知らなかった仲
大変天気が良かったので、お城のお庭に席を用意していただきました。
こうして三人でお茶をするのは、はじめてのことです。
そしてまたしても侍女や侍従が席から離れてしまいました。
熱々の紅茶をポットに残しておく、とのことですが。
通常このような席で彼らが下がることはあり得ません。
並んだお菓子をお皿に乗せたり、冷めた紅茶を下げて温かい紅茶を用意してくれたりと、最初から最後まで給仕してくださるからです。
それを今日は私たちで自らするということ。
私は続く知らない体験に先日から戸惑うばかりでした。
「うふふ。お話がまとまったようで。大変よろしいですわ」
「よろしくありませんよ。まだまとまったわけでもありませんし」
「まぁ!まだその程度でしたの?」
あらあらと微笑まれるヴァイオレット様と、気安くお話しされているローレンス殿下。
このお二人がこれほど仲良くされているお姿を目にするのも、私にははじめてのことでした。
ですから私はまた、やはりこのお二人が国のトップに立つべきでは?と考え始めてしまったのです。
「マリー、勘違いしないでね?ヴァイオレット嬢と特に仲良くはして来なかったし、説明もしたね?」
そうなのです。そうなのですけれど。
その内容がとても信じられないもので。
私はなお、ふわふわと夢の中を漂っているようでした。
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