第1章 転生
第1話 転生の条件
「えっ!?」
女の子の声が聞こえた。私はさっき死んだのに何で女の子の声が聞こえるんだろ?
そう思って私はまだチカチカする目を擦ってみた。
目の前にはオシャレな机と椅子があり、そこに私と同じくらいのかわいい女の子が座っていた。
女の子は綺麗な銀髪をハーフアップにしている。その髪は女の子の腰ぐらいまで届くほどの長さだ。
女の子は腰の水色のリボンが目立つ白いワンピースを着ていた。
気付けば私も同じ椅子に座っていて女の子と机を挟んで向かい合わせになっていた。
周りを見ると私達はとても広い部屋の真ん中にいるみたいだった。
薄いピンクのカーテンに囲まれていて神聖な空間のようだけど、
目の前にいる女の子の部屋と言われても違和感ないほど可愛い部屋だと思った。
周りの様子が分かったところで目の前の女の子に質問してみる。
「えーっと。あなたは誰?」
「私はルーナ!よろしくね!
うわっ!超ハイテンションで自己紹介してきた!
それに外見は清楚なお嬢様っぽい感じだったのに話してみると活発な子でビックリだよ!
とりあえずルーナっていうんだね。
「え!?よ…よろしく………あれ?何で私の名前知ってんの?まだ名乗ってないよね?」
「ふっふっふ〜♪それは私が女神だからだ〜!君の名前や年齢とか、性格とかは分かるよ〜!」
「え?女神?私と同じくらいのあなたが?それに現実に女神様っているんだ!?」
「失礼な!これでも1番偉い女神なの!………でもルーナって呼んで良いよ〜!私もひなたって呼ぶから!」
1番偉い女神様と呼び捨てで呼び合うのっていいのかな?
そう思いながらさっきから気になっていた事を聞いてみる。
「そうなんだ………そういえば私ってさっき死んだはずだよね?何で無傷で、何でここにいるの?」
「確かにひなたはさっき死んだんだけど、ひなたがここにいるのは私がひなたを呼んだからなんだ!ここは死後の世界なの!ここにいる人達はみんな魂だけの存在で、魂は怪我をしないからひなたも元気なんだよ!」
今の話でアニメや漫画が大好きな私はこの状況を聞いてここに呼ばれた理由が何となーく分かってしまった。
多分今アニメや漫画で人気ジャンルのアレだよね。
………だけど、確認をしないとまだ分かんないよね!
「私を呼んだって、なんで?」
「それはね………ひなたを魔法が使える異世界に転生させてあげようとおもったの!」
私を驚かせたかったみたいだけど、予想してたから驚かないよ!
でも喜びが溢あふれて私の頬がゆるんでいる。
私は今、興奮して心の中で大騒ぎしてるよ………
異世界転生〜!?しかも魔法が使えるなんて〜!どんな魔法が使えるのかな!?ってね!
「あれ?驚かないの?今までの子たちはビックリしてたのに〜」
私とは反対に頬をふくらませるルーナ。ちょっと可愛い!
「私は魔法が使えるアニメや漫画が大好きだからね!異世界転生する物語は特に好きだもん!さっきまでの話でなんとなく分かっちゃったよ。でも、本当に魔法が使える異世界転生できるの!?私ずっと魔法を使ってみたかったんだ!!」
さっきまで心の中で大騒ぎしてたことはナイショ!
「何だぁ〜。分かっちゃったのか〜。つまんないの〜。………異世界転生は特別な子達しかできないんだけど、ひなたは特別な子達の1人だから転生できるよ!異世界転生なんて私の力であっという間に出来ちゃうのだ〜!」
「特別な子達って?」
「この条件に当てはまる子達の事だね」
パチンッ
ルーナが指を鳴らすと私達の目の前に異世界アニメでよく見る『ステータスウインドウ』のような物が現れた。その『ウインドウ』にはこう書かれていた。
〝異世界転生における条件〟
・15歳以下で死亡した者は『リーンカーネーション・ポイント』が300以上であれば転生できる。
・15歳以上で死亡した者は『リーンカーネーション・ポイント』が500以上であれば転生できる。
「『リーンカーネーション・ポイント』って何?」
「『リーンカーネーション・ポイント』っていうのは、生きていた時にどれだけ良いことをしたかどうか分かる物なの!人はみんな生まれた時にこの『ポイント』を100持っていて、悪いことをすると減ったり、良いことをすると増えたりするの!『ポイント』の増減は出来事によってかわるるんだけど、『ポイント』を多く持って死んじゃった人は転生をすることができるの!」
「へぇ〜。じゃぁ、私はその『ポイント』をたくさん持ってたってことなんだね!」
「そう!ひなたは友達を助けて死んじゃったよね。元々ひなたは『ポイント』をたくさん持ってたんだけど、それの加点によってひなたは条件をクリアできたんだよ!この『ポイント』はね。たくさん持ってる子でも条件をクリアできる子は少ないし、大人はもっとクリアできる人が少ないんだ!私は条件をクリアできた子達を特別な子達って呼んでるの!」
そっか。さやかを助けたかったのが加点になったのか………さやか、怪我とかしてないかな?
そう思っているとルーナが私が待ち望んでいた言葉を口にした。
「さぁ、魔法が使える異世界に転生するんだから、自分のステータスをカスタマイズしないとね!」
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第1話「転生の条件」お読みいただきありがとうございました!
次回第2話は11/5の18:00投稿です!
次回も読んで下さると嬉しいです!お楽しみに!
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