敵は確実に殺すこと。

魔王軍。

古来から存在するとされる魔王率いる軍勢で今も存在する組織的な集団で非常に高い戦力。

対する勢力では歯が立たない程に差が開きもはや魔王軍に支配される以外残されないのかと絶望する人々を救うべく神は異界から優れた者達を召喚した。

勇者。

魔王に対抗する力を宿した者で対魔の力を有する者であり人類側の切り札。そして魔王の宿敵である。魔王軍幹部と呼ばれる者を全て倒し魔王を遂に打ち破る事に成功する。これで平和が訪れる。


と誰もが信じていたかった。


勇者死去から約120年後。

魔王が復活した。さらなる力を身に付けて。



「いやいやあのが人類の為に動くとか嘘だろw」


俺は図書館にて本を読み漁っていた。

人類の残した本は情報が詰まっている。相変わらずヤッてる奴はどこでもいるがな。


「本奪ってもコイツら絶対気付かないだろうな。」


本当にどうなってんだろ。

まぁ多少の常識であろう物は詰め込めたし別に良いか。

隣の国の位置まで分かったし。


「こっから西に向かえば良いんだな。」


丁度太陽が沈みかけてるのでそちらに向けて走った。

ああ勿論道はどうせ淫魔共しかいないだろうから屋根を走って移動するけど。


「食料類はg…現地調達すればいいさ。」


そんなこんなで俺は疲れないくらいの速度で屋根と屋根を走り抜ける。


「そんなに離れて無いらしいしまぁ大丈夫だろ!」


大体130kmくらいらしい。まぁ心配ない。何しろ今時速60km/hくらいで走ってるからな。


大体2時間弱位かかるだろう。


さっさと走り抜けるに限る。こんな国とはおさらばだ。


そこら辺からパクった食料類を飲み食いしながらいつの間にか別の国に来ていた。


そして俺はいつの間にか槍を向けられていた。


「何奴!」

「怪しい者では無い!」

「その格好でか!?」


たしかに怪しいか。


「安心しろ話は通じるタイプだから。」

「そうなのか?」


おい槍をしまうなお前門番だろうが!まぁいいか。都合がいいし。


「何処から来たんだ?」

「わかんねえけど隣の国から。」


隣の国といった瞬間門番の顔が変わった。


「質問するがもしかして隣国の淫魔だらけの国か?」

「ああそうだが?」

「……少々入国手続きが面倒臭くなりそうだな…」


そうして奥の部屋に案内された。

どういうこと?


「これから身体検査をさせてもらう。良いな?」

「別に構わないが…」


そうして俺の持つ物を預ける。


「この剣凄いな…」

「まあ確かにその剣強いからな。」


そうして身体検査を受ける。この国でのギルドだったらまともに機能するはず。


「それじゃこの水晶に触れてくれ。」

「わかった。」


触れたら異世界特有のステータス的な奴が表示された。異世界すげー。


ちなみにこんなもん。


ステータス

パワー鬆ュ縺翫°縺励>防御مجنون知性407素早さ縺翫°縺励>縺」縺ヲ倫理観3

スキル

魅了系無効 身体強化術Lvمجنون 剣術レベルLv螟壼?譛?螟ァ 自己再生 ??????? 


職業 無職 

種族 人間族 蛮族 

称号 殺意の塊 フラガラッハの主 山で育ってしまった怪物 淫魔絶対殺すマン 蛮族の中の蛮族 


「えっと……なんか…バグってませんか?」

「俺に聞かれても困るんだが…」


てか倫理観3ってどういうことだよ!


ちなみにフラガラッハはこんな感じ

魔剣フラガラッハ


権能 あらゆる鎧を切り裂く 傷つけられた者は必ずや死に至る 


お前実は魔剣だったのかよw


「一様魅了系等に掛かっていない事は確認出来たので入国許可は降ります。」

「良いのかよ…」

「むしろここまでくれば逆に安心かもしれないから…」

「ええ…」

持ち物を返してもらった。

そんなこんなでなんでか入ることができたので早速そのギルドに行ってみることにした。

幸いにも場所は聞くことが出来たのでな。


「あの~冒険者登録がここでできるって聞いたんだが…」

「はい出来ます。この場でやってしまいますか?」

「じゃあお願いします。」


俺はただ暴れるだけの蛮族では無い。知恵があるタイプの蛮族だ。


「じゃあこちらの書類に目を通して頂いてからこちらの用紙に名前等をご記入ください。」

「了。」


そうして名前やらを書き最後に血判を押して終わりと。

傷はすぐに塞がった。

ランクは一番下のEから。


「それじゃ早速何かクエストを受理なされますか?」

「まぁ適当に選んでもらって大丈夫ですよ。」

「ではこれでどうでしょう?」


そうして提示されたのはコボルト3匹の討伐依頼。余裕。


異世界特有の魔物をこれまた異世界特有の魔物討伐依頼によって金を稼ぐ。やっぱこれが良いのかな?


「んで…」


さっきから視線に気づかないとでも思ったか?


一気に俺に向けられた視線が消えた。全く…怖気づくくらいなら向けなきゃ良いのに。


そうして俺は依頼に向かった。


意外と遠くなかった。

討伐対象のコボルトは結構な数がいたが…


全く話にならん。


「雑魚がいくら戯れても結局纏めて殺されるだけの事よ。」

「ギッ!」


手短に近くにいたコボルトの首を掴み


「近くに居たお前が悪い」


そのまま引き千切った。


「脆い。流石に脆すぎる。山にいたコボルトの方が多少硬かったぞ。」


フラガラッハの出番は無いな。


そうして手当たり次第惨sゲフンゲフン討伐していった。


どこ持って帰れば良いのかわからんのでとりあえず首を束ねてもって行く事にした。


「あっそうそう魔石も取り出さなきゃ。」


素手でコボルトの心臓部を突き刺し中から魔石を取っていく。


「うーん小さいな…まぁコボルトだしこんなもんか。」


そうして首を束ねたヤツを持ってギルドに戻った。


「あの…」

「えっ…ちょ…うわぁ…」


そんなマジで引くこと無くない?


「ああごめんどこ持ってこりゃ良いか分からんかったらとりあえず首持って来ちゃった。」

「とりあえず…依頼は達成です…」


視線は相変わらず刺さってるがちょっと恐怖が混じってる。


「耳の部分だけで十分ですので今度からは持って来ないようにしてください…」

「ああどうもすみませんね…」


報酬を受け取りそのまま宿を探すことにする。


とりあえずで見つけた宿に泊まるか。

そうして俺はこの国一日目を終えた。

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