遮られた誓い
それは意外なお言葉でした。
どうしてそのように聞くのだろうと不敬にも疑問を持ってしまうくらいにです。
私はそこで、第二王子殿下の元婚約者候補として、その心意気を確認されているのだと気付きました。
烏滸がましくも邪な考えを持っていてスペアとしては失格の人間ではないか、私を見定めるためにお聞きしたのだと考えたのです。
そこで私は変わらぬ考えをお伝えすることにしました。
「もちろんです。私はスペアとして、また一貴族の娘として、これからはお二人をお支えするために生きることをここに誓い──「だめよ」え?」
「まだ誓ってはだめ。もう少し待ちましょう?」
私は曖昧に頷くことしか出来ませんでした。
普段は言葉を遮るような方ではありませんから、私にその先を言わせたくはなかったということ。
確かに時期が早かったのかもしれません。
正式な発表が出た後に、お誓いすればよろしいでしょうか?
珍しいことは続くものです。
ヴァイオレット様が眉を下げて困っていることを隠さずに微笑まれました。
私は何かとても困らせていて、それに早く気付きなさいということでしょうか。
自身の不甲斐なさを情けなく思いつつも、何も察することが出来ない私は困りました。
どうしましょう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます