W3 ヤドリ平野
ツイスタマゴはモコローを追って川を越え、山を越え、海を越え、全てを越えていた。
今にも大空へ飛んでいきそうだ。
「こっのぉ、大空にぃ、翼を広げぇ、飛んでいきたいよぉ!!」
彼はモコローとレストランに行くと言っておきながら、結局行けてない事で若干ストレスが溜まっていた。
しかもその原因がモコロー本人とカボチャを被った奴。
そして朝から何も食べていないツイスタマゴの腹は限界へ。
「ゔゔっ……腹痛てぇ。そういえば朝から何も食べてなかった。
レストラン行きたい…」
「あなた…うちのレストランへ来ない?」
↑誰だ⁉︎
「誰だ⁉︎…誰ですか⁉︎」
声が聞こえてきた方を見ると、靴を履いた、デカい たまねぎ がいた。
口紅を塗っていて、半目は こちらを誘っているようだ。
「あなた…来る?うちのレストラン(意味深)」
「えぇ……(今食べておいた方が良いかなぁ?モコローさん どこにいるかわからんし。
でも怪しそうな店だなぁ。キャバクラだったりするくね?)」
ツイスタマゴはまぁまぁ考えてみる。
わんちゃん、キャバクラじゃない可能性もあるし。
「じゃあ、行きます…」
「そうこなくっちゃ!」
しばらくして、ツイスタマゴと たまねぎ は丘の上にあるレストランへやって来た。
「童話に出てきそうですね…」
↑ツイスタマゴ
「意識したのよ〜。わかっちゃったかしら。
私、ヤシード。店のオーナーよ」
ヤシードは足で、店の扉の前にあった鈴を蹴って鳴らした。
すると、ヤシードの小さいバージョン的な奴らが出てきた。
「ママ、おかえり………お客さん?」
↑小っちゃい奴ら
「そうよ、ヤシーちゃん。お客様には、なんて言うんだっけ?」
ヤシードは子供たちに言う。
「えっと…いらっしゃいませ」
「よくできました」
「何名様ですか?」
「1人です」
ヤシーはツイスタマゴをテーブルへ案内すると、メニューを渡した。
「じゃあ、ハンバーグデミグラソースと、ポテトコロッケ、溶けるビスケットで」
「はーーーい」
ヤシーは厨房に向かって叫ぶ。ツイスタマゴはイスに座っている間、しばらくヤシーたちを見た。
「(まだ幼いのに、店の手伝いとは偉いですね)」
「ツイスタマゴさぁん、あなた、良い顔ねぇ」
ヤシードがツイスタマゴの隣に座ってきた。
「え、あ、ありがとうございます」
「あなたのその、ツルツルな お肌も最高よ」
「あぁそりゃどーも(何の時間?)」
「あなたのリボンも良いわねぇ。舐めたいわ」
「あぁそうですか」
「あ、料理が来たみたいよ」
ヤシーが料理を運んできて、テーブルに乗せた。
「ごゆっくりどうぞ」
「美味しそ……」
↑ツイスタマゴ
早速フォークを取ろうとした時、厨房に何か見た事のあるものが見えた。
「…………あれ、モコローさん⁉︎」
そう、分裂した4人のモコローのうちの1人、モコローだったのだ!
「モコロー?あぁ、最近新しく従業員が増えたのよぉ。助かるわぁ」
↑ヤシード
「すみません、あのモコローはうちの子でして、引き渡していただけないでしょうか?」
「ダメよ。彼、アイスキャンディーをあげれば1日中働いてくれるんだから」
「それだと私が後で色々困りまして……」
「ふーーーーーーーーん」
ヤシードは悪い顔をして笑った。
「なら、あなたがゾンビになる決意はあるのね?」
「え?」
「うちのレストラン、料理だけでなく戦うのも上手いのよぉ」
「え………」
「さぁ、ヤシーちゃんたち、この卵を痛くなるような料理をしましょう!」
ヤシードが叫ぶと、ヤシーたちがいきなり襲いかかってきた!
ツイスタマゴは困惑する。
「(唐突に戦う事になったな)」
彼はあまりヤシーたちを傷つけないよう、弱めの風で吹き飛ばした!
ヤシードが焦る。
「え、ヤシーちゃんたち!これじゃモコローちゃんが奪われてしまうわ!
もっとたくさん子供がいれば…そうだ、これさえあれば!」
テレレレッテレーー!
「しもしも○ックス〜」
「アウトですよッッッ!」
どこかの青猫が出す電話ボックスに似た何かが、レストランの奥の部屋から飛んできた。
謎の便利機能である。
「これは、もし子供ができたらを叶えてくれる道具よ!
これで戦力を増やして……」
↑ヤシード
「ママ〜、僕たちって、この道具で生まれてきたのぉ?
