俺の正体がバレた。めんどくせえな。

「おいこら起きろ〜」

「おーい!起きろ〜」

「起きろっつってんだろコラ。」

「うるせえなぁ…なんだよ…もう寝させろよ…」


……どここれ。

何だお前。起こしやがって。なんか知らんが白髪に巨…なんだっけ?忘れたが胸がデカい。白色の装束に身を包んだ…女の……子?分からんがそんな感じ。

お前白すぎんか?


「お前誰?」

「失礼な!俺はフラガラッハ!」

「頭でも狂ったかな…元からか…」

「自覚あったん?」

「うん。」

「まぁそんなことはどうだっていいさ。」

「俺が知ってるフラガラッハって剣だったんだけど?」

「それで間違いないよ。何しろ俺本来剣だから。」

「人形になってる理由を求む。あとここどこだよ。」

「ここは精神世界…の狭間。「なにそれ?」今説明するから黙っとけ!」

「ぁ゙ぁ゙ぁ゙??」

「何だやろうってのか!?」

「上等だこの野郎。」


そのまま立ち上がり、構える。

相手はナメている!


「神剣相手にやろうってのか?」

「お前魔剣だろ!」

「俺神剣だぞ?」

「マジ?」

「う「引っかかったなこのヴァァァァカ!」


フラガラッハ(仮)は顔面に渾身の回し蹴りを食らった!

吹っ飛んでった。


「汚いぞ!」

「ヘッ!なんとでも言え!」


続けて攻撃する。


「容赦無いな!?」

「女だろが男だろうが関係ねえな!」


……こいつギリギリで避けてやがる。


「どうしたそんなもんか?」

「攻め方変えるか。」


どうやらこいつ異世界の格闘術は見たことないらしい。


「来ないなら俺から行くぜ!」


まっすぐ殴ってきた。


鳩尾…いや顔だ!


「よっと。」


親指に沿わせてそのまま内側に入り背負う。


「え?」


そして…


「セイッ!」


地面に叩きつける。

そのままの勢いでみぞおちに肘をいれる。

そして顔面パンチ。

からの足を持って遠心力と一緒くたにフルパワーで地面に叩きつける。


「もう一丁。」


後頭部にダイレクトアタック!

K O 


「あれれ~神剣なのに弱いんじゃ無いの〜?」


慈悲?んなもん俺に求めんな。


「まだやるってか?」

「……さない…「聞こえねえよ!」


お前どっから出したそのフラガラッハ。


「許さない!!」


半泣きしながら切りかかってくる。

確かに素早い。

が、それだけだ。


『フラガラッハ、形状統一』

「何だそれ!?」


形が変わった!?


「絶対許さないからな!」

「あっぶね!?」


危険を察知して避けたら立ってた場所から刃が生えてきた。


「お前どうやって!?」

「教えるもんか!」


空間から刃が出現する。


「ッチ…」


頬を斬られた。

やっぱ素早い。


「どうやって出してるんだそれ「教えないって言ってるだろ!」聞いてねえよバーカ!」


……仕組みがわかったかもしれん。


「でやーッ!」

「死ね。」


その手にはよくゲームで出てくるようなボウガンが握られていた。


「やっぱり分かったぞ。これ精神世界だから自分の思ったとおりに出来るんだ。」


てことで…


「形勢逆転じゃコラ。」


クソデカい鉛を上から乗せてやった。

んでその上から鉄を高い位置から重りに乗せる。


が三秒でバラバラにされた。


「そんなの効くもんか!」

「だからこれを用意した。」


周りを戦車が固めていた。


「轢き殺せ!」


戦車が前進し始める。


が砲塔部ごと切り裂きやがった。


「まぁ時間稼ぎだけど。」


本当の目的は…


「ICBMだけどね。」


視線の先が爆発した。


「HA☆HA☆HA☆それもう一発!」


一発だけ発射した訳が無いだろう?


時間差で発射しておいたICBMが一気に爆発する。


ちなみに迫撃砲やらもついでにぶっ放す。


視線の先は爆炎で見えない。


「見えないならでサーマルスコープで見ればいいじゃないか。」


爆炎の中に喰らってるのが見える。炎が邪魔で足しか見えないが。


「まだまだァ!!」


砲撃が着弾する。


「これでトドメだ。」


サーモバリック爆弾が爆発する。

俺はというと速攻離れて20mm機銃ぶっ放してた。


死体確認の為にもう一回サーモバリックをぶち込む。


「よし!」


爆炎が晴れた時には


「ぐすっ「まだ生きてやがるもう18発もぶち込め!」


そうして列車砲弾とサーモバリックが合わせて18発着弾しまた爆炎が立ち昇る。


「もういいもんこっから出さないから!」

「無理やりこじ開けるから結構です。」

「酷いよ〜何でこんなのが俺の主なんだよー!!」

「知るか。」


大泣きで無闇矢鱈にこっちに殴りかかって…もはやあれ殴りですらねえな。


「絶対もう力貸さないからな!」

「じゃあへし折るわ。」

「!?」


ガチ泣きしやがった。


「なんか…ごめん…」


そこまでされると罪悪感が湧いてきた。


「ぐすっ…酷くないか!?仮にも女の身体付きなのに容赦無く殴ってくるしあまつさえは訳のわからんもので爆破されるし!もうやだぁぁぁ!」

「いやそんな駄々こねても通用するわけ無いだろ。」

「神剣のくせに弱いだけじゃなく精神的にも弱くない?」

「ああそうだよ!本来ならこっちが一方的にボコるはずなのに何でかこっちがボコられるしわけわからんって!」

「いや…開き直られましても…」

「もういいもん!このまま意識乗っ取って社会的に抹殺してやる!」

「その前にお前を破壊してやる。」

「残念だったな!この精神世界の狭間じゃ(本来なら)俺のほうが強いからな!」

「黙れへっぽこ。」

「へっぽこって言うなぁあ!」


突如として襲いかかって来やがった!


「力強!?」

「へへっ!やっと捕まえたぜこのヤロー!」

「じゃどけ。」


戦車の徹甲弾がこいつを狙う。


俺を力で押さえつけながら飛んでくる最中で砲弾を切り裂きやがった!?


「へっ!単純な力勝負じゃ俺の方が強いみたいだな!」

「でも精神力の方は「うるさい!」うわ何をする!?」


そのまま地面に押し倒された。


「このままお前に女に犯されたって汚名を着せてやるからな!」

「フザケンナテメェ!?」

「こんな状態で勝てると思うなよ!」

「セイっ!」


足元がガラ空きだったのでそのまま股間を蹴り上げてやった。


「だから勝てないって言ったろ?」


足で挟まれたわ。


「でもそのままだとお前も何も出来ねえじゃん。」

「……うるさい!」

「やーい!計画すら建てられんぽんこつ〜!」


えっちょ。


「ナニコレェ?」


地面から生えてきた金属製の拘束具が両手を拘束した。動かん。


「クソッタレ!」

「もう知らないからな!」


さぁ!このあとの展開を予想してみよう!

1番 なんか超絶パワーで逆転に成功する。

2番 足でフラガラッハを突き飛ばす。

3番 何もできない。現実は非情である。


正解は〜






「じゃあの。」

「あっ。」


背中に穴が開く。十中八九元の世界に帰るための奴だろう。



4番の勝ち逃げでした~。


「逃さないからな!」


[フラガラッハ が 追い掛けてきた!]


「逃げ切るからな!」


[こちら も 逃げ出した!]


「てめえどこまで来る気だ!」

「どこまでも!」

「うわストーカーかよ!」

「うるさい!」


もはやこいつは恥とか捨てたな。流石に虐め過ぎたか。ざまあねえな。


「絶対犯してやるからな!」

「もはや目的が変わってんじゃねえか!?」

「だってそれ以外で勝てそうに無いんだもん!」

「自信満々に言う事か!?」


…………

……


……

…………


「ねえ…蛮族くん大丈夫?」

「起きないね…」

「本当に大丈うわっ!?」


突如手にあった剣が手からはじき出される。

それと同時に身体に刻まれていた文様が消える。

[フラガラッハ が 擬人化 された!]


