第16話 大幅レベルアップ


 1本目の動画の再生回数が100万回を突破。

 2本目の動画からも平均50万回再生を越えてきている。


 まだスカイフォートレスへ探索隊が派遣されたという話は無いから経験値自体は入ってきていないが、それでも期待してしまう数値だ。

 収益化もめでたく通り、今日はあのダークエルフの動画及び鑑定情報を公開する日になった。


 戦闘中に人が三人も死んでるから見せられる部分は殆ど無いが、ダークエルフの使った魔法の切り抜きと俺の鑑定結果を編集で張り付けた物。

 動画時間は3分ほどに纏まった。


 それを公開した日の反響は凄まじかった。



『日本語喋ってる』

『これがモンスターなのかよ』

『コミュニケーション取れるって事は友好関係も築けるって事じゃないのか?』

『強すぎて……』

『何種類の魔法持ってんだよ』

『これ、誰が勝てるんだ?』

『日本に居るA級を全員集める位じゃないと攻略できないよ』

『A級同士の合同作戦なんて前代未聞だって』

『まぁ、どいつもこいつも違うギルドの頭張ってるからな』

『でも、このダンジョン以上に攻略のための情報が分かってるA級ダンジョンは無い』



 そんなコメントが俺の動画に大量に投下されている。

 世間はやはりA級ダンジョンを攻略して欲しいという声が多くある。

 感情的な話以外にも、A級ダンジョンを攻略できればそのダンジョンからスタンピードが発生しなくなる。それは国民全員が叶えて欲しい物だ。


 それと、こっちの動画が大量に再生が回ったお陰で前に投稿していた下位モンスターの再生数の方もうなぎ上りで上がっている。

 そっちから得られる経験値も加速度的に増えているという事だ。


 ワイバーンとかだってスカイフォートレスにしか出ない訳じゃない。

 だから動画を参考にして別ダンジョンのモンスターを倒している人も結構いるみたいで、三桁台の経験値もかなりログに流れている。



―――


天空秀あまそらしゅう 19歳 男

クラス『鑑定士』

レベル『77』


体内魔力量860

身体強化率860


スキル【鑑定lv16】【収納lv14】【観察lv12】【模倣lv10】【透視lv8】【魔眼lv6】【先視lv4】【精霊lv2】


―――



 最終的なレベルは77で落ち着いた。

 まだ経験値は入ってきているが、次のレベルアップには数日は掛かるだろう。


 鑑定のレベルが上がった事で、その人物やモンスターの様々な情報が見れるようになった。まぁ黒子の数とか教えられても意味が無いから表示しないけど。

 収納は空間が広がり、スポーツドームみたいな広さの収納空間を確保できている。


 観察は精度上昇。これでもう多重術式なんかには引っかからない。


 模倣は、そのスキルの100%の効果を発揮する事は出来なかったがそれが限りなく100%に近づいて行っている。

 幾つまで上げれば100%模倣できるようになるかは分からないが、現段階でも9割以上は模倣できている。


 透視はそのまま。

 服とかを透けさせる事もまぁ、できる。

 やらないし、他人にこのスキルについて話す気は無いけど。

 しかし、現実的な話としてダンジョンの迷宮主の扉を開ける事無く内部のボスの情報を鑑定できるという事だ。

 非常に有用なスキルである。


 魔眼は相手の魔法を一つ吸収して放出する事ができる。

 簡単に言えば魔法に効果を発揮する収納スキルだ。ただ、同時に一つまでしか収納はできない。

 このスキルはレベルが上がる事で、一日の使用回数が増えて行くらしい。今は一日5度まで使えるって感じ。


 先視は、そのスキルレベルの半分の秒数先の未来を見る事ができる。

 ただ、俺の脳の処理がえげつない事になるので慣れるまでは色々と練習が必要だろう。


 最後に【精霊】だが。

 まぁ、簡単に言うと召喚士のそれのように精霊を召喚できる。

 ただ、召喚できる精霊は一体のみ。


 そいつの名前は【ゼニクルス】。性能は神獣程では無いにしても非常に優秀で、魔法も物理もそこそこいける。しかし大きな問題がある。

 こいつは呼び出す事で金を要求してくる。その金額によって召喚時間を決定するのだ。

 しかも、銀行口座からの支払いとかカード払いもできるらしい。なんで無駄にサービスいいんだよ。


 大幅にレベルアップした事でスキルを大量に得たのはいいが、しかし如何せん鑑定士は基礎能力が低い。

 本来なら、例えば黒峰静香の【吸血鬼】は1レベル上がる毎に魔力、身体強化共に50ずつ上がるらしい。

 俺はどっちも10ずつだ。

 そして、初期能力値も吸血鬼は500あったらしい。


 格差社会だ。


 まぁいい。

 俺が5倍ほどレベルアップすればいい話なんだから。

 俺の力があればそれも可能だと思ってきた。


 スカイフォートレスの探索が本格化した時が楽しみで仕方ない。

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