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「おはよ~・・・」




朝起きてリビングに行くと・・・美味しそうな香りが。




「おはよう!!それ、作ったから!!」




勝也がキッチンでスーツ姿のままホットコーヒーをカップに入れてくれ・・・

リビングのダイニングテーブルの上に置いてくれた。




「美味しそう・・・。」




椅子に座り、目の前の料理を見る。




うちにある白い大きめなお皿の上・・・




食パンの上に両面焼きの半熟目玉焼き、薄くスライスされたアボカド、少しオレンジ色のソースと胡椒・・・




ニンジンは細く切られ輝くように鮮やかになり、オイルが下の方に少し溜まっている・・・




薄く均等に切られたキュウリ、ミニトマトとチーズも並べられ・・・




普通のサラダのはずなのに、それまでみずみずしく見える・・・。




そして、わたしの大好きなコーンポタージュ・・・。





お皿の横に綺麗に並べられていたナイフとフォークを手に取り、勝也を見上げる。





「シェフ、ありがたくいただきます。」





シェフである勝也の料理を食べる・・・。





一口食べただけで、脳が喜ぶ・・・。





目を閉じながらその快感に震えながら喜び、手足をジタバタとさせる。





目を開けると、勝也が嬉しそうな顔でわたしを見ていて・・・




「美味しいです。」




「だよな!?」




「シェフの料理ですからね。」




シェフである勝也を見上げる・・・。




勝也は、どこか幼さを残した顔をしている。

少年のような純粋さ、素直さ、楽しさと、きっと寂しさや悲しさも・・・。




身長は182センチもあるらしい。

手足が長くてシュッとした体格、

日焼けではない褐色の肌、

髪の毛は少しクセがあって短くしている、

鼻も口も整っているけど・・・

目はクッキリ二重の大きめな目で・・・




女の子でも絶対に可愛い顔。




「今日は俺早いから、ゆっくり食べろ?」




そう言いながら、私の頭の寝癖を直してくれ・・・




「全然直んないな!」




笑いながらマフラーをして、仕事に向かった・・・。




“俺とばっかり“いたしてる”と、彼氏出来ないぞ?”

勝也がそう言った翌日は、朝ご飯か夜ご飯を必ず作ってくれる。




たまにサッと作ってくれる料理ではなく、本気で作る“シェフ”の料理・・・。




“シェフ”は、私をどうしたいのかさっぱり分からない・・・。













「この前教えてもらった大根の料理、見事に失敗しました。」




休憩室、みんなでランチを食べながらお姉様方に報告をする。




「あれ失敗できる?

大根とベーコンをコンソメで煮るだけだよね?」




「水の量が少なかったのか、コンソメを入れすぎたのか、煮詰まったのか・・・どれかなのは確かです。」




「それはそうだろうね!」




お姉様方が大笑いしていて・・・




「同棲してる彼氏、シェフなんでしょ?」




「そうです、シェフです。」




大反対されるのは分かっているので、“彼氏”ということにしている。




「彼氏に教えてもらえば?」




「彼氏、料理は全く教えてくれませんね。」




「“美マネ”ちゃんの料理、文句言われたりするの?」




社長が私のことを“美人マネージャー”略して“美マネ”なんて言うから、みんなそう呼んでくる・・・。




「文句言わずに食べてくれますね。

昨日の失敗作・・・自分でも食べられないくらいしょっぱくなった失敗作も震えながら完食してました。」




「シェフ、良い男だね!

そういう人と結婚した方がいいよ!」




「そうですよね~・・・私もそう思います。」

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