第3話 三色目
『ピコンッ』
「へ…?」
目の前にステータス画面のようなものが広がった。
ーーーーーー
名前:紫吹 陽 (しぶき よう)
年齢:16
ジョブ:なし
レベル:0
スキル:なし
身長:172
体重:54
ーetcー
お馴染みのジョブ、レベル、スキルの他に自身の情報も並んでいる。相手に見せる時は任意で隠すことができるらしい。
ステータス画面は三面鏡のようになっており、左にステータス。
真ん中の画面は、アイテム欄とショップのようなものが。
右には、謎の動画サイトとメッセージツールが表示されている。
『なんだこれ!?』
どうやら紫吹だけではなく、クラスメイトや先生たちにも見えているようだ。
自分の体重を見て口が塞がってない女子や、右手を抑えながら魔王笑いをかましてるやつもいる。
(え、めっちゃ怖い。状況抜きにしても怖い。)
普段イケイケなイケメンくんの変わりきった姿を見て紫吹は震えた。
「紫吹〜!無事か!?」
「無事かー」
「おー、無事よ無事よ。」
御田と西藤がハイハイでこっちに向かってきた。
紫吹は(こんなときでも変わらんなぁ)と思いながら返事をする。
「紫吹も、STG見たか〜?」
「見たか?」
「STG?」
なんだそれと思いながら聞き返すと
「そりゃステータス画面。略してSTGよ。」
「そゆことよ」
自分のステータス画面を開いてみると確かにSTGと書いてあった。
紫吹はこれ作ったやつの略し方は謎だなと思った。
「STG見せ合おうぜ〜」
御田の提案でSTGを見せ合うことになった。
気になる2人のステータスがこちら
ーーーーーー
名前:御田 未虎 (おだ みとら)
年齢:16
ジョブ:なし
レベル:0
スキル:なし
身長:178
体重:62
ーetcー
ーーーーーー
名前:西藤 気勇 (さいとう きゆう)
年齢:16
ジョブ:なし
レベル:0
スキル:なし
身長:176
体重:57
ーetcー
ーーーーーー
「やっぱジョブ、スキル、レベルはみんなないんだなぁ〜」
「よかったー、自分だけ不遇ステかと思ったわ」
御田の言葉に紫吹が答える。
実は結構ビビってたのである。アニメや小説だとありがちなのだ。
教室でも同じような会話が飛び交っており、騒がしくなっている。
だが、泣いていたりしている子は1人もおらずみんな不安がってはいるものの目の前のSTGを見て目を輝かせている。
アニメやマンガを見るのが普通になっている現代ではみんなこういう展開を一度は思い描いたことがあるのだ。
現代っ子は強かであった。
それに対して大変なのは大人である。学校が始まるというタイミングで見たこともない現象が起こったのだ。生徒たちの安全の確保などもしないといけないため教師陣は大慌てである。
『ピコンッ』
そんな時、またSTGに通知が来たのであった。
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