第45話第一歩
『ヨシオ、一度日本へ戻るわよ。バッテリーパックが必要よ』
「バッテリーの他にも、リュックとか装備が必要だな」
荷運びで自宅には何度も行っている為、急速充電を行ってはいたが、数が足りなく根本的解決には至ってなかった。
『大丈夫よ、バッテリーパックは用意しておくように連絡しているわ』
いつ誰に連絡したんだ?と思ったが、荷運びで自宅にいる少しの時間で、姫ならメールくらい簡単に出来るな。
『車を出しなさい。道順は指示するわ』
「いつもの電気屋じゃないのか」
『市販品では、今後が心配よ』
姫にとっては生命線だからな。より良い物が欲しいのか。
運転する事2時間。ホテルの駐車場に入る。
『アポは取ってるわ。話は全部私がするからヨシオはインカムを付けてるだけで良い』
デジャヴ・・・ スワヒリ語のオッサンの再々来か?
ホテルの部屋で待っていたのは、例の外国人達。
前回同様、俺は蚊帳の外だ。暫く寝かせて貰いますよ!
『ヨシオ、起きなさい。アイテムボックスを開いて』
俺はアイテムボックスを出したが、俺以外には見えていない。アイテムボックスの中に手を入れると周りが一斉にどよめいた。
俺の手が途中から消えているように見えるのだろう。外国人たちは興味津々で見ている。
『ヨシオ、スキルオーブを20個出してみんなに渡しなさい』
正直、嫌だ。やっと手に入れたのだ。自分で使いたい。
「俺が使いたいのだが・・・」
『大丈夫よ。また買えるでしょ』
そう言われればそうだ。20個渡してもまだ32個残る。今後も購入は出来るだろう。
俺がスキルオーブ渡すと、姫は外国人たちと話を始めた。
帰り際、外国人の1人から姫用のバッテリーパック渡された。姫から従来型との違いを説明されたが、俺には何が違うのか解らない。使い方が同じなら、問題ない。
「姫、今日はオーブ20個とバッテリーの交換だったのか?随分高いバッテリーだな」
『何を言っているの。バッテリーはオマケよ。オーブは1個400億円で売れたわ』
「はあ!?なんだ、そのフザケタ金額は。いくらなんでも、ボッタクリ過ぎだろ」
『問題ないわ。先日のインゴット関係で、彼らは莫大な儲けが出ているし、これからも出し続けるわ。400億円なんて直ぐに回収出来るわよ』
「俺にはもう理解出来ない金額だな。使う時間も無いし、前回の231億円も眠ったままだ」
『ヨシオ、231億円は既に運用されているわ。現在は411億円になっているわよ』
姫は、俺と一緒に行動してただろ。運用する時間なんてあったか?いや、考えても仕方が無い。姫のハイスペックを考えれば可能なのだろう。
「そんなに儲かったら、税金が恐ろしいな」
『大丈夫よ。8411億円を資本金に、そろそろ会社を設立するわ。ヨシオの給料は毎月14万円が会社から支払われるわ。経費は会社持ちで使い放題よ。安心して働けるわね』
何を安心して良いのだ。さっきまで俺の資産が8411億円と言っていたのに、全額を会社に注ぎ込んで月給14万円で働くのか。色々と納得がいかない。納得は出来ないが、8411億円持ってても使う時間も無いので、どっちでも同じか。
新しい装備を購入した。勿論選んだのは姫だ。耐熱装備、対炎対策装備、その他多数。中には、何に使うか解らない物もあった。
「姫、やっぱりまた戦うのか」
『当たり前でしょ。異世界征服の第一歩よ』
「それは、もう忘れて欲しい・・・」
自宅へ到着し、異世界の街に向かう前にスキルオーブを使ってみる事にした。スキルオーブの残りは32個だ。だが、ここで問題が起きた。
6個目を使用した時に気分が悪くなった。更に7個目、8個目と使用し、9個目を取り出だそうとして俺は気を失った。
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