第7話

3日後…



私と悠人君、そして反対側に勇人が向かい合うようにして座っている。


勇人が機嫌悪そうに、


「なんだよ、話って。悠人まで呼んで。一体どういうつもりだ?」

「単刀直入に言うね。私と離婚して。」

「はぁ!?」

「だから、離婚してって言ってるの。」

「何なんだよ!急に、何を言い出すのかと思えば」

「あなた、不倫してるでしょ」

「はっ、馬鹿らしい何を根拠にそんなことを?」

「悠人君、お願い。」

「はい。」


そう言って、悠人君は、写真を1枚1枚出して、並べていった。


「どうやら、不倫相手は同じ職場の女性だそうで。うわ〜外回りとか言って、2人でホテル行ってるじゃん。やば……クビ確定だね」


「テメェ、どこでそれを…悠人、お前もグルか!」

「兄さん、もう諦めなよ。結衣さんの意思は固い。それに、これだけの仕打ちをしておいて、離婚したく無いとか言わないよね?」

「そ、それは…」


「「奥さん、まだ帰って来ないのよね?バレるのだけは勘弁よ。」」


「これは誰の声だ〜?」


「ま、まさか聞いていたのか?」

「正解〜!!これだけの証拠が有ればもう言い逃れは出来ないよ。もし、まだ離婚したくないって言うならば、裁判までいく?こちらは徹底的に争う覚悟よ。」

「わ、分かった。で、金はどうすんだ?」

「財産分与で50%ずつね。あと、300万の慰謝料を払ってもらうわ。払わない意思を見せたら、あなたの会社にもしかしたら、この写真が送られて来るかもしらないけど〜。」


「わかったって!離婚もするし、金も払う。だから、会社に言うのはやめてくれ!」


勇人はそう言いながら、しぶしぶ書き始めた。

まあ、私には親から相続したお金があるから、そこまでお金に困ってないけど、勇人を苦しませるには、必要な事。


その日のうちに、提出しに行って、無事受理された。


「良かったの?離婚するだけで。」

「良い訳ないじゃない!もちろん、彼の会社、親、友達、不倫相手。こちらが把握している、交友関係のある人全員に送るわ。」

「えっ、でもさっき、送らないみたいなことを……」

「私は、他の誰かに渡さない、流さないなんて、明確にはっきりと言ってないわ。あっちが勝手に勘違いしただけよ。」

「さ、流石…」


ふふん。どんなもんよ!昔から気が強いねって言われてきたけど、結婚してから、全く言われなくなった。今思えば、勇人に洗脳されていたからかもしらない。でも、もうおさらばよ!


「そういえば、結衣さん、この後気晴らしに映画館にでも行きません?」

「おっ、良いね良いね。行く行く!それじゃあ、レッツゴー!!」


そう言って、歩きはじめた。




ボソッ……


「絶対幸せにしてみせますから。」


「えっ、何か言った?」

「いえ、何でも無いです。」







この2人が付き合い始め、2年後にゴールインするのは、まだ先のことである。

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