リビルトリビリオン

@LUXION2211

第1話 おかえりなさい

・・・なんだ・・ここ?


目が覚めると俺は草むらの中で1人横たわっていた。


「なんだか頭が軽い 変な気分だ」


だいぶ寝てたのか今自分がどこにいるのか何をしてたのか全く思い出せない


周囲を見渡すと辺りに親子連れが数組いるし建物っぽいものもある。死んだわけではなさそうだ。


とりあえず俺は起き上がりポケットに入っていた携帯の地図を見ながら往くあてもなく歩き出した。


俺の名前は「萩原 春渡」歳は17歳 名前と年齢は覚えてるのだがそれ以外の記憶が一切ない。帰る家があるのか、この場所がどこなのか。


「あ、いたいた!」


「うわぁッ」


後ろから謎の女の子に話しかけられた


「えっと、ごめん誰だっけ?」


記憶がない俺は咄嗟に失礼なことを言ってしまった。以前の友人かもしれないのに


「あーそうだったね・・私は國崎莉々菜 春渡くんとは寮の隣同士だよ」


「え、寮・・?」


高校と寮というあまり聞かない言葉の組み合わせに咄嗟に聞き返してしまった


「そう!私たち遠くから来たから寮生活なんだ!春渡くんは明日からうちのクラスに転校するんだよ」


彼女のおかげで今の自分の状況がなんとなく理解できた。


「とりあえず南高校の寮に行こうか 場所わからないでしょ」


俺は帰る場所があることと知り合いがいたことに安堵しつつ寮へと向かった


「ここが春渡くんの部屋 隣は私だから何かあったら呼んでね!」


彼女と連絡先を交換し俺は自分の部屋に入った。そしてここで不自然な点に気がつく


まずは俺の携帯の連絡先が彼女しか登録されてない所だ。仮に友達が居なくとも親の連絡先ぐらいは持っててもおかしくない。そして二つ目は部屋の生活感が全くないという点だ。まるで今日泊まるホテルの部屋みたいに片付いてる。記憶が無くなる前の俺は何をしていた?三つ目は必要なものが全て部屋に置かれている所だ。教科書やカバン、制服にお金や財布など明日から必要なものが全て置いてある。ただ疑ったところでどうしようもない。今日は寝て明日に備えるとしよう。

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