W6 ガイストサブアーブ

気づいたら、モコローたちとツイスタマゴは、薄暗い街へ来ていた。


空がオレンジ色で、月に目がついている。

廃墟街のような雰囲気を全面に押しつけてくるこの場所に、3人はいきなりすぎて困惑していた。



「「「「「(どこ?)」」」」」


街灯には目がついていて、木製の家はどこか不気味。


モコローは騒いだ。


「レトロだねぇ」


モコローは騒いだ。


「古臭いねぇ」


モコローは騒いだ。


「何これ」


モコローは騒いだ。


「(喋る事が無い…)」


↓ツイスタマゴ

「子供の感想ですか…」



どうやら、街の周りは遊園地となっているらしい。

そして、遠くの山に城が見えた。


「なんですかねぇ、あの城」


「うん」

「…」

「……」

「………」


























「少しは興味持ってくださいよッッッッッ(泣)」


「「「「…………」」」」


「反抗期ですか!何歳ですか あなたたち!」


すると突然…。

























「「「「「⁉︎…」」」」」



いつのまにか、どこかの書斎に、3人はいた。

暖炉に緑色の火がついている。絵画がその上にあった。


薄暗い書斎は、もはや図書館と言えるほどの広さだった。









それはもはや図書館。


「どこ ここ」

「さぁ」





「は……?」


聞き覚えのある声が響く。


その直後、カボチャを被った奴が現れた。


「⁉︎…あ、あなたは…!」

↑ツイスタマゴ


「あれぇ…やっぱり君たちか。しかも4人とも揃っている」

↑カボチャを被った奴


「あなたは誰なんですか!」


「ったく…またしようとしたら、君らを巻き込んで転送しちゃったなんて。

これじゃぁ、ハルトマン様に会えないなぁ」


「え?ハルトマン?誰ですか」


「うーん、ここで消しても問題無いだろうし、君たちよ。

さよならぁ」

「いや待てよォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」


ツイスタマゴがカボチャを被った奴をぶん殴った!


んでもう1回殴った!



「ぐふぉぉ⁉︎⁉︎…親父にもぶたれたことないのに!」

↑カボチャを被った奴


「なんで皆さん、私の話に興味無いんですか!!」

↑ツイスタマゴ


「良いじゃん別に!!」

「え(泣)」


「僕は君たちなんか、どうでも良いんだよ!

五等分の花嫁モコローで良いじゃん!」


「4等分です(マジレス)」

「どうでも良いです」


ツイスタマゴは、彼の無責任さに、怒りを覚えた。

そして怒鳴る。


「あなた、私とモコローさんに被害を加えときながら、何ですかその態度!

義務教育 受けてましたか⁉︎あなたが私の時計と時間を盗んで、追いかけたらモコローさんを分裂させちゃって!

私たちは、それに復讐するために来たんですよ(まぁここに来れたの象と溶岩のおかげですが…)」


「へぇ」


カボチャを被った奴は興味無さそうに周りの本棚を見ていた。

それにツイスタマゴがついにキレる。


「は?誰に向かってその態度でいられるんだボケ。

あなたはきっと、何の目標も無い生活を送っているのでしょうね。

でなけりゃ普通、饅頭まんじゅうとかビスケットをお詫びに持ってくるはずです」


彼らが話している間、モコローたちは本を読みながら、アイスキャンディーを食べていた。


が、ミスして本に溢れる。


↓カボチャを被った奴

「あ(絶望)。

き、君…モコローだっけ?べ、弁償して?(絶望)」


↓ツイスタマゴ

「しなくて結構です。彼の所持品は全て汚しましょう!

でなけりゃ、もう我慢できませんよ」


「アイスキャンディー買ってくれたら弁償する」

「意味無いじゃんそれ」


「それだと無理かも…お金無いし」

「は?……」



「モコローさん、そいつから離れて。

社会に貢献しないクソ野郎は私が倒します。

そしたらレストラン行きますよ!」


ツイスタマゴが、手を構えて静かに怒鳴った。

モコローたちがそれに気づいて、席を離れる。


カボチャを被った奴は笑った。



「僕にとっての最高のだねぇ。

時間を奪う目標の無い奴…か。ちょっと癪に障るかな」


ビュンッッ


彼の指から、ツイスタマゴに向けて糸が発射された!

