再誕の夢
朝を告げる鐘の音を遠くに聞いて
深海から浮かび上がり息を吹き返す
滔々と流れる時に身を任せては
纏わりつく夜を脱ぎ捨てる
毎日生まれ変わる新しい私を着て
眩しい色に溢れた街に飛び込んで行く
喧騒と視線の波間を潜り抜けると
きっと楽しいことが待っているはず
目の上を滑ってゆく色彩に
耳を揺らしてゆく音の連なり
この身を翻弄する数々の刺激は
やがて体の隅々まで染み渡る
私を構成する一つになろうと
全てを覆い尽くす何者かのように
賑やかな音楽の群が遠ざかって
静寂が底を這ってやって来る
大冒険の顛末を書き留めておけば
落ちてくる夕陽も怖くはないさ
ただ、
足を止めて振り向いたばっかりに
ひたひたと迫る闇に溺れてしまった
光の差さない水底に、深く、深く
詩集「何れの日のこと」 みなぎ @minagi04
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。詩集「何れの日のこと」の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます