再誕の夢

朝を告げる鐘の音を遠くに聞いて

深海から浮かび上がり息を吹き返す


滔々と流れる時に身を任せては

纏わりつく夜を脱ぎ捨てる


毎日生まれ変わる新しい私を着て

眩しい色に溢れた街に飛び込んで行く


喧騒と視線の波間を潜り抜けると

きっと楽しいことが待っているはず


目の上を滑ってゆく色彩に

耳を揺らしてゆく音の連なり


この身を翻弄する数々の刺激は

やがて体の隅々まで染み渡る


私を構成する一つになろうと

全てを覆い尽くす何者かのように


賑やかな音楽の群が遠ざかって

静寂が底を這ってやって来る


大冒険の顛末を書き留めておけば

落ちてくる夕陽も怖くはないさ


ただ、


足を止めて振り向いたばっかりに

ひたひたと迫る闇に溺れてしまった




光の差さない水底に、深く、深く

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詩集「何れの日のこと」 みなぎ @minagi04

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