モコローの1人が咄嗟にツイスタマゴを担いで、回避する。


「⁉︎…やはり君は、あのモコローだったのか。

僕はカボボン。君とここで戦う羽目になるとは、夢にも思ってなかった」

↑カボチャを被った奴


「ふっ、俺がそんな安い奴に見えたか?

ありがたく思え!!」

↑モコロー


「すごーーい!さすがモコロー!」

「サンキュー、モコロー!」


「すごくややこしいのも、戻してほしい理由の1つです…」

「確かに」


カボボンから発射された糸は、空間を切り裂いて、そこから大量の棘を連射した!


モコローの1人はそれらを必死に避ける!


そこにモコローの1人がカボボンを背中から掴んで、バックドロップをお見舞いした。

その衝撃で、カボボンのカボチャに亀裂が入る!


「やりましたよ、モコローAさん」


「おっけ、任せてモコローB!」


モコローAはモコローBに体勢を崩されたカボボンに拳を振った。


ズドォォォン


「くっ、カボチャが割れるだろぉ!」


彼らの足元の影が突然大きくなり、巨大な鋭い手のような形へ変貌する。


モコローBとAが影の手に捕まりそうだ!

モコローCが急いで彼らへ近づき、AとBを助けようと試みた。


しかしそうすると、担いでいるツイスタマゴが危ない。


「ど、どうすれb」


ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンンッッッ



Cが吹っ飛んで、AとBを掴んだ!!


「ほう、それだとツイスタマゴ?が危ないねぇ。

……あれ、いないし」


カボボンは影の手を、モコローCが通った箇所に伸ばす。

しかし、ツイスタマゴはいなかった。


「は⁉︎…なんで⁉︎」


↓ツイスタマゴ

「(ふう、咄嗟に風で飛ばして良かったです)」

「そこか」


カボボンは彼を見つけると、頭から音波を放った。

安堵しているツイスタマゴにとっては不意打ちだった。


「ふぅ……ん⁉︎⁉︎」

「これでこいつは終わったぁ!」



「(まずいモコローさん!……いや、少しは自分でやらないと、私が社会貢献できない!

私にだって、何かできるはずです)」


ビュドカァァァァァァァァァァァァァァン


ツイスタマゴは、暴風を発生させた!!

部屋が抉れ、本は鳥のように飛ぶ。


外の景色からして、ここは おそらく先ほど見た山の上にあった城だ。


ツイスタマゴはさらに風力を上げ、上下の部屋を半壊させる。

カボボンは泣いた。


「僕の城が!あの写真だけは絶対に紛失させない!」


彼は暖炉の上の絵画を外して逃げようとするが、モコローたちによって中々外せない。


「待て、カボチャサラダ!」

「おぉぉぉい!」

「このォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」


「やっぱり、弱体化させても3人集まれば、力が強い!

あぁ、額縁が壊れるって!やめてぇぇ!」


「さっせっるっかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」



残りのモコローDが、風が強いなか、絵画ごとカボボンを指鉄砲で撃った。


弱体化してるせいで、能力が使えないが、それでも貫くほどの威力。


「え あんな事できるんすk」

↑ツイスタマゴ


ズバァァァァァァァァァァァァン




「ぐふo………」


そのはずみで、彼の被っているカボボンが割れてしまった。









その素顔とは……?

















何も無かった。


「⁉︎」


カボチャの下に素顔があると思っていたモコローたちは、彼の顔そのものが無い事を知って、停止してしまった。


カボボンが叫ぶ。



「キァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」



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ドォォォォォォォン


ズドォォォォォォォォォン












「……は⁉︎」


モコローが目を覚ますと、謎の場所にいた。

壁は無く、周りが黒とも呼ぶべき空間で、地面が赤や青の六角形。


そして、周りのモコローが皆んな消えていた。

どうやら戻ったらしい。


「え……あれ…戻った?」


「あれ…モコローさん、1人だけですか?」

↑ツイスタマゴ


「そうみたい…なんとか助かったのかな」

「でもなんか寂しい」



「マダいタのか」


頭の無いカボボンが静かに怒鳴る。

異空間のようなこの場所に似合う。


モコローはツイスタマゴの前に立ち上がる。


「どうするつもり?」

↑モコロー


「お前ラを消ス」

↑カボボン


彼は手から血のような赤い弾を発射した!

