第6話 六色目



「オレは……」


「槍斧でお願いします!」


紫吹は槍斧を選んだ。

槍斧を選んだ理由はいくつかある。

一つ目はシンプルにかっこいいこと。ロマンである。

二つ目は紫吹が最前線に立とうと考えているからだ。紫吹が最前線でヘイトをかいながらタンクの役目をし、御田は機動性が高いので遊撃。西藤が後衛という陣形にしようと考えたのだ。


紫吹たちは武器を持ってギルドカウンターに向かった。


「はいっ、これでギルド登録完了です!」


「この世界はファンタジーな世界に変わりつつあります。ですがそれ相応の危険はつきものです。常に危険があることを忘れずに冒険してくださいね。」


受付嬢の言う通り、世界が変わってから死人は多くなってきている。魔物だって生き物なのだ。冒険者たちはそれなりの覚悟は持たなければならない。

言うほど甘い世界ではないのである。


「あなたたちの冒険が素敵なものになりますように。いってらしゃい!」


受付嬢に見送られて紫吹たちはギルドから出た。



「紫吹〜、オレらの今日の目標はどうするよ?」


「オレたちは初心者だからな。まずは町からすぐ出たところにいるホーンラビットを狩りに行こう。」


ホーンラビットはツノが生えたウサギである。可愛い見た目だが突進のスピードが早く、油断していると腹に穴が開きかねないモンスターである。


紫吹たちは街の外に向かった。


「おーー!見渡す限りの草原!」


御田がテンション高く言った。

世界が変わり、草原、森、山、火山などいろいろなフィールドができたのである。


「ホーンラビットだ!」


一匹のホーンラビットが飛び出してきた。


「まずはオレからいくぜ〜!」


御田が剣を抜いた。

ホーンラビットが突進してくる。

しかし、来るとわかっていればそこまで脅威ではない。

御田は体をずらし突進を回避。素早く間合いを詰めて剣を振り下ろした。


「くらえっ!」


「キュウッ…!」


剣はしっかりとホーンラビットに当たり、ホーンラビットはドロップを落として光になって消えた。


「よっしゃ〜!」


御田の初勝利である。


「お!レベルが上がった!」



ーーーーーーーー

御田 未虎 Gランク

レベル:1

ジョブ:片手剣使い

スキル:なし



「「「おーーー!」」」


レベルが1になりジョブが今使っている武器の初期ジョブに変化した。


「まだ、全然強くなった感じしねぇけどレベルが上がるとテンション上がるぜー!」


「次はオレらの番だな!」


「うん。」




ーーーーーーー


「うおりゃ!」


ホーンラビットの突進を半身でかわし、槍斧を振り下ろす。


「キュウッ!」


紫吹もしっかりと倒し切った。


「ふっ!」


しっかりホーンラビットの動きを読み弓矢を放つ。

矢がホーンラビットの足に当たったところで短剣に持ち替えとどめを刺した。

初心者は当たらないとされている弓矢だが、西藤はしっかり当ててみせた。

3人の中で1番器用なのである。


ーーーーー

紫吹 陽 Gランク

レベル:1

ジョブ:槍斧使い

スキル:なし


ーーーーー

西藤 気勇 Gランク

レベル:1

ジョブ:弓使い

スキル:なし









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます!






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る