パニック
あき
第1話
アメリは聖女であった
神からの天啓を人々にそれを授ける
それが聖女としての役割
今日もまた迷える子羊がアメリの元へやってくるのだ
アメリは根っからのお人好しでよく街を出歩いては人々の願いを聞いていた
ちょうど教会の中に帰る途中にある夫婦が話しかけてきた
「アメリ様、貴方は神から天啓を授けてくれると言うのは本当でしょうか?」
「えぇ、本当だとも、貴方は隣国の方?なにを聞きたいのかしら、どんな難題であっても神は必ず答えてくれますよ」
「ありがとうございます、それが私たち結婚してからと言うもの子宝に恵まれず、大変辛い思いをしてきたのです。もうこのまま一人も子供の顔を見れずにいるのでしょうか?この答えを神に聞きたくまいりました」
「良いでしょう!貴方たちの声に神は必ずや答えてくれます。天啓は空から降ってくるのです!
我は貴方の下僕アメリなり、迷える子羊の願いを叶えたもう!」
ドシャ!
場にそぐわぬ音
液体を含んだ硬いものが叩きつけらるような音
きゃー!!!!!!!!!!!!
聞こえる夫人の断末魔
足元に手を伸ばす赤黒い液体
横を見る
司祭の服を着た男がうつ伏せで倒れている
降ってきたのは天啓ではなく人なのであった
パニック あき @08010526
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