第28話 最強の怪盗アイテム
激レアアイテム、変装グッズを手に入れた!
だが、僕は強力な武器が欲しかった。
「はあ~」
「え? なんでそんな反応なのです? これほど怪盗らしいアイテムはありませんよ! 多くの怪盗が喉から手が出るほど欲しがっているアイテムです。『ばかもん! そいつがクチナシだ!』とかを実現できるのです。絶対にウケがいいですよ」
「まあ、そうかもしれないね」
ある意味では怪盗の夢とも言えるアイテムなのだろうか。
怪盗と言えば変装だし。
便利と言えば便利だし、このアイテムで何とか乗り切るしかないか。
「そういえば、フォト。最強のアイテムってやっぱり銃なのかな?」
「最強ですか? いえいえ、銃なんてチャチなものじゃないですよ。使いやすさを考えたら最強の定義は難しいですが……私が思う最強アイテムはズバリ『アリスリング』です」
「アリスリング?」
僕の聞いたことの無いアイテムだ。
ゲームには存在しないものらしい。
「炎や氷などを発射できる指輪です。このアイテムの何が凄いのかって、持ち手の想像力によって無限に威力が増大する部分です。本人のイメージを具現化できるのです」
「使い手によって威力が変わるって事?」
「その通り。最強のマスターがアリスリングを使えばどれほどの威力になるのか、考えるだけでワクワクします。ちなみに属性は火や水など様々で、その属性での具現化しかできません」
種類はたくさんあるらしい。
手に入れた属性の分、自分好みに具現化できるという事か。
かなり現実離れしたアイテムである。
高レベルになるとそんな戦い方も可能らしい。
「そういった異能が混じったアイテムをうまく使えることが怪盗としての本当の強さでもあります。この部分はゲームとは違うので覚えておいてください」
異能に近い力を使えるアイテム。
現実はゲーム以上にぶっ飛んだ代物があるんだな。
「まあ、まだまだ先の話です。残念ながらアリスリングを引き当てるには最高レベルのガチャを引かなければなりません。その中でも激レアなので持っている怪盗は一握りです。しかも、想像力が強い怪盗でないと高威力を引き出せないので、扱い切れない怪盗も多いのです」
怪盗の想像力によって威力が増減するからこそ、その使いどころも難しいようだ。
最強の威力を引き出すには、かなり限定された条件がいるってわけだ。
「いつか、マスターがアリスリングを使った時、それがどんなものになるのか。それを楽しみに怪盗を続けるのもいいかもしれませんね」
僕が想像する最強。
今はまだイメージもつかないが、いずれそんな日も来るのかもしれない。
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