モコローはそれらを全て避ける。


そして指鉄砲を撃った。




「⁉︎…姿ガ変ワッた⁉︎コれガ噂の彼の能力。

指で撃ッタ者ノ能力を使エルようにナルらシい」


「そウダよ、ワとソンくん」

「やめてくださいモコローさん」


口調も性格も変わり、まるで血のようなペイントが顔につき、骨が刺さっているように見えるモコローが、余裕そうに立つ。


「トてモ、余裕ソうに見エる。しカシ、手加減はシナい」


彼は、黒い闇の塊みたいなものを、背中から発射した!

モコローはそれを、2本の骨を使って相殺し、それらをぶん投げる。


カボボンは楽々と骨を躱すと、電気を溜めて、ビームを放った!


「⁉︎…モコローs」


「………!」



彼は、カボボンへ近づき、手を影のように黒く染めると、なんと腕を伸ばした!!


そして、その流れでビームをパンチで弾き飛ばしたのだ!


ビカァァァァァァァァァァァァァァン



「終ワr」

「ソうはサせナい」


カボボンの首元から赤い血が噴射すると、モコローたちへ向かって降り注がれる。


ビュンッッッッッッッッ


ツイスタマゴは風を発生させて、血を全て吹き飛ばした!

その衝撃で、床が崩れる。


「⁉︎…あ、すみませんモコローs」

「構ワナい」


モコローは遥か上空へワープしたカボボンに向けて、青い炎を発射。


炎はまるで生きているかのように動いて、彼を惑わす。

しかしカボボンは、平然としていた。



「こレ程度で、僕を倒ス事は何ヨりモ不可能」


彼の体が真っ二つに割れて、その中央から謎の光の粒子が、炎を消し去る……。

それらはモコローに降りかかり、気絶させた。


カボボンが余裕そうに、地上に降りてくると、気絶したモコローを見た。


「こレデよく……」


彼はモコローに向けて、額縁の破片を使って、刺そうと試みる。

ツイスタマゴは焦った!


「(え、ヤバいって、あのカボチャ野郎にモコローさんがやられる!

なんとかして気を逸らすか、私が倒さないと!

あれ…あれって…)」


彼は、遠くに落ちていた破れた絵画に目をつけた。

風を発生させて、手元へ寄せる。


「これさえあれば…なんとかなるかも」



恐る恐る近づいて、カボボンの背後へ行く。

汗が目に入るが、我慢!


「(落ち着け…焦るな…)」




そして…。



「(今!!)」


カボボンが額縁の破片をモコローにぶっ刺そうとした直前、ツイスタマゴがそれよりも速い速度で絵画を、カボボンの首に叩いた!!


風を絵画を叩く方向に吹かせて、スピードを上げたのだ。


ブシャァァァァァァァ


「ぐふぉ⁉︎」

「!」


モコローがちょうど目を覚まし、絵画ごと、カボボンを吹っ飛ばした。


ドシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーー!!



「ギァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァa……」



聞いた事も無い、この世に存在しないような音を出しながら、カボボンはバラバラに砕け散っていった。

空間内に緑や紫の稲妻が走り、床が煙のように消えていく。

下の方は、青白く光っていた。



































































































「あれ……?」


モコローは、気がつくとベッドの上にいた。

ツイスタマゴが、目の前で寝ている。

カボボンはいなかった。



「………あれ、ここは……僕の家か。

なんだったんだろ…あれ…」


「ううーん、あとビスケットを3つ くれたら、いたずら しないぞ…」


ツイスタマゴが寝言を言う。

モコローはそれを見て思い出した。


「あ、そういえば、レストラン!早く行こ、ツイスタマゴ」




























結局、今回は何をしたくて、何をしたのか…よくわからなかった。


まぁ、それはそれ…これはこれ…それがモコローたちなのかもしれない。

ある意味、目標が無いのかも?







まぁ、それはそれとして…。





































「モコローさん、私…」


「何?ツイスタマゴ…」




「時計が無いんですけど…」

「あ」


お金を貯めるという目標ができました。

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