「……えっ?何?何なの一体?」

「さぁ?」


突如即座に起き上がり


「そいつ抑えて!」

「わ…わかった!」

「ちょカナ!?」


何故か白装束の女の子と一緒に蛮族を抑える事に。


「蛮族くん起きたよ!」

「テメェ!離せ!」

「力強っ!?」


軽く振りほどかれる。

が白い子に力で押さえつけられてる。


「テメェら離せ!耳が聞こえねえのか!」


……ムカついた。


「んでこっからどうするの?」

「このもはや服と呼べるかどうかわからん物を剥ぎ取るよ!」

「OK!」

「こっちは全然OKじゃねえんだが!?」


そうして上を剥ぎ取る。

上半身の至る所にあった文様が無くなったお陰で体の白さに磨きがかかる。


「綺麗な身体してるね。」

「今言われても嬉しかねえよ!?」

「このっ…いい加減にしろ!」


まとめて飛ばされた。

異常なくらい強い。


「クソッタレ!この世界そういうフラグが立ったら殆どどうにもならないってか!」


そうして逃げ出す。


「逃れる術は無いのか!」

「無いよ。残念ながら。」


いつの間にか隣にポンッと出現した。


「どっから現れたお前?」

「虚空から!」

「?????」


地面から金属製の拘束具が足と地面を繋ぐ。


「あ。」


そのまま倒れる。


「よっしゃ捕獲成功!」

「あークソ。本当にクソ。」

「悪あがきは楽しかった?」

「まだ終わっちゃねえよ「それはもう見ただろ?」ああ終わったわ。」


不意打ちが失敗に終わり今度こそ駄目かとわかったこいつは…


「あのクソ神お前らまとめて絶対消してやるからな。」

「神に悪口とか不敬にも程があるんじゃないか?」

「黙れ俺にボコられた神剣(笑)。」

「黙り腐れ。」

「やべ。煽りすぎた。」


拘束具に身動き取れなくされたが


「でもこれ脱がすのも無理だろ。」

「さっき脱がしてたじゃん。」

「……Shut Up!」

「意味はわからないけど絶対悪口だね!」


こいつここらへんだけ妙に感がいいの腹立つ。と言って完全に諦めた。


「いやそもそも無理じゃね?勃ってねえから無理だな。」

「どうにでもなるんだよそんなこと。」

「待てなんでそんな都合よくそんな器具持ってんだよ。」

「どこでも買えるよ?」

「やっぱこの世界おかしくなっちゃったかな。」

「隣国の輸入品だから効果も高いし。」

「あの国やっぱぶっ壊したほうが良かったな。」

「実際出来そうだから何とも言えねー!」


親父みたいに女で問題ごとは起こしたくなかったんだがな。


「?!」


関節を外してヌルっと拘束具から出る。


「戦闘力が高いお前から鎮める。」


そのまま戦闘態勢になる。


「ふ~ん俺から倒す気だな?」

「実際さっき倒したからな!」

「そう何度もやられるとでも?」

「思ってる。」

「は?許さん。」


……意識を受け渡すか。

髪が真っ赤に染まり

「……全く…こんなタイミングで渡してくるんじゃねえよあのアホ。」

「魂が変わった!?」

「どういうこと?」

「お前…神剣だったかな…」

「まぁいいか。」

「ほらまとめて相手にしてやるからかかって来いよ?」

「来ないなら…」

「俺から行くぞ〜」


瞬きした瞬間に白い人の姿はそこになくそこにあったのは蛮族だった。


「いつの間に!?」

「さすが神剣砕け散らず地面と垂直に刺さってやがる。頑丈さは認めよう。」

「だが…」


地面から刃が伸びる。


「遅すぎて話にならん。」


全て叩き折っていた。


「良いこと教えてやるよ。」


悠々と歩きながら【ソレ】は言った。


「俺とお前らじゃ住む世界が全く違う。温度差で風邪ひきそうなくらいの差があるな。」

「確かにそうだね…」

「お前らが思ってるのとは違うぞ。」

「物理的に住む世界が違うんだよ。」


埋まっていた白い人が這い出てくる。


「まさかお前…転生者か!」

「御名答♪俺等二人共そうだ!」

「このもう一人の魂がいた世界はまぁ俺の世界よりはマシだな。こいつは元の世界でも愛とかそんなもん一切受けずに育ってきたせいでだいぶ思考が俺よりになっちまったけどな。」

「俺がいた世界を一言で表すなら…「でりゃ!」


白い子がまた地面に刺さった。


「命が紙くず以上に吹き飛ぶ世界だな。」

「俺も愛なんざ概要程度くらいしか知らんからなぁ…」

「むしろなんでこんな余裕があるんだろうな?まぁ強いからか?」


「クソっ…もう時間かよ…」


そう言うと蛮族はまた力なく倒れた。






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