体を一気に溶液に浸った花に向かって注ぎ始めた。

花がその液体に接触した瞬間、生気を失って萎びてしまった。

でも、それはただ一時的な現象だ。

たぶん十分間が経って、花は突然元に戻って、周りに正体の知らない物質を分泌し始めた。

その物質が一定の量に溜まって準備しておいた特製の溶液と目に見えないほどの化学反応が起こった。

短時間で容器の外壁を透かして見える色は元の紫色から人の血のような深紅になった。

「次は最後の手順だ。じっと見てもらえ!」

その男は深紅の液体を異郷人の少年の死体にこぼした。

適切に言えば、本当の死体ではない。

確かに少年は道端に倒れた時、もう瀬戸際に立っていたが、息が絶える前の一秒、

前回で言ったコブラ集団の裏切り者は特殊な手段でその少年の命を成功に維持した。

でも、少年の様子から見れば本当に死んだと思ってもおかしくない。

つまり、今進行している実験はまだ生きている人を対象にしたことなんだ。

深紅の液体は少年の肌を侵蝕している。

液体は炎のように少年の皮膚を燃やして、焦げた肉の匂いがした。

少年の体内の臓器がむき出しにされた。

「なんだこれ?君は何をしているか知っているのか?!」

ほかの男は吐き気がした。怒りを帯びた言葉が出た。

「君の言った通り、新しくできた法律のおかげで、今マコスドの住民票を持っていない人を殺しても何の法的な責任を取らないことになっている。そいえば、言葉で形容できない香気を嗅いだのか?」

心臓だけが残っている少年の死体。

本当の死体になった。

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