敵は動かなくなるまで徹底的に。
「はっ!」
「大丈夫!?」
気がつけば俺は血まみれだった。全身が痛いが大した怪我は無かった。パーティメンバーにも大した傷はないようで。
「たしか…魔王がどうとか…」
「それよりその傷は…あれ?もう塞がってる…」
あたりを見渡せば原型を留めていない遺体がちらほら散乱していた。
奴らしき遺体は見当たらないが一際原型を留めていない遺体があった。
一体何があったのかは奴が来てからの話だ。
「それじゃさっさと帰るか。」
「そうだね。」
6時の方向から敵襲!
「俺の裏に隠れてろ!援護に回れ!」
6時の方向からはBクラス魔獣の奴を従えている奴が見える。
オーガが数匹。オークも結構な数がいる。
何だあれ?格好的に…魔族か…それも非常に強い。まぁ魔族は実はそこまで強くない。魔族がどれくらい強いかは知らんがまぁ俺が山で戦った魔物よりは弱い。
まぁ十中八九敵だろうな。だから。
「殺す。」
「ちょ!蛮族くん!」
加速する。
真正面から横にいた奴の首をへし折りそのまま脊髄を引き抜く。
「脊髄剣!」
そのまま脊椎を振り回し次の犠牲者を生み出す。
手短に作った武器を振り回し近くのやつをずたずたにする。
「ほう…どうやら多少強き者もいるようだな…」
「喋ってないで掛かってこいよ。怖いのか?」
「喋ってて良いのか?」
「仲間に向けて…」
「おっと!卑怯だと言うなよ?」
「お前賢いな。」
「ええ…」
まぁ戦術的に弱いところを叩くのが正しいからな。
「だが相手が悪かったな。」
蛮族に味方という概念はない。
『意識遮断』
「がっ!?」
意識が狩られた。魔法め…俺の使えないモノに手も足もでないとは…
「やはり人風情ではこの程度よ!」
畜生…め……
「蛮族くん!」
俺は力なく倒れた。
「そんな…蛮族くんが一瞬で…」
「リーダー!うろたえてる時間は無いよ!」
「とにかく彼を回収して逃げなきゃ!」
「そうはさせないよ!」
バレスがやられた。
「リーダー!?まずいカナお願い!」
……カナ?
既に気絶させられていた。
「まずい…ボクだけじゃ運べない…」
それにそもそもこの猛攻に絶えられない。
「万事休す…だね…」
ただそれはすぐに変わる事となる。良くも悪くも。
「おや?奴はもう目が覚めたのか。」
応答もなく徐ろに背中のフラガラッハに手を伸ばす。立ち上がる。
『闘志の侵食』
文様が全て真っ赤に染まり広がる。目が真っ赤に染まる。
『フラガラッハ、形状統一』
突如剣が粉々に砕けその全てが形状を変えて頭にルビーのような一本角に変わって鉤爪に変わる。
「蛮族くん?」
爪を軽く振った。
気付かず近くに来ていたオーガの頭を三枚おろしに変えていた。
脳髄をぶちまけながら死んだ。
数十匹のオークがこっちに走ってきた。
ので一番近いやつの口に鉤爪を突っ込んでそのまま臓物を引きずり下ろす。
『形状統一』
形が変わって籠手となりそのまま頭をパァン!
弾け飛び目玉が飛んでいく。
『形状統一』
元の剣の形になる。
5-6体を軽く切り飛ばし舞うように次の塊へ動き敵をバラバラにする。
返り血がかかる。
刃に掛かった血が吸い込まれてより輝きを増す。
「なんだ…何なんだお前!」
魔族が魔物をけしかけてくれる。
だがただの時間稼ぎにしかならない。
全ての魔物を討伐し残るは魔族のみとなった。
「ひぃ!?こっちに来るなぁ!」
籠手に形を変えて首を絞める。
より強く、より強く。
ついには首が折れる。
だがこの程度じゃ魔族は再生する。
だから
そのまま地面に叩きつけ肩から腕を一本引きちぎる。
魔族が断末魔を上げる事すらさせない。2本目も引き千切る。
そのまま頭蓋骨を粉砕し頭が弾けた。
こんなボロボロでもまだ微かだが動いている。
だから臓物も全てぶちまけてやった。
相手が動かなくなるまで破壊し尽くす。
魔石を取って砕いた。
その砕いた魔石が刃に吸収されより輝きを増す。
そのまま立ち上がり…
そうなところでまた倒れた。
元通りのいつもの姿に変わっていた。
意識を失ったまま。
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