第2話 転校初日

「ピンポーン」


インターホンが鳴っている


「春渡くん、今日から学校だよ 後15分後には出ないと間に合わないよ」


ここで俺の頭の中に昨日の記憶が瞬時に流れた。俺は昨日記憶を失ったまま目覚めて・・今日から転校だっけ


夢のように目まぐるしく進んだ昨日の記憶を辿り、改めて夢ではないことを実感する。


「すぐ準備する」


俺は急いで寝癖を治し、ヘアアイロンを温め制服を着て準備を進めた。


「ごめんお待たせ」


扉を開けるとそこには莉々菜が待っていた。


「行こっか!」


朝から彼女はハイテンションだった。でもなんでこんなに彼女は俺に構ってくれるのか。記憶が消える前の彼女?いや、直接聞くのは失礼だからそのうちさりげなく聞いてみるか


疑問を自問自答で自己解決するうちに学校に着いた


「私は先にクラスにいるけど、春渡くんは初日だし職員室に寄ってからだね」


そう言い彼女とは玄関で別れた。


「君が萩原春渡くんね 私は2年3組担任の岡部由衣 これからよろしくね」


「こちらこそよろしくお願いします」


担任の先生は割と若めの新米教師って感じだ。挨拶も早々にHRからクラスに合流することになった。


「今日からお世話になります。萩原春渡です」


最初は少し緊張していたが休憩時間にはクラスのみんなが話しかけてきてくれて割と溶け込むことができた。あと莉々菜も同じクラスみたいだ。知り合いがいて少しホッとしている。


「ところで春渡くんは来週の体育祭、何出たい?」


クラスの女子がさりげなく聞いてきた内容に俺は思わず驚いてしまった


「来週・・・?体育祭?」


「あー聞いてなかった?ほら今9月だしうちは来週体育祭なんだ」


驚愕の事実に俺は5秒固まってたと後で莉々菜に笑われながら話された。

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