前夜祭 ~初対面~
すみれとトランプをしていると、
「莉蘭様、すみれ様。そろそろお時間でございます。」
「はい。今行きます!」
ここから大広間でまず
「莉蘭、もしかして緊張してる?」
「すみれはやっぱ勘が鋭いなあ。隠し事できないや。」
「当たり前でしょ!莉蘭の守り人である以前に幼馴染だもん!」
「ふふ。ありがと!」
すみれと話しているとなんだか安心してきた。
「よし、全力で楽しむぞ〜!!」
話しながら碧海様について行っていると大広間のような大きな扉の前についた。碧海様が首を縦に振ったのを合図に扉が開いた。
大広間には円になって座っている3人と、それぞれの傍に立っている3人の姿があった。一つだけ椅子が空いているのでそれが私のだとすると、私たちは1番最後だったらしい。
私が大広間へ入ると6人が一斉にこちらを見た。
「初めまして、ではないのか。えっと、
すると青髪の男の子が私に笑顔を向けて立ち上がった。
「初めまして、俺は人間界に夏を届けている
次に立ち上がったのは栗色の髪の男の子。
「そうですね。では俺も自己紹介しようかな。初めまして、俺は人間界に秋を届けている
最後に金髪の男の子。
「初めまして、俺は人間界に冬を届けている
えっと、
「莉蘭様、もしかして、今『赤花星』の中で女性が莉蘭様だけだと気づいて、私の事恨みましたよね?」
「い、いや!そんなことないけど、びっくりしたの!」
「今までの
「低いなとは思ったけど、仮面でこもって聞こえてるのかなって思って。私の声もこんな風に聞こえてるのかなって思ってたから。」
「確かに。そう言われると莉蘭様の声もいつもに比べると低かった気もします。」
「でしょー!女の子と男の子二人ずつだと思ってたからちょっとびっくりしたよ。でもすみれのことは恨んでないからね!私も聞いたことなかったし。」
「春のお二人は本当に仲がいいんですね。
「蓮、俺たちが仲良くするとただただキモイので嫌です。」
「そんな事言わないでよー。幼馴染のくせにー。ツンデレ?」
「そんなことばかり言っているとシメますよ?」
蓮様と話しているのは蓮様の守り人つまり
「ではそろそろ近況報告を始めましょうか。」
翠様の一言で場の雰囲気が真面目なものに変わる。『赤花星』の中で最も力があると言われているのは冬を司る者だが、それが肌で感じられるほど、一気に空気が変わった。
「では俺から始める。」
そう言った翠様の横顔はとても美しかった。
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