第2話 クラス分け
俺は憂鬱な気分のまま、学園にたどり着いた。何故俺はこの学園から入学案内が来たんだ?
そうしてやたらと広い体育館みたいな所に…ざっと200人程が並んでいた。
これが新入生だろう。そうして暫くすると入学式が始まった。
壇上に厳ついオッサンが上がった
「先ずは入学おめでとう。君達はこれから自身の力を鍛え、この国、いや、世界を守護する戦士となるのだ」
その言葉に新入生は湧く。そういうお年頃なんだろう。自分は特別な力がある。そして世界を守る為に戦うヒーローなんだと。
心底馬鹿げている。様は戦地の最前線で命を掛けて戦えって事だろ?
命掛で戦って誰が感謝する?守られてる奴等は誰かが戦ってるなんて他人事に捉えている。感謝等しない。所詮対岸の火事だと思っている。
俺はそんな奴等の為に命を掛けるなんてまっぴらだ。
「…刀夜」
夏希が心配そうに俺を見る。どうやら無意識に拳を強く握っていたみたいだ。
偉い人の有難い話が終わり、クラス分けだ。能力を計り、その結果で割り振りする。
力…魔力、巫力、心力、気、霊力、様々な呼ばれ方をしているが。大体は魔力と呼ばれる。
最大を1000とした大まかな数値を5段階に分けられる。
Aクラス1000~900
Bクラス900~700
Cクラス700~500
Dクラス500~300
Eクラス300~100
100未満は非能力者として扱われる
「篠原夏希、魔力820。Bクラス」
夏希のクラスが決まったみたいだな。その他も決まって行く。
DクラスとCクラスが多い。Aクラスは両手で数える程度しか居ない。
「次、藤嶺刀夜」
「はい」
遂に俺の番だ
「この機械に魔力を流して下さい」
「はい」
俺は魔力を流しす
「藤嶺刀夜、魔力350。Dクラス」
…魔力は人並みにある。力が弱くてもこの学園に入学させられた原因だ。
「刀夜とは違うクラスになっちゃったね」
「仕方ないさ。夏希は強いからな」
「私は…強く無いよ、魔力が多少多いだけ」
それは謙遜ではない。実際の戦いでは魔力の量=強さではないからな。
魔力=ガソリンだ。力を使う為のエネルギー。
「ほら、移動だぞ?」
「うん…」
「なんだ?不安なのか?」
「ちが!?…刀夜がちゃんと馴染めるか不安なのよ」
「…そうかい。なら、大丈夫だ」
「刀夜?」
何故なら
「俺はそもそも馴染む気が無いからな」
「刀夜!?」
そして俺は自分の教室に向かう。夏希には悪いが俺はさっさとこの学園から去りたいのだ。もしくは一般科に行きたい。
俺は両親の様に無駄死にしたくない。俺を兄と慕ってくれる弟と妹。俺を家族として受け入れてくれた篠原夫妻。そして夏希。俺はあの人達に俺の様な…大切な人を失う思いをして欲しくない。
本当は夏希だってこの学園から一緒に出たい。けれど夏希の力が、国がそれを許さない。それに俺には夏希を守る力なんて無い…ならば…一般人として平和に暮らしたい…そう思う事は悪いのか?
戦う事が能力者の義務ではない。能力者をサポートする人達の方が多いし、関わらない人達の方が圧倒的に多いんだから。
だから…夏希には命を危険に晒して欲しくない。
俺に…もっと力があれば…
その時俺は気が付かなかった。母さんの形見の刀が妖しく煌めいていた事に
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