エピローグ

『やぁ久しぶりだね。一ヶ月ぶりというところか』


「そりゃあ、満月の夜に貴方は降りるのですから、一ヶ月ぶりでしょうね」


『はははっ、相も変わらず冷たいねぇ』


「――それで、あの時の神託には一体何の意味があったんですか?」


『調査と確認をしたかっただけだ。そう言ったはずだが? 何せ海の向こうの大物があそこで死んだんだ。おかげであの場所は私でも見通せなくなっていたんだ。だから君の眼を通して視る必要があった。……全く、最近は西洋の怪異も平然とこちらに跋扈ばっこし始めて、ややこしいったらありゃしない』


「最近、って。西洋の怪異が日本に出現し初めたのは、何百年も前じゃないですか」


『だから、最近って言っているじゃないか。まぁ、ともかく。それにね、侵入者が彼らだったならば、結果として君はきっと知るだろう? あの時の全てを』


「まぁ、そうなりましたね」


『それもまたついでの目的さ』


「ついで、ですか」


『ああ、ついでさ。意味なんてものは君が勝手に考えればいい。人間らしくね、勝手にこじつければいいんだよ。私はそれを適当に頷いて肯定するだけだ』

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