子供ってどうやって産むの?」
↑ヤシー
↓ツイスタマゴ
「えっとここはママさんの代わりに私が説明しますよ。
子供はコウノトリに運ばれてくるんd」
↓ヤシード
「下の方をちょちょいのちょいってすると産まれてくるのよ」
「汚さないでください!!」
「え、下?」
「えっと上ですよ!言い間違えたんです きっと!」
「上?下?なんの話?」
「あーあ、階段登っちゃった」
ツイスタマゴは、がっかりした目でヤシードを見つめた。
しかし、ヤシードは決して油断しない。
「(傷つけないように弱い風でやって、あれほどの強風…。
そこそこ強いわね。私も本気を出す必要があるわ)」
「あれ、ヤシードさん、おーい」
「ふっ、私、あなたの事もスタッフにしようかなと思ってね。
素晴らしいわよ、ここは。
私、夫と80年ほどこの店をやってるけど、あなたみたいな人は初めて見たわ。
さぁ、ヤシード軍団 出動!!」
彼女が叫ぶと、ヤシーたちの様子がおかしくなった。
↓ヤシー
「ゔぐぐ…りょ、了解」
「へ、変色した⁉︎⁉︎」
「ゔががぁぁ……!」
ヤシーたちが踠き苦しむ!
そして緑の体が黒に近い色に変化した。
目は黒から黄色に。
「ゔおおげぇぇぇぇ」
「ぞ、ゾンビ化⁉︎」
ツイスタマゴは驚いた。ヤシーたちは彼にゆっくりと近づいてくる。
ヤシードは次々とヤシーたちを増やした。まだ足も生えてない1齢幼生である。
↑?
「え、何 目の前で結構ヤバい事してんじゃないすか!」
「ふっ、子供なんて いっくらでも増やせるわ!
早くあいつを捕まえるのよ!」
「えぇ…それもしや依存s」
「そうよ!!」
「これは不健全すぎますって!」
「自覚してる分まだマシでしょ」
「ママ、ぱぁの
「ぱぁって何ですか。じゃんけんじゃないんですよ!」
「まぁまぁお客さん、あんまり怒らないで。 ᐛ👐)パァ」
「台風呼びますよ⁉︎」
「くぱぁの
「PTAに見つかって消えてほしいです。
あなた色んな意味でメンタル強いですね」
「母はタケシって言うでしょ?」
「強しですよ」
↓ヤシード
「もうっ、疲れたぁ。やーっぱりあなた、強いわね。
よくツッコミしながら、私たちの攻撃を避けられるわね。
ふっ、もう無理だわ私。やられた…」
「ママーーー!!」
「あぁそうですか。ではモコローは私が引き取りますね」
↑ツイスタマゴ
「ダメだ!!!!!!!!!!!!」
「えぇ……」
突然、叫びながら厨房からプロペラのついたたまねぎが飛んできた。
「あなたぁ!」
「ヤシード!」
「ん、夫かな」
プロペラのついた たまねぎ は、ツイスタマゴを睨みながら言う。
「俺はハキーハキー。ヤシードの夫だ。
俺は、この店と、子供たちと、妻を、守る。
お前を倒す!!!」
「あなたの家族、PTAに追放された方が良いと思いますよ」
「は?何言ってんだお前。俺の家族は純粋の極みだぞ」
「何年一緒に過ごしてましたか⁉︎」
「ふっ、2年だ!」
「結構 新婚でした。おめでとうございます」
「ありがとう だけどまだ くぱぁしてない」
「何ですかその報告」
「ᐛ👐)パァ」
↑ヤシード
「ふざけてんですかァァァァァァァァァ」
「酷いわお客さん。これでも私、あなたのために乳首を立ててるのに」
「顔を立ててほしいっす」
「は⁉︎ヤシードは乳首立ってんだろぉ!」
「夫さん、私は腹を立ててるんですよ!」
「あぁもう我慢ならん!お前を絶対に○す!
さぁ、ハキーハキー軍団 出動だ!」
彼は、口からヤシードやヤシーたちを大量に出した!
ツイスタマゴはドン引きする。
「えぇ…」
「さぁ、どんっどん攻撃しろ!俺はモコローの様子を見てくる!」
「(やってる事同じじゃないすか)」
ハキーハキーはモコローのいる厨房へ行こうとしている途中、ヤシードを見た。
「(やっぱエチードは、いつ見ても興奮するなぁ!
体と胸の上下運動から目が離せられない!
早くやりたい…早くやりたい」
「声に出てますよ夫さん」
「オウオウオウオウオウオウwwwwww
パァンッパァンッ(発射音)
オウオウオウオウオウオウwwwwww
パァンッパァンッ(発射音)」
「オットセイじゃないすか(とゆうか、今の内にモコローさんを連れて行きましょうか。
私をスタッフにするの
ツイスタマゴは彼らが熱くなっている内に、ぼーっとしているモコローに声をかけた。
「モコローさんモコローさん」
「…………⁉︎…あれ、ツイスタマゴさん⁉︎」
「仕事してんのかと思ったら、サボってるじゃないですか」
「休憩中だよ」
「それ何回言いました?」
「1031回」
「社内ニートですか!早く行きますよ!」
「はーーい」
彼らは、独特の臭いがする熱いレストランを出ていった。
この話だけ、めっちゃ長くなってすいません。
そして、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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