第5話 五色目 



キャンバスの動画が出てから世界各国の動きは凄まじく早かった。


特に日本の動きはすごかった。


まず、地方や人口が少ないところに住んでいる人たちは魔物が出てきた時に危険なため、栄えている町を中心に人口を集中させた。


また政府は正式にギルドを設立。人口が集中しているところに配置し冒険者ギルドと生産者ギルドが出来上がった。

素材やドロップ品はSTGストアで換金や取引ができるのだがそれを活用し多くの企業が企業クエストとしてギルドに依頼を出すようになった。

またクラン制度を作り仲間たちと一緒にクランを設立できるようになった。


ここまでの日本の対応はアニメマンガ大国なところが大いに影響している。

大人から子供まで少なからずファンタジーというものに憧れがあったのだ。

それが現在いい方向に作用しているのである。


世界が変化して舞い上がっているのは元々生産者だった方々もだった。

刀などの武器の職人さんたちはついに自分たちの時代が来たと死ぬほど張り切っている。医療だって新たな発見でさらに進歩するかもしれないし、建造物なども新たな領域に行けるのではと職人さん方は輝いていた。



___________





各国がそれぞれ世界の変化に向けて対策をしてきて一ヶ月が過ぎた…




【やあ、みんなー!準備は順調のようだね〜。】



キャンバスの声が響いた。



【想像以上のスピードで準備を進めていて僕もびっくりだよ〜。これなら被害も最小限ですみそうだね!これより魔物とダンジョンを開放するよ!】



【パチンッ】


キャンバスが指を鳴らすと世界に大きな振動が起こる。

人口の少ない地域は森にのまれ大密林とかし、各地にゲート門が発生した。

人工集中させていなければ少なくない被害が起こっていただろう。政府のファインプレーだった。




【さて、これで準備は整った。みんなの素敵な物語を期待しているよ!】



バイバーイとキャンバスはいつも通り締め括った。




_________




「紫吹ー、ギルド行こーぜ」


「おー、もう準備できてるぞ。」


キャンバスが魔物とダンジョンを解放してから高校は一ヶ月程度任意登校となった。

新たな世界にできるだけ枷はなくしたいということであくまで自己責任のもとギルドで冒険者登録をすれば好きに冒険していいことになっている。


冒険者、生産者共にランクがありSTGの名前の横に表示されている。

キャンバスが作った制度のため企業クエストを達成すればランクが上がるとかではなく、冒険者ならば自身が強くなるにつれ自動的に上がる。生産者はより良いものを生み出したり、作れるようになるとランクアップするようだ。


ちなみにランクは1番下がGランクで1番上がSランクである。


自分の名前とランクを冒険者ギルドに登録することで冒険者として登録される仕組みである。ちなみにジョブやレベルは個人情報な為登録する必要がない。

ただ、新たなジョブやスキル、魔物の情報を各ギルドにあるキャンバスが設置したSTGクリスタルに登録するとSTGコインと交換してくれる。



紫吹たちは冒険者ギルドに向けて歩き出した。



「紫吹は何の武器にするんだー?」


冒険者登録をするとギルドから鉄製の武器が支給されるのだ。


「んー、パーティー組むとなるとバランス考えなくちゃだからなぁ。御田はどの武器にするか決めてるのか?」


「オレはもちろん片手剣だぜ!ゆくゆくは最強の剣豪を目指すんだ!」


御田はとある漫画の三刀流剣士が大好きで強く憧れているのである。


「まぁ、そうだと思ったよ。」


へへへと御田は笑っている。


「西藤はどの武器がいいとかあるか?」


「ん、後衛の武器ならなんでもいい。」


西藤は後衛志望か。なんだかんだバランスが噛み合ってるな。


そうこうしているうちに冒険者ギルドに着いた。

紫吹たちは受付嬢のところに移動した。


「「「冒険者登録お願いします。」」」



冒険者登録を済ませ武器支給カウンターへ移動した。


「片手剣でお願いします!」


ふぉぉぉぉ!御田は初めての自分の相棒を手にいれテンションがぶち上がっていた。


「弓矢と短剣セットでお願いします。」


西藤は弓にしたようだ。初めてだとほぼ攻撃が当たらない人が多いため短剣がついているのである。

西藤は自分の武器をみてニヤリと笑った。

紫吹は知っている。ああいう時にあいつに絡むと碌なことが起きないことを。



そして最後に選ぶのは紫吹だ。


「オレは……」




____________________________________




読んでいただきありがとうございます。

いただいたアドバイスなどを参考にしながら頑張っていこうと思います。

応援してくれている皆さん大変励みになってます!これからも楽しんでいただけると嬉しいです。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る