第13話市場調査
探索30日目。
今日も拠点で朝を迎える。
「街の宿でゆっくり休みたかったなあ」
『先に確認が必要な要件が出来たので、一度日本に戻ります。拠点からの方が早く日本に戻れます』
合理的過ぎる意見にビックリだ。俺は日本に帰る理由を聞かされてない。俺には内緒なのか、俺には教えられない内容なのか。どっちでも良いか。
俺は残量の減ったバッテリーを全部持って出発する。
そう言えば、昨日の市場調査で解った事がある。
まず、通貨について。
流通しているのは、銅貨、鉄貨、銀貨、金貨、白金貨の5種類の硬貨だけ。それぞれ10枚で次の貨幣1枚分になる。
街中の物価を考えると、銅貨1枚が100円相当と思われる。
つまり、
銅貨 = 100円
鉄貨 = 千円
銀貨 = 1万円
金貨 = 10万円
白金貨= 100万円
俺はお金が5種類しか無い事に驚いた。不便は無いのだろうか?
姫に意見を聞いたら『慣れれば良いだけ』という回答だった。
慣れるのか?俺は納得できない表情をしていたのだろう。
姫は更に言葉を続けた『2千円札を最後に見たのはいつ?』
流石、姫。慣れれば良いだけ。その通りだ。
商業ギルドでは登録をした。ギルドカードは直ぐに発行された。発行手数料は金貨1枚だ。銀貨10枚で支払った。
鉄っぽいプレートに名前が刻まれていた。姫が何故か『見せて。よく見せて。キチンと見せて』と五月蠅かった。姫が納得するのに10分くらいかかった。
ついでに、まだ1個在庫が残っていた白い何かのドロップ肉も売った。白い何かはファオヴォアジャオという名前らしい。
動く物全てに問答無用で体当たりをするらしい。普通の人が出会ったら、死を覚悟する時間も与えて貰えないらしい。まさに白い悪魔だ。
やはり貴重な肉のようで金貨2枚で売れた。因みに、品薄過ぎて店頭では殆ど取扱いが無いらしい。一般の人が買うには、金貨2枚スタートのオークションに参加するのが一般的らしい。
昨日の露店で、最後の客に銀貨20枚で売ってボッタクッた気でいたが、実は全員にボッタクられていた。っていう笑い話だ。
てか、あの森は結構な数のファオ・・・ナンチャラがいるから狩に行けば良いのに。
『金貨と銀貨とギルドカードとインカムを持って車を運転して。道順は指示するわ』
自宅に到着したが、早々に出発するようだ。俺は残量の減ったバッテリーの充電をし、出かける用意をした。
硬貨を売却して日本円を入手するようだ。しかし、異世界のギルドカードは使えないぞ。姫にしては、マヌケな指示だ。
到着したのは”金買取専門店”だ。
『金貨の重さと、金の含有率だけを調べて貰う。売らないわよ』
1時間運転して来たのに、売らないのか。何の為に来たんだ?
次に到着したのは、”銀シルバー買取専門店”だ。
『する事は同じよ。売らないわよ』
今は売らなくても価値だけ解れば良いのか?買取金額は時価だから日々変化する。高い時を狙って売るのかな?
次に到着したのは、一般住宅の玄関前だ。
「ここ誰の家?」
既に俺の頭では理解が出来ない事が起きているようだ。状況が全く理解出来ない。
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