第12話 発見

イギリスの小さな町の裏路地。


そこにある黒い扉の奥にある薄暗い地下室。


大きな窯を時折まぜながら必死にのぞき込んでいるおばあさんがいた。


このおばあさんは何年もこうしてある人物を探している。


そしてその努力が報われる時が来た。


おばあさんがのぞき込んでいる窯の水面を見てみると、ふるくてツタに覆われている建物が移っている。


「いたぞ。これはあの一族の魔法だ。やっと見つけた」



窯に写っているその古い建物の扉の横には***図書館と書いてある。


そして建物全体に半透明な青いもやがかかっている。これは魔法を可視化したもので、魔女が探しているルトの一族は青いもやをしている。


家系によっては大きな雪の結晶だったり、炎だったりいろいろある。




おばあさんは早速身支度を整える。黒のマントは外では目立つので、ふつうのおばあちゃんらしい服装に着替える。

上に頭蓋骨が乗った大きなタンスをあけておくから、洋服を取り出し、着替える。


それから食料と最低限の日用品を入れたカバンを背負い、地下室を後にする。


飛行魔法で日本まで飛んで行ってもいいのだが、たいして早くないのと、年寄りの体には負担が大きすぎるため、一般人と同じように飛行機で日本に行くことにする。




「日本のどこにあの建物があるかは日本についてから考えればいい。まってろ、かならず奪ってやる」


魔女は日本に向かうために地下室を出て、空港へ向かった。

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