第1話

デパート革命

   

「のわぁ?あぁあぁぁ…!」

「きゃあぁぁぁ!」

 バタッ!っという音が発生し、その刹那。

「何すんのよ!この変態!」

「早くその手をどけなさいよ!」

「んん?」

 この一瞬、自分でも何が起きてるかよく分かっていなかった。下からすごい剣幕でキレ散らかしている女の人の声が聞こえる。

 そこで目線を下にやると女の人に俺は覆いかぶさっていた。

 その次に自分の右手に視線を落とす。

 俺の右手がどうやら何かに触れているらしい。それは胸だ。胸だった。女の人の胸だった。気まづさ9割、嬉しさ1割。俗に言うラッキースケベである。最低最悪のクズである、我ながら。

「ごめんなさいぃぃぃ!」

 咄嗟に謝った。今謝った時に自分の顔がニヤついていないか少し不安だったが、とりあえず謝った。謝ると同時に急いでこの女の人の身体から自分の身体を降ろす。

「何考えてんのよあんた!いきなり押し倒してくるなんて!」

「セクハラ!スケベ!変態!死ね!」

 悪口のオンパレードである。まあ無理もない。いきなり女の人を押し倒して、胸を触ったとなればただでは済まないだろう。

「本当に申し訳ございませんでした!どうか警察だけには通報しないでください!」

「ちょっと恥ずかしいから大きな声出さないで!いいから、こっち来て!」

 グイッと腕を引かれその場をフェードアウト。

 俺に負けじ劣らずこの女の人もなかなかの声量である。そんなツッコミを入れたら本当に殺されそうなので、今は控えるが。

 俺達はこの一連のやり取りをかなり大きな声で行っていたので、周りの視線をかなり集めている状況だった。

 ここはデパート。しかも日曜日の。若い学生から年配の方まで幅広い年齢層のお客さんでいっぱいだ。そんな状況に耐えられなくなったのか、女の人は俺と共に場所移動。

 デパートの非常出口の近くにまで連れてこられた。ちょっと薄暗いあの場所である。

「一体どういうつもり?急に押し倒して!」

 やはり怒っている。当然か。

 しかし、俺はここで脳内で一つの疑問がよぎっていた。

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